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■映画|エイリアン総集編 エイリアン〜エイリアン:コヴェナントまで

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エイリアン、SFホラーの唯一無二の傑作か

SF映画の既成概念をこえて

「エイリアン(1979年)」は、いまではあまりにも有名なSFホラー映画の傑作として、その作品は認知されている。しかし、製作当時はSFおよびホラー映画などは、ハリウッドではB級作品扱いされていた。

 その様な背景のなかで、エイリアン製作の少し前、映画界に衝撃が走った。

 あの「スターウォーズ」が公開されて、それまでのSF映画の概念を覆したのだ。続いて「未知との遭遇」が公開されて、これまた新しい道筋を示した。このふたつの作品がそれぞれ大ヒットしたことで、SF映画への認識が大きく変わった。

 SF映画なんて、所詮子供向け、所詮B級という概念が覆されたのだ。

 エイリアン(初期はタイトルが違う)も企画当初は、だれにも相手にされず原案のダン・オバノンは苦境に喘いでいたそうだ。その後、紆余曲折を経てプロデューサーの目に止まり、21世紀フォックスに売り込まれて企画は実現の運びとなった。

 それでも、製作会社の責任者(アラン・ラッド・ジュニア)は、いずれ中止にするつもりだったようだ。しかし、前述した「スターウォーズ」と「未知との遭遇」の大ヒットにより、その意を転換して製作を決定している。

 エイリアンは、その企画から製作過程を経て公開に至るまで、問題点をいくつも抱えながら、それらをクリアしてようやく公開された。その産みの苦しみは、エイリアンが遠い星で寄生する人間をじっと待っていた末に誕生した様子に似ている。

 監督の選定もリドリー・スコットに決まるまで紆余曲折あったようだ。当時、スコットは別の映画の準備をしていた。その映画を途中で降りてエイリアンの監督を選んでいる。かれにとってエイリアンは、運命の作品となった。

 そしてわずか映画二作目にして、映画史に残る傑作を撮ることになった。

 リドリー・スコットは、当時はSFやホラーへの知識があまりなく、「悪魔のいけにえ」などの傑作ホラーを観て勉強を重ねたそうだ。

 エイリアンには、その研究熱心さが映像となって表れている。人が追い詰められていく緊張感や、エイリアンが登場するシーンの緊迫感は、いずれも特上の仕上がりだ。ホラーという怖さという点ではエイリアン第一作目が最高といえるだろう。

 エイリアンの第一作目は、リドリー・スコットの才能とねばり、HR・ギーガーをはじめ特撮関係者の才能の確かさ、そしてシガニー・ウィーバーはじめ出演者の適材適所がうまく重なり、SFホラーの傑作となって世に出ることができた。

 その後、エイリアンは続編(現在までに6作品)および派生作品が作られて現在に至っている。当サイトでは、派生作品は除き、第一作につながる作品のみを正当なシリーズとして以下に紹介していきます。ご了承ください。

 現在(2017年10月)、エイリアンシリーズの新作「エイリアン:コヴェナント」が公開中である。当方も観ましたが、一回ではなかなか理解しにくい内容だったと感じています。しばらくのちに、DVDで再度観てみたいと思っています。

エイリアン 1979年

「エイリアン」は、1979年に公開された。そして「スターウォーズ」「未知との遭遇」とともに、SF映画の概念を変えた記念すべき作品のひとつとなった。

 監督は、いまでは大映画監督および製作者となったリドリー・スコット。かれは、この作品がわずか二作目であった。しかし、その並々ならぬ才能を遺憾なく発揮して「エイリアン」を傑作に仕立て上げた。

 原案は、ダン・オバノンでありB級映画の監督でもあった。かれは原案を脚本にして売り込むが、ハリウッドには鼻も引っ掛けてもらえなかった。その後、1976年、映画監督のウォルター・ヒル(「48時間」など)他が設立した映画制作会社が興味を持って脚本を買い取り、ハリウッドに売り込みを図っていく。

ダン・オバノンの初期構想案
「メモリー」という題で、「宇宙船が未知の惑星に降り立ち、謎の生命体を発見、乗組員がそれに寄生され、やがて体内から怪物が誕生する」というものだった。これは、ほぼそのままに映画化されている。

エイリアンの製作はじまる


宇宙運搬船ノストロモ号
引用:http://2.bp.blogspot.com/-LKReptRTGow/VAdp4bMeJ7I/AAAAAAAAUKk/Zz8WKjJbKSM/s1600/Alien_030Pyxurz.jpg

