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■映画史|アメリカ映画史4[パート1]グレタ・ガルボの伝説

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この世のものではない聖女といわれた!グレタ・ガルボ主演

ハリウッド黄金期のアイコン!

久しぶりにアメリカ映画史のご紹介です。前回は、1930年代の気鋭の若手映画製作者を紹介しました。今回は、黄金期と云われた1930年代の映画界を彩った代表的な女優を紹介したいと思います。

1930年代を彩った二人の女優、グレタ・ガルボとマルレーネ・ディートリッヒです。

グレタ・ガルボは、伝説となった!

ガルボは、スウェーデン出身の女優である。1925年、19歳の時にハリウッドにやってきたそうだ。その翌年に、映画デビューを果たし、その清楚な雰囲気から一躍注目を集めた。なんでも、当時、「この世のものではない聖女」と云われたそうである。このときからガルボ伝説は、はじまったのである。

ガルボの魅力は、何と云ってもその気高さ、高貴な雰囲気を漂わせた美しさにあった。そして、その背景に漂う官能さに男達はやられたのである。

高貴さ漂わせた魅力のガルボであったが、生まれはけっして裕福ではなかったようだ。早くに父親を無くし、15歳で働きに出ている。デパートの売り子をしていた16歳のとき、演劇学校へと通いはじめる。そして、17歳のとき映画監督のスティルレルにスカウトされて映画界への足がかりを得ている。

このスティルレルは、ガルボを創造したと云っても過言ではない貢献を果たした。

ガルボに、優雅に見える立ち居振る舞い、パーティーでのマナー、話し方、またダイエットの仕方などあらゆる所作動作について教えたのである。ちなみに二人は当時、愛人関係にあったといわれている。年齢差は22歳であった。しかし、スティルレルはゲイであったという説もあるそうだ。

そして、1925年、二人は海を渡りハリウッドへとやってきた。MGMと契約した二人は、早速映画の撮影に入り、第一弾として「イバニエスの激流」という映画を撮った。これは、裕福な地主の息子と貧しい農夫の娘とのあいだに生まれた恋の物語であった。この映画は、ヒットしガルボは早くも人気女優となった。しかし、第二弾の映画で躓いた。

監督のスティルレルが芸術性を発揮し過ぎたため興行は不入りとなり、MGMから去ることになった。スティルレルは、その後、別の映画会社で作品を発表するが、ここでも問題を起こしハリウッドを去ることになった。スウェーデンに帰ったスティルレルは、失意のうちに45歳で死去している。

一方ガルボは、スクリーンの女神として着実に地場を固めつつあった。そして、それを決定的にする作品が、「肉体と悪魔」であった。この作品のなかで、ガルボは悪魔が造り出した絶世の美女に例えられる役どころであり、そして、最期には恋の殉教者として死んでゆくのである。

ここに、「悲劇の女神」としてのガルボ像が出来上がった。この映画以降、これを踏襲するかのような映画に多く出演することになった。

後年、ガルボは映画会社が製作したい「悲劇の女神」的作品ではなく、より違った作品に出演したいと要望を出していた。そして、製作されたのが、「ニノチカ」というコメディータッチの映画であった。この映画では、ガルボが笑う!というのが話題であったそうだ。これまで悲劇の女神であるガルボだけに、笑顔とは無縁だったせいである。

ガルボは、生涯一度も結婚していない。「肉体と悪魔」で競演したジョン・ギルバートという俳優と恋仲であったようだが、当時のMGM製作責任者のメイヤーに反対され結婚には至らなかった。その後も噂はあったものの結婚することはなかった。しかし、愛人は幾人かいたようである。

1941年、36歳のとき突然女優を引退し、ハリウッドからニューヨークへと移り住んでいる。ガルボは、ハリウッドにいながら、その世界に馴染めなかった。

北欧人特有の孤独を愛するその性質から、ハリウッドは水が合わなかったといわれる。以降、ガルボは世間から一切姿を消した。そして、それは伝説となったのである。ガルボは、女優を引退しても困らない資産があった、それは、ロスのロデオドライブという土地に投資していたおかげだった。

彼女には、投資の助言をしてくれる有力者が幾人かいたのである。そのなかには、あの金融王ロスチャイルドもいたといわれている。

ガルボは引退から46年が経った1990年、84歳で死去した。

次回は、マルレーネ・ディートリヒをお送りします。

以下のリンクは、参考とした井上一馬/著「アメリカ映画の大教科書」です。アメリカ映画に興味のある方は、是非ご一読を!

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