それはパクリか合法か、それが問題だ
ネットの面白さは玉石混淆にあり、しかしそれも過度期かもしれない
最近、ネットでの著作権侵害?が話題となっている。それは、アメブロでブログをしているユーザーのブログを、アメブロとおなじ会社に属するバイラルサイトがパクったことで問題となった。何が問題かというと、アメブロは規約にユーザーのブログは、アメブロが自由に使える権利があるとしていた。
つまり、個人ユーザーがアメブロに掲載したものを、アメブロおよび関連会社がどんな商売に利用しようが、それはオレたちの権利だと言っているに等しい。ということは、アメブロは無料ブログでユーザーを釣って、自社で利用できるコンテンツを集めているということができるだろう。
無料ブログを運営する会社にしてみれば、何をいまさら言うか、当たり前だろうという思いであるに違いない。なんせ元々は商売である、そこには何かしらの儲かる仕組みが存在していなければ、やる意味は無いはずだ。
しかし、これに対しネット界の有識者といわれる人達から、アメブロの運営会社に痛烈な批判が押し寄せている。しかし、肝心の運営会社サイバー・エージェントの対応は、暖簾に腕押しのごとくのようである。
アメブロ以外の無料ブログの現状については、以下のリンクした記事に詳しく解説されています。ご参照ください。
〆バイラルメディア=パクリメディアが氾濫する
ネット界の有識者たちが問題としているのは、実はもっと別のところにある。アメブロの運営会社の傘下には、無数のバイラルメディア(別名パクリメディア)を行っている会社があるそうである。これが、問題の核心であることは間違いない。
バイラルメディアの問題点は、そのパクリ体質にある。ネットにあるものは何でも利用する、それがバイラルの定義なのだろう。名前だけは偉そうなキュレーターとかいうネット上からパクってくるだけの人達が無数にいるようだ。
アメブロに限らず、他の無料ブログ運営会社は概ねアメブロと同じような規約を設けている。したがって、それに承諾したうえでブログをしているのであれば、ユーザーがいかに著作権を主張しても弱い立場であるのは否めない。
やはり、たかがブログといえどもネットで何か発信していくなら、レンタルサーバを借りて、独自ドメインを取得してやる方がいいだろうと思う。(月間数百円程度、ゲームの課金に比べれば微々たるものだ)しかし、それでもバイラルメディアにパクられることは変わらない。
ただし、無料ブログと違って押しつけの規約はない、個人が著作権を有しているから立場上はずーと強くなるはずである。それは間違いないだろう。
アメブロユーザーは引っ越すか利用規約改善嘆願すべき~(ブロゴス)
<バイラルとは何か?>
バイラル・マーケティング(Viral marketing)とは、口コミを利用し、低コストで顧客の獲得を図るマーケティング手法である。情報の広まり方がウイルスの感染に似ることから、「ウイルス性の」という意味の「バイラル」の名を冠している。(ウィキペディアより)
廣告社/バイラルマーケティング概念図 分かりにくいが、要するに口コミだろう?
ネットと著作権の関係式は、いかに
当方は、バイラルメディアをあまり見ていないはずだ。しかし、知らないだけで見ているかもしれない。いまいましいが、仕方がないか。とにかく、人知れず氾濫していくのが、バイラルらしい。そういうシステムなのか、よっぽどおいしいか、そのどちらかだろう。
バイラルの問題は、著作権侵害である。しかも、ある意味では堂々とそれを行っているところにある。それがパクった先の利益を奪う行為であるのは間違いない。なんせ、パクった先との相互利益などまったく考えていないからだ。
ネット界ではウィンウィンという言葉が盛んに使われたことがあった。要するに相互利益ということだが、バイラルにはそれが無いに等しい。というか無いと断言していいだろう。そこにパクられて得することはないからだ。ウィンウィンという言葉が空しく響くばかりである。
そもそもバイラルメディアの氾濫は、その運営コストの低さにあるだろう。なんせ、基本はパクリだから本職の編集者やライターはいらない。名前だけは格好いいが、正体不明のキュレーターなんたらと、あとは時間給数百円以下のパクリ専門ライター?を雇えばいいだけだ。
しかし、問題の本質はIT関係の環境にあるのではないか。とにかく、そこで働く人達の給料は思いのほか安いとか。とくにプログラマーは使い捨てが当たり前といわれるし、ライターなんかは一つの記事で数百円だそうである。なお、あくまでメディアが伝える情報なので、その実態は知る由もないのは言うまでもない。
〆ネット界のルール、浸透させるのは難しいか
当たり前であるが、ネット界にも守るべき著作権は存在している。映画、音楽、小説などのコンテンツはネットに無断で公開するのは違法である。基本的にはそうであるが、最近ではそれが実は曖昧さを見せている。何故なら、ネットを宣伝または顧客創造の場と考えれば、利用の仕方が変わってくるからだ。
海外の音楽市場では、ネットに積極的に関わっている。新曲もすぐにオフィシャルでPVを公開しているぐらいだ。映画もおなじく予告編などは、ネットで何通りも公開することも珍しくない。
そして、オフィシャルで公開したコンテンツは、個人を中心としたブログやSNSを通して拡散していくことを狙ったものだ。自社だけで宣伝するよりも何倍もの効果を発揮するからだ。それがネットの仕組みであるに違いない。
