レザー・フェイスのサイコ・キラー!
モダンホラーの原点にして、その頂点を極めた最高傑作「悪魔のいけにえ」
あいつがやってくる。気をつけてお嬢さん!!
ヒッチコックの「サイコ」やトビー・フーバーの「悪魔のいけにえ」その他、多くの映画作品に影響を与えたのが、レザー・フェイスのエド・ゲインであった。このゲインは、普段はもの静かでおとなしい中年男であった。しかし、裏ではとんでもないことをしでかしていた。
かれの家には無数の女性死体があり、あるものは天井からフックに逆さに引っ掛けられていた。それには頭がなかった。また、無数の唇が天井から吊るされていた。さらに、部屋のランプの傘は、人皮であり血管の模様がまるで木の枝のように浮かび上がっていた。
マザコンが生んだ、狂気の殺人者
1950年代、アメリカのウィスコンシン州プレインフィールドという人口わずか647人の小さな町でこの事件は起きた。多くの女性が殺害され、さらに恥辱されたうえ、解体されていた。この狂気的殺人犯こそ、エド・ゲインであった。かれは50歳過ぎのどこにでもいる人の良さそうなオジサンであった。ただし、結婚はしていなかった。
保守的な田舎では、変な奴と見られていたが…。
しかし、この男は実はとんでもなかったのである。1957年、町の金物店で店番をしていた女性が、血痕を残して失踪した。この事件でゲインが重要容疑者として聴取された。ゲインの女性は死んだという発言を手がかりにかれの家の捜索が始まった。
彼の家では、まさに地獄の様相を表していた。逆さ吊りされた頭部のない遺体、床には無数のゴミが散乱していた。また、医学部の解剖室など問題にならない量の遺体の部分が安置されていた。さらに人骨で作った骨組みに人皮を貼った椅子、寝室には、頭蓋骨が飾られていた。それ以外にも数々のコレクションが家のいたるところから発見された。
なかでも、人皮面は有名である。映画「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスである。
ゲインは、夜になるとこのレザーフェイスを被り、乳房付きのチョッキを着て踊ったそうである。完全に狂っていた。実際、かれは逮捕された後、精神鑑定を受けた。そして、その後の人生を精神監房で過ごしたのである。
ゲインは、マザコンだったようである。彼は幼い頃から母親に厳しく躾けられていた。そして、性に対する興味を一切禁止されていたそうである。これが、後に爆発したのではないかという指摘がある。とにかく、一生母親の影響から抜け出せなかったようだ。
実の兄は事故で死亡したとされたが、実は母親に対して否定的見解を示したことでゲインに殺されたのではないか、と云われている。
映画「サイコ」では、このマザコン部分を拡大解釈することで独特の不気味な雰囲気を創りだした。サイコの主人公も一見、やさしく人のよさそうな人物であった。
スプラッターの元祖、悪魔のいけにえ
トビー・フーバーは「悪魔のいけにえ」で、映画界にスプラッターというジャンルを開発した。この映画は、ゲイン事件にその多くをインスパイアされたものである。しかし、ヒッチコックと違いマザコンの部分をとっぱらい、ビジュアルに特化した。レザー・フェイス、肉吊りフック、ゴミだらけの室内などである。
この映画以降、数々の映画がゲインの事件からヒントを得てストーリーに盛り込んだ。
「羊たちの沈黙」の犯人が化粧して、乳房付きの人皮衣装を着て踊るシーンなどがそうである。現在でも、この手の映画ではゲインの犯罪は手本となっている。どうですか、みなさん、久しぶりに「悪魔のいけにえ」を観たくなりましたか。結構ですか?。それは、残念!。
参考文献:映画宝島 地獄のハリウッド!より
次の機会には、イケメン・キラー、テッド・バンディを紹介する予定です。もう結構?。そんなこと云わないで!。
以下は、「悪魔のいけにえ」のDVD。
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