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■音楽|NIPPON 椎名林檎 歌は世につれ

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天晴、ニッポン!?

この歌は、ニッポンへの愁いか、希望か、はたまた?

椎名林檎さんは、日本の音楽家のなかでも異質な部類に入るだろう。音楽性に多少変化はあれど、その本質はぶれていない。かつて、ナース服で蹴りを入れていた頃と、なんら変わることのない姿勢を見せている。一時期は、ヒットメーカーになるかと思われたが、それを避けてバンドを結成し活動していた。

再び、個人のミュージシャンにもどったのはごく最近である。

現在、その音楽性は、独自の境地を切り開き何者にも代え難いところまできている。歌のテーマと語り口の特異性から、右傾化の歌かと誤解されるようだが、当人はそれほど意識はないとか。しかし、そうは言っても、前のバンド名は「東京事変」であった。これは、当然「満州事変」を思い浮かべてしまう。

ーー当時のニッポンは、欧米列強から締め上げを食らって、そのあげく行き着いた先が満州であった。(偏った意見かも知れないが、当たらずとも遠からず)ーー

そして、「NIPPON」である。これまた、中国、韓国ときな臭い現状を顧みるとナショナリズムを煽る歌かと想像してしまう。

しかし、彼女の創造性(作詞、作曲、編曲、歌)は、そう単純ではないようだ。創造性豊かな人の特性である時代を嗅ぎ分ける本能が、何かを感じて本人さえ気付かないベクトルを生み出している。そんな気がするが、違うか。

はじめにコンセプトありきではなく、はっきりしない想い、あるいは予感が根底にあり、それにしたがって造り上げて行った末に辿り着いたように思うのである。つまり、探り探りした結果、そこに至ったという具合である。

まるで優秀な芸術家が本能に導かれた結果、未来を予兆する作品を生み出す様にである。そして、それは作家本人が意図しなかった方向へと歩みだしてゆく。

<「NIPPON」歌詞より>

万歳! 万歳! 日本晴れ 列島草いきれ 天晴

乾杯! 乾杯! いざ出陣 我ら 時代の風雲児 
 
この「NIPPON」は、NHKの2014年サッカー番組のテーマ曲となっている。曲のなかで「混じり気の無い気高い青」と歌ってるのは、サムライブルーのことか。依頼があって作ったのか、出来上がった曲をNHKが選んだのか、それは知る由もないが、単なるお祭り気分のサーカーテーマ曲とは趣がだいぶ異なっている。

(あとで調べたら、NHKから依頼されたそうである。)

サッカーを超えて、2014年を象徴する、いやもしかしたら、今後を象徴するかもしれない楽曲ではないか、などと勝手に思う次第である。

「歌は世につれ、世は歌につれ」と言う様に、歌はまさに時代の鏡でもある。アイドルの歌もおなじく、また椎名林檎もおなじく、ただそのベクトルは大きく違っている。これは間違いない。

<歌は世につれ世は歌につれ>
意味:歌は世の成り行きにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に影響される。

なお、上記内容はあくまで個人の勝手な想像である事をご了承ください。

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そんな椎名林檎さんは、インタビューに答えて次の様に語っています。なお、リンク先ではもっと多くのことを語っています。ご参照ください。

「大戦中でもないのに、右か左かと問うのはナンセンス」

――「NIPPON」というタイトルからか、「右翼的」「愛国ソング」などとネットやメディアで話題になっていましたね。

ねえ。お騒がせしてすみませんでした。まさか、そんなことになるとは。組み合わせの妙だったんでしょうね。「混じり気」という歌詞だとか、「ニッポン」という読ませ方だとか。以前にも「日本(にっぽん)に生まれて」という曲をつくっていて。「っ」という促音便、グルーブを生むような読み方を選びがちなんですね。そういうことが相まって、疑わしく思われてしまったんだろうなと思います。

でも、いま大戦中でもないのに、人に「どっちなんだ!? 右なのか、左なのか」と問うこと自体、ナンセンスだとは思います。難しいですよね。はかりづらいし。

椎名林檎「いつも死を意識」「子ども5、6人産む」5年半ぶり新作(ウィズニュース)

日出処

<「日出処」(ひいづるところ)椎名林檎>
椎名林檎が5年半ぶりのソロアルバム「日出処」(ひいづるところ)を出した。死を見つめ、生を叫ぶ歌たちは、時に激しく疾走し、時にやわらかく聴き手を包み込む。(ウィズニュースより)

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