ただし、そのようなケースは理想のものである。ネットの実態は、そうではなくて実はパクりで成り立っている。言い過ぎかもしれないが、そうとしか思えない部分が多過ぎる。みなさんも思い当たるふしが多くあるに違いない。
たとえば、YouTube動画から違法コンテンツをすべて排除したらどうなるか。誰も見なくなるほど見窄らしいものとなるに違いない。グーグルは何故、YouTubeから違法コンテンツを完全排除しないか。それは前述したことを認識しているからに他ならないだろう。
ずーと昔の音楽は、それを知る人は知っているが、知らない人はいつまで経っても知る事はない。しかし、YouTube動画はそれを知るきっかけを与えてくれる。しかも違法コンテンツがそれを可能にしてくれている。
その結果、昔のコンテンツ(音楽や映画など)のCDやDVDなどが売れることもあると思われる。企業にとっては資産の再活用をもたらしてくれるのである。それが、なんと違法コンテンツという具合である。いやはや。
このようなことを考慮すると単純に違法コンテンツを排除すればいいという訳ではないようだ。なにしろ企業にしてみれば痛し痒しではあるが、ビジネスの再活用を促す効果があるからだ。
きっかけはどうであれ、うまく活用すればビジネスになるという具合である。
当方は、YouTubeに違法コンテンツを投稿する人達を擁護したい気持ちがある。何故ならば、そこに投稿された動画によってファンとなり、その結果としてCDやDVDを購入したことがあるからだ。たぶん、その動画を観なければなんの興味も無く現在に至っていたかもしれない。
厳密には違法であるが、それを投稿した人はファンであり、多くの人に知ってもらいたいという想いがあったに違いない。想いがあるかないか、そこがバイラルメディアのパクリの動機とは大きく違うところである。
動機によって著作権侵害が許されるとは思っていないが、それにしてもという思いは拭えない。あしからず。
当該サイトも実はパクっている?
バイラルメディアを偉そうに貶したが、実は何を隠そう当該サイトの一部は著作権侵害を犯している。たぶん。それが、どこかといえば、主に画像である。利用している画像の多くはグーグルさんの検索から持ってきたものだ。
また、YouTube動画の多くもそうである可能性が高い。(一部はオフィシャルか、承認されたものである)
これは厳密には著作権侵害に違いない。当該サイトの投稿コンテンツの中身を整理すると以下のようになる。
<投稿コンテンツの中身)
記事/オリジナル(一部引用はあれど、ほとんどは自ら書いたもの)
画像/ほとんどをグーグル画像検索から使用(一部、ウィキペディアあり)
動画/主にYouTube動画(オフィシャル、違法コンテンツあり)
引用リンク/必ずしている
このように画像の多くは厳密には違法である可能性が高い。いや、たぶんそうに違いない。そうと理解しておきながら、いまだにその画像を使用するのは何故か。それは、文章だけの中身に自信が無いことと、より面白く伝えたいからだ。
それは自己満足と言ってしまえばそれまでであるが。記事と関連する画像を掲載することでより興味を持っていただきたい。当方は、それを望んでいるだけである。しかし、繰り返すが厳密には著作権侵害となる。
したがって、当方のサイトでは、画像の著作権侵害の申告があれば即刻削除いたします。そのような関係者がいればお知らせください。当方はそれに対処する事をお約束いたします。なお、会社(個人)の連絡先、担当者等の明記をお忘れなくしてください。
なお、今後は出来る限りフリーライセンスの画像を使用していきたいと考えています。
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<追記>
約2000万曲の音楽が無料で聴けるという楽曲デジタル音楽配信サービス「スポティファイ」が世界で広まる中で、そのパクリ具合(音楽の利益)に危機感を覚えた音楽家たちが立ち上がったそうである。
「スポティファイ」は、ほんとにこんなのあっていいのか?と思うサービスらしい。何故、断定できないのかといえば、まだ日本では開始されていないからだ。とにかく、曲と曲の間に広告は入るが基本無料で多くの楽曲が聴けてしまう。
こんなのが当たり前となったのでは、CDやデジタル配信が売れる訳がない。しかし、音楽は自動的に生まれるものではない。人間の音楽家によって生まれてくる。そこで、音楽の生みの親達は対抗することにしたようだ。
ジェイ・Zが買収したデジタル音楽配信サービスに、ビヨンセやマドンナなど有力ミュージシャンが参加し自らの手で音楽の配信をしていくとか。これはもはや所属レコード会社などが頼りにならないと言っているのに等しい。
会社は、いま流行る音楽(利益になる)に注力するし、一方で音楽家は過去の楽曲も含めてマーケティングしていきたい。この差は大きいし、埋められる事はないだろう。音楽家が自らの手で音楽を売って行くのは、当然の成り行きかもしれない。
<バイラル・ループ>
ユーチューブやミクシィ、フェイスブック、ツイッターなど、いま成功している「ウェブ2.0企業」には、すべて共通した“ある秘密”がある。「バイラル・ループ」と呼ばれる現象がビジネス戦略に組み込まれているのだ。これはモノやサービスが人の口コミや紹介を通じて、“ウィルスのように伝播していく現象”のことである。
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