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■映画|アイアン・スカイ

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なんと、ナチが月から攻めてくる!

なんと!!ナチが月の裏側から地球を攻めてくる。地球の危機に連合国艦隊が挑む!

久しぶりに観た荒唐無稽な映画であった。と同時に、よく出来た映画であった。このよく出来たとは、作品としてという意味と、この企画をよく実現できたな、という両方の意味を含んだものである。この映画、なんでも資金をネットで募ったそうである。

それも、簡単なプロットとビジュアルだけで1億円ほど集めたそうだ。物好きと云うか、目端が利くと云うか、出資した人も凄いと思わざる得ないのである。

すでに観たという人は多いと思うが、まだの人はぜひレンタルで観てね!。損は無い映画である。ただし、ある意味では傑作であるが、けっして名作ではありません。

ナチは、なんと月の裏側まで行っていた!?

まず、この映画を簡単に説明いたします。第二次世界大戦に敗戦したナチスの残党は、密かに地球から月の裏側に脱出していた。そして、ついに地球へ向かって攻め上がる日がやってきた。そして、地球を防衛する米国をはじめとした連合軍との戦いが始まった。というような内容である。

これだけだと、単なる荒唐無稽な漫画チックな映画かと思われがちであるが、この映画はちょっと侮れないものがある。

制作者たちは、この荒唐無稽な話を半端な気持ちでは撮っていない。本気である。いい映画を作りたい、面白い映画にしたいという思いが伝わってくるのである。この手の映画は、話がとんでもないからと手を抜きがちであるが、彼らは違った。少しでもリアルに感じるように心がけたようである。

少ない予算ながら、がんばった製作陣はたいしたものである。


サラ・ペイリン似のアメリカ大統領と主人公の地球学者レナーテ

ある意味、パロディ映画でもある

個人的には、あのSF大作「プロメテウス」より面白かったぐらいである。リドリー・スコット監督には申し訳ないが、1億5千万ドル(約150億円)の予算であれでは納得いかないのである。本作の予算は、約750万ユーロ(約10億円ぐらい)である。たぶん、資料に間違いはないと思うが、なんと15分の1の予算である。

本作もプロメテウスも観ていない方は、ぜひ見比べて頂きたいと思うのである。たぶん、そんなに見劣りしないはずである。

この映画、配給はディズニーであるが、制作はフィンランド、ドイツ、オーストラリアとなっている。実はこの映画、アメリカ人を少々どころか、けっこう皮肉たっぷりに描いている。なるほど、ヨーロッパから捉えるとこうなるか。という面白さも味わえるのである。

例えば、アメリカ大統領が、サラ・ペイリン(元大統領候補)そっくりだったり、大統領の広報担当は大変口が悪く、ファッキン!だの、短小コンプレックス野郎が!とか云うのである。アメリカをバカにしているのだろうか、と思う場面が随所にあるのである。


ナチの飛行船型宇宙母艦


月の裏側にあるナチの基地 ナチの紋章である鍵十字形の形状をしている。

突っ込みどころ満載で、いわゆるパロディ映画として観ても面白い要素がたくさんあるのである。しかし、この映画を単なるふざけた映画以上の作品にしたのは、リアル感にこだわった映像にあるだろう。限られた予算でスタッフはB級ではなく、それこそA級の仕事をしたようだ。

陳腐に見えないように、かなり知恵を絞ったようである。本作の監督、制作陣の次回作は、さらに期待大である。

以下は、アイアン・スカイの原作本とナチ関連映画の解説本。

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