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■音楽|90年代クラブシーンの音楽 繰り返されるリズムが心地いい

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その音楽は、夜の衣を返すかのごとく

とっぽい青年と廻ったクラブの世界、薄暗闇のなかで妖しく光り輝くものは何か?

クラブシーンの音楽などを紹介すると、クラブに通っていたと思われるかもしれませんが、実はそんなことはちっともありません。90年代初頭から中頃に掛けて、数えられる程度しか行っていません。したがって、あまり詳しいとはいえません。

しかし、いま聴いてみると意外と心地いい音楽だと今更ながらに思います。何故、今頃になって聴いてるかといえば、当時クラブで掛かっていた音楽を忘れたからです。なんせ、当時はあまり興味がなかったので記憶も定かではない。

90年代初頭、まだゴールドとか、インクスティック芝浦などがあった時代でした。その頃、会社の同僚にN君というとっぽい青年がいました。いつも、コムデギャルソン・オムなどを着込んでいた洒落ものでした。

ちなみにこのとっぽい青年は、プランナーでした。プランナー、クラブ、コムデギャルソンという具合で当方は覚えている次第です。実に業界人ぽいというしかない。そんな雰囲気を醸し出していました。

この青年は、六本木や麻布周辺の夜事情に詳しくて、よく話しを聞いていました。

そんな訳で、いつしか彼に誘われてクラブに行くようになりました。たしか、ピカソ、アトム、イエローなどに行ったように思います。しかし、それは定かではありません。はっきり覚えているのは、インクスティック芝浦でしょうか。

ちなみにインクスティックは、正確にはライブハウスというべきかと思います。

とにかく何故か、ここはよく覚えています。それは、店内の壁一面にバスキア風の絵が蛍光塗料で描かれていたからです。あれは、誰の作品か?といまでも気にかかります。たしか、暗い店内でぼーと妖しく輝いていました。あれは、蛍光ではなく夜光塗料かもしれません。暗闇でも青く光るやつです。

クラブは、なかなか面白いとは思いましたが、当方はそこにハマることはなくとっぽい青年N君ともいつしか疎遠となりました。それはN君が転職したからでした。


Deee-Lite – “Good Beat” (Official Music Video)1991

クラブ「イエロー」で遭遇したオタク

クラブを教えてくれたN青年と疎遠となったあと、何故かまたクラブにいくことになりました。それは、某遊園地のイベント企画にゲイのコスプレアーティストを中心とした提案をしようと考えたことから始まりました。

このゲイの方は、雑誌ブルータスで見かけて興味をもったので、編集部に連絡先を聞いて直接交渉しました。ところが、彼にはマネージメント(女性だった)する方がいて、そちらと話してくれと言われました。

そこで、その女性マネージャーと会うことになりました。そして指定されたのが、イエローというクラブでした。たしか、西麻布?だったか。飯倉交差点から近かったような記憶があります。なんの変哲もないビルの地下にありました。

地下のクラブ空間は思った以上に広かったと記憶にあります。その日は、イベントがあり、なんとオタクで一世を風靡した宅八郎さんが登場するというものでした。宅八郎さんは、女性ダンサーを数人従えて音楽を披露しました。

それが、どんなもんだったか、いまではすでに記憶はありません。あしからず。

ゲイ・アーティストの女性マネージャーは、宅氏のマネージメントもしていて当方の企画に宅八郎も絡めてはどうか、と考えたようでした。そして、ライブが終わったあとに宅八郎氏を紹介されました。

しかし、この宅さんは、ものすごく愛想が悪かった、女性マネージャーが一生懸命に趣旨を説明しても、そっぽを向いていました。何が気に食わないのか当方などは、さっぱり分からず困惑するばかりでした。女性マネージャーが恐縮していたのは、言うまでもありません。

そんなことがありましたが、某遊園地にはゲイ・アーティストを中心にしたイベント企画を無事提案しました。興味は持って頂いたのですが、肝心の予算がネックとなって、当方の企画はぽしゃりました。

何といっても、営業経費を25%上乗せしたことで大幅に予算が膨らんだのは当然であった。しかし、この企画に営業は当初から絡んでいなかった。なんせ、当方が勝手に企画して売り込んだからである。

それでも組織は、営業にも売上を寄越せとばかりに経費上乗せを要求してきた。結局、ぽしゃって売上0である。少しでも、損して得とれの考えがあれば、もっと違ったはずだった。いやはや。

ちなみに、当方の企画は、その後女性マネージャーからもう一度直接に某遊園地に売り込んでいいかと打診があった。要するに当方の在籍会社を除けば、実現可能と判断したに他ならない。当方は、組織に無断で承諾していた。

ゲイのアーティストは、その後某遊園地のキャラクターなどをデザインしたはずである。しかし、その某遊園地もいまはない。

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16年の歴史に幕:YELLOWがクローズ

「某遊園地」=後楽園遊園地(現東京ドームアトラクション)
「夜の衣を返す」の意=夢で恋しい人に会えるという俗信による。

…………
ちなみに、当方の企画どおりではなかったが、イベントは実現した。しかし、当方にはなんの見返りもなかった。残念でしたというしかない。やれやれ。

Good Beat
Good Beat

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