さすがの中国共産党も大気汚染には成す術がないか?
大気汚染ドキュメンタリー映画を許可した共産党の思惑は何処に!
PM2.5を一躍世界に知らしめた中国の大気汚染は、中国政府の環境施策にも関わらず一向に改善されていないようだ。そのようななかで大気汚染の状況をドキュメンタリー映画にした作品がいま話題となっている。そのあからさまな汚染状況の映像化には、よくもまー共産党が公開を許可したと思うばかりである。
ちなみに公開はネットを通じて行われたようだ。劇場公開とは違ってその間口の広さから1億5500万回以上も閲覧されているとか。それにしても何故、いまになってこのような自国の恥ともいえる状況を世界に向かって知らせたかである。
とにかく、これまで中国共産党は、自国の不利益になるようなことは一切公にしない政策を取ってきたのは言うまでもない。民主化を求める知識人をはじめ、最近では人権派の弁護士なども逮捕または拘束されている。
共産党の意に添わない意見、行動には、容赦のない弾圧が加えられるのが当たり前である。そんな状況にありながら、大気汚染はいわば放置されてきた。何故、放置されてきたかといえば、その原因の元である工場などと共産党幹部の利権の構図が一体化していたからに違いない。
中国の工場等が生産する製品は、低価格だから需要があった。しかし、環境対策を施せば、その分はコスト高になるのは当然であり、低価格を維持出来なくなる。そして競争力を失った製品は世界で売れなくなるという訳だ。違うか。
しかも、中国では企業と共産党幹部の結び付きが強く、企業は幹部に対して莫大な付け届けをしている。これは、中国では常態化しており、いわば必然ともいえる行為らしい。中国人ならそんなこと誰でも知ってるが、共産党がやってることに異を唱えれば刑務所行きである。たぶん。
そんな訳で、大気汚染の元を断ちたくてもどうにもならずに現在に至っている。それでも、中国政府は対策を立てて実行してる振りをしている。何故、振りかといえば、かけ声はかけてもいざ実行という現場に至る過程では、骨抜きにされているからに違いない。その間に利権を有する幹部が立ちはだかるからだ。
これは、あくまで想像であるが、当たらざるとも遠からずである。
中国政府は一応は、環境対策に積極性を見せている。しかし、それが全然はかどっていない。その背景には、中国共産党が一枚岩ではないということにあるだろう。大気汚染の元(工場、エネルギー関連)に利権を持つグループと、そうでないグループのせめぎ合いである。
今回の大気汚染ドキュメンタリーが公開されたのは、そうでないグループの仕掛けに違いない。内部の抗争では埒が開かなくて、いっそ広く国民および世界に訴えてでも、汚染の元(工場などと幹部の癒着)を断ち切ろうということかもしれない。
中国の空からスモッグが消えて、青い空が広がる日がやってくるか。それを実行するには、もはや待ったなしの状況に違いない。
ドキュメンタリーのなかでは、ロンドンとロサンゼルスの関係者に大気汚染にどう対処したかをインタビューしている。しかし、環境汚染のかつての先進国ともいうべき日本には、教えを乞う気はさらさらないようだ。さすが、中国だというべきか。
中国の大気汚染ドキュメンタリーが大ヒット、1日で再生1.5億回
3月8日、ニュースによると中国政府は急に方針を変えたとか。いやはや。
ネットで大ヒットの大気汚染映画が、中国では視聴不可になってるらしい
<中国汚染の真相 「水」と「空気」で崩れる中国 >
香港から“100万ドルの夜景”が消え、黄浦江には1万頭もの豚の死骸が漂った――越境する大気汚染は、日本に光化学スモッグを復活させた。2014年3月、汚染に対して新たな戦いを宣言した中国だが、実態は……
コメント