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■社会|商品開発のずれ 顧客は正しいか

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商品開発における市場調査は魔法の杖ではない!


Microsoft Surface RT

マイクロソフトのSurface RTという製品が苦戦している

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タッチスクリーンを前面に押し出した、一見すると画期的のようなマイクロソフトの製品「Surface RT」が、何故か販売不振に喘いでいる。なんでも、在庫の山を築いているらしい。そもそも何故、MSは、このような製品を発売したかといえば、それはアップルのiPadの大成功にあるようだ。iPadは、ご存知のようにタッチスクリーンによるインターフェースが画期的な製品であった。

なんでもこの製品に魅せられた消費者から、もはやキーボードの付いたPCなどいらない。という意見がメディアを通じて多数寄せられたようだ。

そのような背景に基づき、たぶんMSでは市場調査をしただろうと思うのである。確かではない、推測である。その結果、顧客はもはやキーボードよりタッチスクリーンにPCの未来を見ている。という結果が出たのではないか。そこで、経営陣はそれいけとばかりに邁進することになったはずである。

そのとき、MSは、PCの目的や役割などをひとまず置いて、とにかく顧客の望んでいるPCを誰より早く開発しようという焦る気持ちであったに違いないだろう。

どうも、MSには、ハードウエアに対する確固たる理念がないようだ。そこが、アップルのジョブズと違うところだろうと思う。ジョブズは、PCを単なるビジネスマシーンではなく、魅力的なアートにしたかったに違いない。もちろん、アートとは違い、多数を販売する製品であるが、その精神性を注ぎ込みたかったと思うのである。

アートは、人々が思いも掛けなかった世界を魅せてくれる。それと同じくらいのインパクトで製品を開発するのが、アップルのジョブズであった。

たぶん、ジョブズには市場調査という概念はなかったと思うが、違うだろうか。一方、MSには、市場調査=顧客動向に頼らなければ、製品開発ができない事情があるのだろう。それは、クリエイティブな能力を持った人材がいない証である。アップルは、タブレットでタッチスクリーンを採用しながら、後のMacbook Airでは採用していない。

薄型と操作性を向上させただけである。もっとも、その薄さが画期的であったのは言うまでもない。この製品開発でさすがと思わざる得ないのが、その目的性の明確なところである。

タブレットとノートPCでは、その目的が違うのである。したがって、アップルは、カテゴリーの異なる製品として開発した。しかし、MSはなんでもかんでもタッチスクリーン化しようと試みた。この違いは大きいはずである。顧客の望みを叶えようとしたはずのMSの製品は、それに反して受け入れられていない。

顧客の望みは、果たして本当なのか。疑ってかかる必要があると思うがいかがだろうか。

製品開発には、市場調査をはじめ、グループミーティングや個別データの解析などいろいろ行われていると思うが、しかし、そこからは顧客の心を震わすような感動を与える製品は出現していない気がするのである。個人でも組織でもいいが、もっと開発者自身が自信をもって開発にあたってほしいと思う次第である。

人の意見に惑わされる事無く、しかし柔軟に。これは、難しいね!。

上記内容は、あくまで個人的見解であり、その裏付け等は一切ありません。あしからず!。

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