 そして、21世紀フォックスに売り込むが、当時の製作責任者は見込みがないとして、当初は製作許可を与えなかった。しかしその後、1977年、「スターウォーズ」「未知との遭遇」が大ヒットしたことで一転して製作許可が下りた。

 製作許可が下りたウォルター・ヒル以下のプロデューサーは、まず脚本の手直しにかかる。当初は男性だけだった宇宙船のクルーを、女性を二人、さらにアンドロイドを加えた。エイリアンと対峙する、シガニー・ウィーバーが演じたリプリーだが、オバノンの脚本では男性だったようだ。

 脚本が手直しされて最終稿に近づいていくなかで、原案のオバノンはあまり重要視されなくなっていく。しかし、エイリアンという題名、およびその造形を創出したHR・ギーガーを連れてきたのもオバノンだった。

 監督候補は、ウォルター・ヒルをはじめ、ピーター・イェーツ、ロバート・アルドリッチ、ジャック・クレイトン、そしてリドリー・スコットの4名が候補に挙がっていた。ヒルは、SFは不向きと辞退、その他の有名どころはB級だとして、これまた辞退した。残ったのはリドリー・スコットであった。

「残り物には福がある」というが、リドリー・スコットには、まさに運命の出会いとなった。スコットは、当時別の映画を準備中だったが、それを降板してエイリアンの監督に就任する決断をしている。

 当時のスコットは、SF映画にはあまり興味がなかったが、「スターウォーズ」を観て衝撃を受けたともいわれている。映画監督として先を越されたという思いが、「エイリアン」の監督に就任した要因にもなっているようだ。

 監督に就任したスコットは、自ら絵コンテを描いて(スコットはアートスクール出身)構想案を示し、当初の予算から大幅な増額を獲得している。(エイリアンのDVDには、スコットの絵コンテが特典に収録されている)

 そしていよいよ主演陣が決まっていくーー。


人口睡眠から覚めて食事をするクルー
引用:https://cdn-ak2.f.st-hatena.com/images/fotolife/t/the-Writer/20170630/20170630062607.jpg

<二等航海士リプリー>
 主役(エイリアンが主役ともいえるが)のリプリーを演じたシガニー・ウィーバーは、当時はまったくの無名だった。製作責任者のアラン・ラッド・ジュニアは、判断をしかねて秘書など周囲の女性陣に意見を聞いて、概ね好評だったことからウィーバーの抜擢を決めた。

<その他の俳優陣>
 船長ダラス/トム・スケリット、エイリアンに寄生される一等航海士ケイン/ジョン・ハート、アンドロイドの科学者アッシュ/イアン・ホルム、技師パーカー/ヤフェット・コットー、機関長ブレット/ハリー・ディーン・スタントン、操縦士ランバート/ヴェロニカ・カートライト、猫のジョーンズ。

 俳優陣は、実に適材適所だった。当初不安視されたシガニー・ウィーバーは、この作品をきっかけにスターの階段を上っていった。

 また、登場人物の紹介の仕方も実に秀逸だった。長い人工睡眠から覚めたクルーたちが、食堂で食事しながらそれぞれの特徴を観客に分からせていく。このシーンはとてもよくできていて、観客が感情移入するのを後押しした。

究極のシチュエーション・ドラマ


脱出艇の準備をするリプリー
引用:http://file.uewomuitearuku.blog.shinobi.jp/128781577353016109268_PDVD_006_20101023153612.jpg

 エイリアンは、宇宙船という閉じられた空間のなかでドラマが展開される。そこでは、特殊な空間が醸し出す雰囲気が重要だ。そして、俳優陣には緊張感や緊迫感を身を以て表現する演技が求められた。

 実際、スコット監督は、リプリー役のシガニー・ウィーバーの緊張感を維持するために、パーカー役のヤフェット・コットーに、ウィーバーに対して撮影中、感情的に対応するように依頼していたそうだ。

 それを知らぬウィーバーは、スコット監督にいい感情を抱かなかったようだ。撮影中、演出に没頭するスコット監督を傲慢と捉えていた節がある。また、スコットは製作会社から圧力を受けていて精神的にも不安定になっていたようだ。

 どこかの記事で読んだが、エイリアン撮影中、ウィーバーはスコットをどこかの金持ちのボンボンに違いないと思っていたとか。なぜなら、スコットは高級車ロールス・ロイスで撮影スタジオに来ていたからだ。(ちなみにスコットは、映画は2作目だが、CM制作で成功し裕福であった)

 撮影時、現場では常に緊張感が漂っていたそうだ。それはスコット監督の不安定な精神状態がもたらしていたといわれる。しかし、その反面で映像に緊張感がみなぎって、「災い転じて福となす」結果となって表れている。

