キミ、このデザイン表現のコンセプトは何かね?
クリエーティブかどうかは、マインドの問題
佐藤可士和氏曰く、
ユニクロ、楽天グループ、セブン−イレブン・ジャパンといった先端企業のクリエーティブディレクションを手掛けてきました。 クリエーティブのスタイルとして、結局、本質は何なのか、そう見続け、考え続けることで 答えが必ず見つかっていくと思っている。
枝葉を徹底的にそぎ落とし、真剣に見ようとしないと本質は見えてこない。何が本質かと考え抜かないと、それに突き当たらない。若いうちから、 考え続ける習慣をつけるのが大切だ。
ー考え続ける?
クリエーティブかどうかは、つまるところマインドの問題なのだ。能動的に何かをやろうと思っているか受け身なのか。クリエーティブの仕事は価値の転換そのものだからだ。一般の 人が普段踏み込まない「感覚の領域」をフィールドにする。そこで誰もが見過ごしている 物事に気づくかどうかだ。
ー言葉にするわけですね。
クリエーティブの仕事はつまるところ自分の思考をどうコントロールできるかではないか。 手によって描くスキルのように感じがちだが、結局、どういう概念で把握できたのか、もしくはその概念を使いこなせたのか。
さらに組み合わせや再構築ができたのか。クリエー ティブは抽象的なことなので、パッとそのステージにはなかなか行けない。だんだんわかってくるというのではなく、気づきがあったときに言葉にできる。
ーイメージではなく…。
言語化は重要で、言語化できないのはきちんとわかっていないからだ。漠然と感じていることと、わかっていることとはずいぶん違う。完全に理解し把握していないと、言語化ができない。こう言えばピッタリくる、という言葉を探し続ける。
そうしていると、フィットする瞬間が出てくるようになる。その精度も高くなりスピードも上がってくる。
個人的な感想
あくまで個人の好みの問題であるが、わたしは佐藤氏よりソフトバンクやJリーグのロゴを創った人のデザインの方が好きである。それはさておき、佐藤氏の上記発言には賛同する部分が多くある。特に、言語化は重要という点である。
昨今というか、コンピューターがデザイナーの不可欠なツールとなってから、より顕著となった傾向である。端的にいえば、ツールに頼り過ぎる。コンピューターのスキルがデザイナーの善し悪しではないはずである。
デザインとは単に形をつくることでなく、課題に対し具体化する考え方を設定し、それに基づき表現を試みるいわゆる設計(デザインの意味)が必要であると考える。見える形ばかりを考えるのはデザインではない。若いデザイナー(一概にはいえないが)に特に多いが、課題に対しいきなりコンピューターで表現し始めるのはどうかと思う
本当に理解しているのか怪しい。まー、一流のデザイナーと二流以下との差はこの辺りにあるのかもしれない。
生意気なことを書いたかも知れません。でもイメージという捉えどころのないものを具体化する作業とは簡単な事ではないはず。だからこそ、一流のクリエイターは尊敬に値するのである、と思う。
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