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■アート|裸の王様トランプ現る 謎のアート集団が仕掛けるパフォーマンス

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アメリカの主要都市に現れたトランプ像

 大統領選も佳境に入ったアメリカで、主要5都市に奇妙な裸像が突然現れた。それはとてもリアルなトランプ大統領候補の裸像であった。小さいパンツでかろうじて下半身の一物は隠されているが、それ以外は一切身につけていなかった。

 とりあえず裸像といっても差し支えないトランプ像は、謎のアート活動集団「インディクライン」が仕掛けたものらしい。無政府主義者といわれるこの集団は、トランプ氏の人種偏見的な思考性が気に入らないようだ。

 そして、その思考性や発言の醜さを露呈させる、という目的かどうかは知る由もないが、裸のトランプ像が見せる一種独特の得体の知れなさ(不気味さと滑稽さが融合している)は、トランプ氏の醜さや滑稽さを改めて認知させたようだ。

裸のトランプは何を想う

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引用:http://images1.miaminewtimes.com/imager/u/745xauto/8772176/160914_trump_nj_0727.jpg

 裸のトランプ像は、実によくできている。トランプ氏が実際にモデルとして協力した訳ではないはずだが、とてもリアルさを感じてしまう。

 これを実際に制作したのは、イーライ・ロス(ホラー映画の監督)が監修したお化け屋敷で、アートディレクターを務めたホラー・アーティストのジンジャー氏だそうである。どうりで、独特の不気味さが漂っているはずだ。

 この裸像は、独特のヘアースタイルはそのままに、お肉たっぷりの多少オーバーぎみにカリカチュア(誇張した表現)されている。醜さは満点であり、滑稽さもおなじく、それゆえに実に様になっているともいえる。

 古今東西、世界中に裸像は数多くあるが、ここまで個性的な裸像はあまりお目にかかったことはないに違いない。そういう意味では、さすがトランプである。たとえ大統領選に負けたとしてもこの裸像はきっと後世に残されるに違いない。

 そして、アメリカの未来の子供達に語り継がれていくかもしれない。

母親「これが2016年の大統領選で物議を醸し出したトランプ氏よ」
子供「……、この人コメディアンなの、それともモンスターなの」
母親「たぶん、その両方よ」

 そんな裸の王様トランプ氏は、以下のような発言をしている。この発言をトランプ裸像を見ながら、顧りみるとよくできたコメディのようだ。違うか。

<トランプ氏、かく語りき>

「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」この発言後、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。

「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」

「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦(ごうかん)犯だ」

メキシコに対して「国境に万里の長城を造る」

「彼(マケイン氏)は戦争の英雄ではない。私は捕虜にならなかった人が好きだ」

「どわははは、世界は俺を中心に回っているんだ!」

グラハム議員(共和党)に対し「ばか」「間抜け」

「トランプさん、あなたはバットマンですか?」質問に対し、トランプ氏「そうだよ!」

「おい!そんな小汚い子供より、俺を先に助けろ!!金ならいくらでもやるぞ!!」

「あの顔を見てみろよ。だれがあんな顔の奴に投票するってんだ?」共和党候補フィオリーナ氏に対してのコメント

「移民なんかくそくらえ」

「貴様ーーー!!俺を誰だと思ってるんだ!不動産王のトランプ様だぞ!!」

ドナルド・トランプの名言と暴言(失言)集より

 ところで、これとおなじようなことを日本でやる場合、誰がお似合いだろうか。トランプ氏に匹敵する人物はそうそういないが、体型的には森元総理などはいかがだろうか。でっぷりした体格はよく似てると思うが、どーだろうか。

 しかし、森元総理のリアル裸像を見たいか、と問われれば誰もが見たくなーいというに違うないだろう。当方も見たくないのは言うまでもない。

このトランプ像には、玉がない!

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引用:http://lpt.c.yimg.jp/amd/20160826-00026497-rollingsj-000-view.jpg

 リアルにできたトランプ像であるが、実は睾丸がないそうである。さらにおちんちんもとても小さくできてる。(冒頭動画のなかでサイズを測っている)

 それは、この像を仕掛けたインディクラインのコンセプトらしい。睾丸無しの意味するところは、トランプ氏には「肝っ玉がない」ということだそうだ。おちんちんが小さいのは、短小の比喩であり人物が小さいということか。

 いやはや、なかなかにきつーいジョークである。これを日本でやったら、上を下にの大騒ぎになるだろう。アメリカの人々は、この像を見て大受けしているようだ。人々は像に群がって、自撮りの列が絶えなかったといわれている。

 しかし、警察によって像は撤去の憂き目にあったようだ。それでも仕掛け人たちは、懲りずにまた他の場所でやることを計画しているといわれる。

 ぜひ、日本でもやってほしいと思うが、いかんせん日本は、アメリカの大統領選にまったく関係ないので無理なお願いでしかないか。

 とにかく、今後のインディクラインの活躍に期待してやみません。

「裸のトランプ像」を仕掛けた無政府主義者のアーティスト集団とは?
 2016年8月18日東部時間午前11時直前。シアトル、ニューヨーク、サンフランシスコ、クリーブランド、そしてロサンゼルスの5都市に散らばっていた約40人が、所定の場所に到着した。一般市民を驚愕させ、そして際限なく楽しませる、共和党の大統領候補への芸術的抗議を成し遂げるために。

 彼らは、なすべきことを的確に実行した。数人のメンバーが、この巨大なドナルド・トランプの裸像を設置してから警察が駆け付けて撤去しようとする避けられない瞬間の対応までのマニュアル作成にあたる一方で、他のメンバーは、このグロテスクなナニを本当におっ立てようとしていた。

 各都市で午前11時(西海岸では午前8時)きっかりに、建設作業員の格好をした2人が、ブルー・シートに包まれた高さ6フィート5インチ(約196センチメートル)、重さ80ポンド(約36.2キログラム)の物体を運び出し、地面の塵を払い、速乾性の業務用エポキシ接着剤を薄く広げると、あっという間にその物体を直立させて、押し寄せる人波の中へ消えて行った。

「裸のトランプ像」をお見せするのは申し訳ない。( Huffington Post )

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引用:http://2.i.baomoi.xdn.vn/16/08/19/284/20130625/4_232234.jpg

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引用:http://cdn.daily.ikub.al/nimages/1416540.jpg

冒頭動画:トランプ像パフォーマンスのメイキング

追記:
 現在(2016年9月後半)、アメリカの大統領選はクリントン氏が優勢と伝えられている。しかし、クリントン氏には健康問題が浮上してトランプ氏に付け入る隙を与えている。もはや、どっちが有利という訳ではないようだ。

 しかし、キャラクターだけで捉えれば、トランプ氏は優位に立っている。これは間違いないだろう。今後、しばらくはトランプ氏のような強烈なキャラの持ち主が大統領選に登場することはないだろうと思われるがいかに。

ドナルド・トランプ 劇画化するアメリカと世界の悪夢 (文春新書)
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