アートも霞む、怪物の如き存在感!
ビルバオ・グッゲンハイム美術館
ビルバオ・グッゲンハイム美術館は、スペインのバスク自治州ビルバオ市にある「近現代美術専門の美術館」である。アメリカのソロモン・R・グッゲンハイム財団の設立したグッゲンハイム美術館の分館の一つであり、1997年10月18日に開館し注目を集めた。
建物はアメリカの鬼才、建築家フランク・O・ゲーリーによって設計され、脱構築主義建築の傑作とされている。この建物は、ビルバオを一躍有名にした建築となり、多くの集客にも成功した。これをきっかけに世界中で美術館建築が俄然注目されることになった。
ちなみに、この建物にはどこにも平らな面が一切ないといわれる。チタニウムの板がうねる過激で有機的な形は、戦闘機の設計などに使用されるCADシステムを用いて構造計算されるなど、時代の最先端の技術を利用して設計されているそうだ。
建物外観はネルビオン川(ビルバオ市内を流れる川)に浮かぶ船のようにも見える。
神戸にある「フィッシュ・ダンスホール」などゲーリーの旧作に多用されてきた魚のイメージにも見えるが、これは港町であるビルバオの地域性を意識したものという。
脱構築主義(Deconstructivism、Deconstruction、デコンストラクティビズム、デコンストラクション)とは、ポストモダン建築の一派であり、1980年代後半以降、2000年代に至るまで世界の建築界を席巻してきた。
脱構築主義は、80年代に注目されたポストモダン主義に強く影響を受けて派生したとされる。ポストモダンが終焉したあと、インターナショナルスタイル(旧モダン建築)に対抗する有力な勢力となり現在に至っている。
フランク・O・ゲーリーは、1988年にニューヨーク近代美術館でフィリップ・ジョンソン(建築家、AT&Tビルなど)監修のもと開催された『脱構築主義者の建築』展にて取り上げられて注目を集めた、この展覧会によって『脱構築主義』の用語とともに有名になっている。
脱・形態は機能に従う
脱構築主義の建築家たちは、機能主義のモダニズム建築を否定し、それを乗り越えてゆくという意識・価値観を共有している。一方、デザインの目先の斬新さばかりが注目されて、建築がたんなるファッション(流行)になったという批判もある。(磯崎新氏、ほか)
異形な存在感に圧倒される
ビルバオ・グッゲンハイム美術館(冒頭写真もおなじく) 1997
スペイン:ビルバオ 設計/フランク・O・ゲーリー
写真で観るだけでも、その異形ともいえる存在感に圧倒される。
しかし実際に現地で観れば比べようもない程の驚きがあるだろう。ゲーリーの作品は、日本にも神戸に魚の尻尾をモチーフにした様なモニュメントがあるそうだ。
余談だが、建築好きのブラッド・ピットがゲーリーと親しいらしい。
とにかく一度は観たい、体感したい建築物である。また、ビルバオ地区は、この美術館によって世界中から観光客を集め、より活気ある街となったといわれている。
フランク・O・ゲーリーの建築/その他
ヴィトラ・デザイン・ミュージアム 1989
ドイツ:バーゼル 設計/フランク・O・ゲーリー
ダンシング・ハウス 1996
チェコ:プラハ 設計/フランク・O・ゲーリー
参考:ウィキペディア、ほか
参考/写真引用:https://www.widewalls.ch/deconstructivism-buildings/
GA document―世界の建築 (54) Frank O. Gehry/Guggenheim Bilbao Museoa
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