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■デザインの徒花 ミッド・センチュリー・モダン

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デザイン史に残る名作「イームズのシェルチェア」

まろやかな、やさしさに包まれて!

モダン・デザインの徒花

1925年様式と呼ばれるアールデコ様式と言われるものがあった。アールデコは、アメリカが強国となり、豊かさを謳歌していく過程で輝いた象徴ともなった。

それは、ニューヨークの街並が示している。アールデコは、当時、画期的なモダンデザインであった。しかし、どこか「あたたかさ」や「ぬくもり」を与える。それは、装飾性と機能性が適度に融合していたからである。アールデコは、30年代から40年代へと続くが、やがて大量生産という合理性の前に姿を消していく。

このようにモダン・デザインは、「あたたかさ」を失っていくのだが、アールデコから大量生産・合理性のデザインへの端境期に突然と咲いたのが「ミッド・センチュリー・モダン」である。それは、1950年代の豊かな消費文明を背景として、その欲望をストレートに表現したデザインであった。

巨大なフィンテールをあしらった自動車を代表に、その感覚は家具や家電、その他の品々に応用された。50年代が終わるとそのデザインは虚飾的であると敬遠される様になり姿を消していった。

現代のモダン・デザインは、50年代デザインをガラクタとして葬り去った。しかし、90年代になって「ミッド・センチュリー・モダン」という名称と新たな価値を与えられる様になり現在に至っている。このデザインが現在でも人々を惹き付けるのは、モダンでありながら、独特の「あたたかさ」に溢れているからである。

それは、過去を思い出し、懐かしむのではなく、時代を超えて輝く美意識に満ちているからである。(参考文献:蔦川敬亮&マキシン・ブレイディー著/トレンドを読む94年版)

ミッドセンチュリーの不朽の名作 イームズ 『ハング・イット・オール』

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