 まるでシュチュエーションドラマさながらの撮影現場だったようだ。後年スコットは反省しつつ「あの時の自分は余裕がなかった。撮影現場に緊張感をもたらした原因の一つは、自分の突き放した態度にもあっただろう」と語っている。

エイリアン造形の生みの親、H・R・ギーガー

 エイリアンといえば、あの異様な形状をした姿形がなにより印象深い。そして、それがエイリアンの成功の一因となっているのは間違いない。

 そのエイリアン像を生み出したのが、H・R・ギーガーだった。ギーガーは、特異な題材と画風で一部では有名な画家だった。このギーガーを発見し、エイリアンに参加させることを強力に推進したのが原案者のオバノンだった。

 エイリアン像をどうするかに悩んでいたスコット監督は、オバノンの推薦でギーガーの画集を見て衝撃を受けて採用することを決めた。

 しかし、ギーガーは一癖も二癖もある扱いにくいアーティストだったようだ。映画会社と契約したあと、さっそく制作にかかるが、その後一旦は解雇されている。しばらくのちに、ふたたび復帰してデザイン作業はまた進められた。

 エイリアンの製作は、あっちでもこっちでも問題だらけのようだった。しかし、ギーガーの生み出した造形は、不滅のエイリアン像となっていまに至っている。

宇宙船ノストロモ号とスペースジョッキー、そして卵


謎の宇宙船にいたスペースジョッキー
引用:https://i.pinimg.com/originals/78/31/a7/7831a7219b4b0716865e8987dcf63ccd.jpg

<宇宙船ノストロモ号>
 エイリアンのすべての舞台となるのが、宇宙船ノストロモ号である。この宇宙船のデザインは、ロン・コップが担当した。尖塔のようなものが何本も突き出した特殊な姿形の宇宙船である。ノストロモという命名は、スコット監督だそうだ。

 そして、なにより特徴づけているのが、使い古された感が濃厚に漂う船内の様子だ。それは、どこか懐かしさにも似た雰囲気がしている。鉱物資源を運ぶ運搬船であるから、それはある意味当然かもしれない。

 かつて、SF映画では宇宙船はつるりとした形状で、船内はピカピカに綺麗だった。それを覆したのが「スターウォーズ」だった。エイリアンでも、宇宙船の外観および船内は、リアルな造形を考慮してデザインされている。

 80年代以後のSF映画では、「スターウォーズ」「エイリアン」等の造形を踏襲したリアルな造形が主流となっていった。

 また、リドリー・スコット監督は、エイリアンの経験を活かし「ブレードランナー」でこれまで見たこともなかったSF映画の世界観を創出してみせた。

<スペースジョッキー>
 宇宙船のクルーが、謎の信号に誘われて辿り着いた惑星で出会うのがスペースジョッキーである。このスペースジョッキーは、クルーたちが、発見した謎の宇宙船の内部で化石化した状態で台座に座っていた異星人である。

 人間の数倍の大きさで、その異様さが尋常ではない。(全長8メートルとされている)映画では、謎の宇宙船とこのスペースジョッキーを発見したあたりから、何か尋常ならざる出来事が待ち受けている、そんな雰囲気が濃厚に漂ってくる。

 スペースジョッキーが登場する時間は、ごく短いが、造形制作のギーガーは異常なこだわりを見せて造りあげたといわれる。

<エイリアンの卵>
 エイリアンでは、その成長した姿もさることながら、生まれる前の卵状の姿形も異様さを遺憾なく発揮している。

 当初のアイデアは女性器を模した形状だったそうだ。しかし、それは採用されず、卵の開口部は十字形、そして花が開く様な形状に改められた。

 エイリアンの卵からは、ぬめりとした液体状のものがしたたり落ちていて、いかにも異様であり、近づいてはいけないサインを示している。しかし、好奇心おう盛な人間はそこに近づき、手で触り、そして覗き込むという具合だ。

 卵の形状は、人間の心理を突いて、その行動を予感しているかのようだ。


エイリアン/ポスター
引用:https://moviestories1.files.wordpress.com/2015/12/73b5a0ecc582dc91d544e57b717336c5.jpg

<エイリアン/製作概要>
監督:リドリー・スコット
脚本:ダン・オバノン、他
出演:トム・スケリット
   シガニー・ウィーバー、他
公開年:1979年
製作費:1100万ドル

