ピカソの青の時代は、何を意味していたか!
イブ・クラインの作品
青い色の効能とその意味するものとは
青い色で思いつくのは、空と海である。そして、人間にとって欠かすことのできない水である。そんな青という色は、どこまでも清々しいそんなイメージがある。一方では、憂鬱な時の隠喩としても使われる。ブルー(青い)なときといえば、憂鬱な気分を意味することである。これは、何故だろうか。それは、清々しいイメージである青い色が有する不思議な例えである。
赤い色が情熱を表すのに対し、青い色は冷静、沈着といったクールなイメージを表している。何故、そうなったかといえば、水のイメージから端を発しているのではないか。水は、透明で清々しいが、同時に冷たい感触を人に与えているからに他ならない。その冷たさが、人の心を落ち着かせる効能を発揮するはずである。朝に顔を洗うのも冷たい水の方が、効能は高いのではないかと思うが、如何に。
どうやら熱い気持ち(感情)を冷ます効果が、青い色にはあるようである。落ち着きを取り戻し、冷静な判断をするのに役立ちそうである。しかし、行き過ぎると憂鬱になる。それが、青い色の単純ではないところである。また、赤い色にもそうした矛盾が含まれていたはずである。赤い情熱の行き過ぎは、燃え尽きることでもある。同じく、青い色の沈着、冷静の行き過ぎは、憂鬱となるのである。
一般的に、青=ブルーの持つ意味合いは好感触のイメージである。それは、何事にも目立ち過ぎず、落ち着きを齎すクールビューティーな色である。空、海、水という人間に欠かすことのできない自然環境とその生命の源を感じさせてくれる。だからこそ、人はそこに癒しを感じて心が落ち着くのである。何かと苛立つことの多い現代社会であるからこそ、たまには空を見上げてみるのも良さそうである。
イヴ・クライン 青で染められたサモトラケのニケ
上記した事柄から、青い色には人の心を平静に保つ、または自分を取り戻す効果が期待できそうである。しかし、あくまでイメージとしてであり、その効能に責任を持てないのは、言うに及ばずである。あしからず。
ちなみに、画家ピカソが20世紀初頭の頃に描いていた作品群に、「青の時代」と呼ばれるものがある。それは、青を基調としているが、とても暗い色調の絵であった。これは、当然のように青の有するネガティブな意味合いである憂いを表していた。それは、きたるべく戦争の時代を予感するかのようであった。
<青い色の心理的効果>
集中力を高める。
食欲を減退させる。
興奮を押さえる。
時間経過を遅く感じる。
睡眠を促進。
<青い色のキーワード>
空、海、水、誠実、信頼、落ち着き、冷たい、男性、寂しさ、開放感、涼しさ、知性、精神、清潔、眠り、気持ちよい、平和、失望、悲しみ、不安、安息、冷酷、憂鬱、広大、デリケート、夏、忠実
参考文献:青色のイメージ、青色が与える色の効果
http://iro-color.com/episode/about-color/blue.html
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