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■デザイン|フランク・ロイド・ライト デザインの変遷

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ライトの有機的建築とは如何に!


エニス邸 ロサンゼルス

建築といえばライトに惹かれるが、それは何故だろうか

ミース・ファンデルローエもいいが、ル・コルビジェもいいな。なんて思うが、実際に住んでみたいかと言われれば、少しばかり躊躇するのである。それは、そのモダンな佇まいに人間様が迎合しなければいけないような気がするからである。花柄のカーテンなぞを掛けてはいけないだろうし、着るものも調和を考えないといけない。なんだか建築に支配されそうである。それは気のせいであると分かっていても気になる。そんなオーラが漂っているのが、ミース、コルビの建築ではないかと思うが如何に。

そこでライトである。彼の建築はモダンとは違うと思うが、その構成はモダンを遥かに先じていたはずだ。装飾部分を取り除くとコルビのモダン建築かと見間違うほどである。そこが、後年になって評価された部分でもある。しかし、個人的にはそのような事ではなく、その雰囲気、佇まいに惹かれるのである。なんともいえない壮観な佇まいが彼の建築にはあるが、それは人を遠ざけるほどではない。

むしろ懐かしさと未来が重なったようなデジャブ感がある。ある意味では、人間らしさを追求した結果が、そのような形となって現れたような気がする。それが、有機建築というものなのか。実は、その意味はよくは知らない。あしからず。

旧帝国ホテル ライト館 1921年

現在の帝国ホテルよりずっと威厳があるのが、ライトが設計した旧帝国ホテルである。大谷石をふんだんに使用し厳かな雰囲気が漂うこの建築は、関東大震災にも耐えたようである。しかし、地盤がもともと悪く、さらに大谷石は年月の経過とともに劣化したことから立て替えられることになった。現在も、その地にライトの帝国ホテルがあれば、さぞや壮観な存在感を周囲に漂わせていたことだろう。

現在は、明治村にその一部(正面玄関等)が移築されている。


博物館明治村

〒484-0000 愛知県犬山市字内山1番地
http://www.meijimura.com/

グッゲンハイム美術館 ニューヨーク 1959年

いまやこの建物はニューヨークの名物と言っていいほど有名である。しかし、これが計画された当時は、ライトの評価は下り坂になっていたはずである。高層建築の設計は、ライトの元へは依頼がなくミース・ファンデルローエが高層建築の先陣を切っていた。ライトは、もう時代おくれというのがその評価であった。なんでも、ミース設計のカーテンウォールで有名なシーグラムビルの建築家選定にあたって、ライトも候補に上がっていたが、建築の責任者は彼はもう過去の人として外したようである。

そのような背景のなかで、グッゲンハイムの案件が彼の元へもたらされた。彼はこれを起死回生の機会として活かした。そして出来上がった建築は、これまでの彼の集大成かのような出来映えであった。形状は、カタツムリのようであり、白い壁と僅かに丸みを帯びた印象は、彼の傑作である「落水荘」を思わせる。有機的建築は、ここに極まった次第である。しかし、ライトは、この建築の完成を見る事無く亡くなってしまった。

しかし、グッゲンハイム美術館はいまもなお、その輝きを失わず時を超えた存在としてライトの建築の成果を示している。

エニス邸 ロサンゼルス 1923年

ライトは一時期、マヤの遺跡かと思うような建築群を多く設計した。それは、装飾を施した型にコンクリートを流して造られたブロックを多用していた。その遺跡のような建築はいまでも異様な雰囲気を漂わせているが、なかにはすでに解体されたものも多く有るようである。エニス邸という壮大な邸宅も修繕が絶えず欠かせないようである。かつては財団が所有していたが、売りに出されたと何かで読んだがその後どうなったか。

この邸宅は、映画の撮影でも多く使用されたそうである。代表的なのが、「ブレードランナー」である。主人公デッカードの住まいとして使用されたそうである。

ミッドウェイ・ガーデン 1913〜14年

ライト式遺跡風建築の初期代表作、この様式は後の帝国ホテルにも受け継がれている。この建築を設計した頃、奥さんや子供、弟子を殺害されるという事件に巻き込まれた。その際にタリアセンというアトリエも火災にあったそうである。彼が苦境にあった多難な時期の作品である。

なお、テーマはデザインの変遷でしたが、それに伴う内容とはなりませんでした。
次の機会に、ライトの初期作品ほかを紹介したいと思います。あしからず。

以下は、レゴブロックのグッゲンハイム美術館!
<解説/あらすじ>
ニューヨークにある世界的に有名な美術館のひとつ、グッゲンハイム美術館。
フランク・ロイド・ライトによる設計で、彼がこの世を去った2カ月後にオープンしました。特徴的な美しいフォルムが見事に表現されています。

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