エイリアン ストーリー

 スペース・シップ(宇宙船)ノストロモ号は、船上に工場設備を持ち、そこで生産した工業用品を販売して廻る通商用の巨大なスペース・シャトル(宇宙船)。

 乗組員は船長のダラス(トム・スケリット)をはじめ、一等航海士ケイン(ジョン・ハート)、科学者のアッシュ(イアン・ホルム)、技師パーカー(ヤフェット・コットー)、機関長ブレット(ハリー・ディーン・スタントン)の男5人と、二等航海士リプリー(シガーニー・ウィーバー)、操縦士ランパート(ベロニカ・カートライト)の女性2人の総勢7人。

 地球に帰る途中、彼らは、他の宇宙船からのSOSを傍受し、救出のために、ある惑星に着陸した。ケイン、ランバート、ダラスの3人が、信号発信地へ向かうが、やっと見つけた宇宙船は、すでに黒く焼けこげ、人影はなかった。

 その宇宙船の底の方を探りに行ったケインは、そこで、床一面に転がっている大きな卵状の物体を見つけた。その1個をのぞき見たケインは、突然飛びだした小さな生物に顔をふさがれてしまった。

あらすじの続きは、以下で
KINENOTE:エイリアン/あらすじ

エイリアン2 1986年

「エイリアン2」は、前作の緊張感漂うシチュエーション・ホラーから一転して、人間とエイリアンが戦う大戦闘アクション映画となった。

「ターミネーター」で一躍映画界に名を轟かせたジェームズ・キャメロンが、脚本と監督を務めている。キャメロンは、かれの作品の特徴である強い女性と母性愛を、「エイリアン2」でも遺憾なく発揮し成功を収めている。

 前作に引き続き、リプリーを演じたシガニー・ウィーバーは、エイリアンとふたたび対峙するが、今度はパワーローダー(荷物運搬用重機)を駆使して、巨大なエイリアンクイーンと直接戦闘までする、という活躍を見せている。

 本作の舞台は、前作でリプリーたちが辿り着いた惑星となっている。その惑星は、その後植民地となって多くの人間が移住していた。リプリーは、意に沿わないながら、ふたたびその惑星に向かう、という設定で映画は始まる。

 登場するエイリアンの数も半端なく、次々と現れては人間に襲い掛かる。さらには、巨大なエイリアンの女王まで登場して観客を唖然とさせる。前作では、エイリアンは全体像をほとんど見せなかったが、それとはまさに対極である。

 また映画では前半部を除き、ほぼ戦闘シーンといっても過言ではない。


エイリアンクイーンと対峙するリプリー
引用:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/images/640/1011117_03.jpg

 とにかく、前作とはまったく違う方向性の映画になっている。緊張の度合いが、より直接的になっていて、息もつかせない展開となった。エイリアンが集団でわさわさと動きながら迫ってくるのは、実に気持ちが悪いとしか言いようがない。

 前作をSFホラーを芸術の域に高めたとすれば、「エイリアン2」は娯楽大作の要素をこれでもかとばかりに集めて凝縮した作品となっている。

 この作品の見所は、たくさんあるが、なんといってもリプリーが、惑星植民地の生き残りである子供を救いにエイリアンの巣に向かい、エイリアンを次々と打ち倒し救出する場面と、それにつづく脱出艇で母艦に辿り着いたあと、脱出艇に潜り込んでいたエイリアン・クイーンと戦闘する場面になるだろう。

「エイリアン2」は、人気映画の続編は当たらないという事例に逆らって、前作以上の大ヒット作となった。「エイリアン」と「エイリアン2」は、いまでも人気が高く、その評価は甲乙つけがたく、ともに傑作という評価を得ている。

 また「エイリアン2」は、女性の強さや母性愛などを描いたことから、フェミニストの映画としても名高いものとなっている。

 ちなみに、ジェームズ・キャメロンは、このあとの「アビス」は不振に終わったが、そのあと「ターミネーター2」を撮り、前作以上の大ヒットを飛ばしている。


エイリアン2/ポスター
引用:http://static.saba-navi.com/wp-content/uploads/2014/02/0119.jpg

<エイリアン2/製作概要>
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:シガニー・ウィーバー
   マイケル・ビーン、他
公開年:1986年
製作費:1850万ドル

エイリアン2 ストーリー


リプリーと植民地の生き残りニュート
引用:https://plaza.rakuten.co.jp/kurosaurs/diary/201211190000/

 宇宙貨物船ノストロモ号を襲った惨事から唯1人生き残った2等航海士リプリー(シガニー・ウィーヴァー)は、57年後、催眠カプセルの中で眠りながら宇宙空間を漂っているところを発見され、ゲッタウェイ・ステイションに連れてこられた。

 彼女は貨物船会社の上層部にエイリアンの話をするが、誰も信じようとはしない。そればかりか、エイリアンの卵の巣である未踏の惑星LV426に宇宙技術者やその家族が住みついていると聞いて驚愕するのだった。

 今はアチェロンと呼ばれているその惑星との連絡が途絶え、リプリーはその原因調査を依頼され、しぶしぶ宇宙海兵隊員と共に軍事用輸送船スラコ号に乗り込んだ。惑星に到着するとその様子に異変を感じた。

あらすじの続きは、以下で
KINENOTE:エイリアン2/あらすじ

エイリアン3 1992年

 前作の大ヒットに続き、「エイリアン3」が製作されることになった。監督は、ミュージックビデオの斬新な映像美で注目されたデヴィッド・フィンチャーが抜擢された。フィンチャーは、この作品が初監督作品である。

 今回の舞台は、宇宙の流刑惑星という、いわば刑務所となっている。リプリーたちを乗せた脱出艇が宇宙空間を漂流し、流刑惑星によって救出された。

 しかし、そこは刑務所だったという設定だ。前作の大アクションから、これまた変わり、刑務所という閉ざされた空間で展開するシチュエーションホラーとなっている。一作目の設定に近いものがあるが、雰囲気はだいぶ異なっている。

 リプリーはじめ、登場人物がみな坊主頭となっているが、それは宇宙シラミへの予防対策だった。囚人たちはすべて男であり、頭にはバーコードのような入れ墨がされていた。かれらは一種の宗教的な戒律によって生活を送っていた。

 そこに、女性のリプリーが突然入り込んだことで、囚人たちの生活に変化が訪れるが、囚人のリーダーによって沈静化が図られる。やがて、エイリアンがリプリーの乗っていた脱出艇に密かに忍んでいたことから、驚愕の展開となっていく。

 一匹のエイリアンと多数の人間という設定は、一作目とおなじである。しかし、その緊張感も緊迫感も一作目には遠くおよばない。

 監督のフィンチャーは、二転三転する脚本や、製作会社からの圧力などに苦しめられたそうだ。そのせいか知る由もないが、多額の制作費(当時では最高額といわれる)を投じたにも関わらず、映画の評価はさんざんな結果となった。

 酷評されたフィンチャーは、その後しばらく映画の制作から遠ざかるしかなかった。「セブン」で監督に復帰するまでその後遺症は続いたようだ。

 個人的には「エイリアン3」は、いまいち好きになれない。なにより舞台の設定が地味過ぎて、また背景の魅力も乏しく観ていてつらい。一作目も二作目もストーリーとは関係なく、舞台の背景だけでも観る価値はあった。

 SF映画の場合、そのストーリーも然ることながら、宇宙船や船内等の生活空間のデザインが見せる未来の姿も見所のひとつである。ところが、エイリアン3には残念ながら、見応えのあるSF世界観が見当たらなかった。

 そこが評価されなかった要因ではないか。エイリアン一作目、二作目には、その辺りが十分すぎる魅力に溢れていた。端的にいえば、エイリアン3には、世界観を構成する部分に魅力があまりなかった、ということかーー。


エイリアン3/ポスター
引用:http://cinema.sugai-dinos.jp/image/contents/45128/20170407110906_1.jpg

<エイリアン3/製作概要>
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:デヴィッド・フィンチャー、ウォルター・ヒル、他
出演:シガニー・ウィーバー
   チャールズ・ダンス、他
公開年:1992年
製作費:5000万ドル

エイリアン3 ストーリー


引用:https://www.herocollector.com/uploads/media/alien-ripley.jpg

 睡眠カプセルの中で眠っているリプリー(シガニー・ウィーヴァー)たちを乗せた非常救命艇EEVは、突然の事故発生とともに惑星フィオリーナ161に不時着した。そこには労働矯正施設があり、染色体異常とされる犯罪者が服役していた。

 墜落事故で生き残ったのはリプリーだけだった。EEVの中でフェイスハガーが物影に蠢いているのを囚人の飼い犬が見つけ近づいていく。

 意識を取り戻したリプリーは、同乗していたニュートとヒックスが死んだことを知り深く悲しむが、事故に不信を抱き、医師のクレメンス(チャールズ・ダンス)にニュートの死体を検死してもらったが異常はなかった。

 鉛工場の溶鉱炉で2人の死体が火葬された時、工場の片隅で犬の体の中から4本足のエイリアンが出現した。

あらすじの続きは、以下で
KINENOTE:エイリアン3/あらすじ

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続きは次頁に…エイリアン4、プロメテウス、エイリアン/コヴェナント

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