■小説自作|アイドルも楽じゃない! その4「干されアイドルの憂鬱」

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ブ、ブスのくせに、一位ってどういうことよ!


上の写真と当該小説とは特に関係はございません!?

アイドルも楽じゃない! その4「干されアイドルの憂鬱」
作:cragycloud
登場人物:アタシ(有名アイドルグループの人気低迷メンバー)

 う、ああああっ。ぐあっ。といったうめき声ともつかない声を発して目覚めた。ああ、そうか、昨日というか今日というか、久しぶりに飲んでカラオケで騒いだのだった。すこし頭が痛いような気がする。

 昨日の公演が終わる前に、明日が休みだという数人のメンバーで飲み会をすることになったのだ。集まったみんなは、グループのなかで「干され」と言われている。悔しいが、事実である。なんてことよと思うが、如何ともし難いのが現実であった。

 アタシは、しばらくボーとしていたが、喉が渇いているのに気がついて冷蔵庫からドリンクを出してきて飲んだ。今日は、休みだけど特に予定はない。ひたすら寝ようと思っていたが、なんだか目が覚めてしまった。

 もうすぐ、お昼になる頃だ。顔を洗ってから何か食べる物を買いに行こうかと考えた。なにげに、テレビのスイッチを入れた。「お昼休みのウキウキ♪〜」というおなじみの番組のテーマソングが流れていた。くー、これは観たくないテレビだった。

 それは何故かといえば、アタシが所属するアイドル・グループの現トップのアイドルが出演しているからだ。アタシは、コイツとは同い年だ。なのにコイツはトップで、アタシはいまだ選抜と云うマス媒体露出組にも選出されたことがない。

 ブスのくせに。なんてことよ。許せないわ。ほんとに。とかいろいろな思いが、頭を過っては、また次の罵倒する言葉が浮かんでくる。

 しかし、ほんとにファンって騙されたがりよね。コイツの本性を知ったらファンなんてやってらんないから、ホントに。

 そんなことを思いつつもテレビを眺めていた。そういえば、先日もこいつとんでもないこと言ってたわ。某テレビ番組のなかで、生まれ変わったら誰になりたいかという質問をされたとき、このブスのくせにアイドルは、自分と言ったらしい。

 さらに、自分以外ではと質問されて、ジョニー・デップと答えたそうだ。なんでも、その理由が、波瀾万丈な生き方をしたいからだそうだ。しかも、自分より波瀾万丈なのはジョニーぐらいしか思い浮かばないと言ったとか。

 思い上がりも程々にせいよ。と言ってやりたいわ。たかが芸能人でどこの馬の骨かしらない男とスキャンダル起こしたぐらいで、ちゃんちゃら可笑しいわよ。

 なにが、波瀾万丈よ。とアタシは強く憤っていた。あんたより波乱万丈な芸能人なんて履いて捨てるほどいるわよ。あんたがバカなだけじゃない。もう少し、知識というものを蓄えなさいよ。と心の中で毒づいていた。

 しかし、このブスのくせにアイドルのどこがいいのか、ほんとーに謎だ。

 あたしは、テレビを消して顔を洗ってお洒落なジャージに着替えた。近所に出かけるときは、いつもこんな具合である。しかもノーメイクだ。

 自慢じゃないが、アタシは素顔がきれいだ。現在、トップアイドルのアイツなんて化粧を落とせば誰だか判らないほどだ。それに比べるとアタシは、なんて素顔がきれいなんだろう。実は、最近までこのことに気がつかなかった。

 たまたま撮った素顔をブログやグーグル+で紹介したら、とても評判がよかったのだ。

 そこで、はたと気がついたのだ。そうか、アタシにもアピールポイントがあったわ。それから、意識的に素顔をアピールすることにしている。

 さてと、どこにいこうかな。いつものコンビニですませるか。スーパーにいくか。どうしようかな。と迷いつつ下駄箱からお気に入りの可愛らしいサンダルを取り出した。よっこらしょと、20歳とは思えないかけ声をだしてサンダルを履こうとした。

 しかし、いかんせんまだ酔いが残ってるのか、動きが散漫である。多少、いらつきながらサンダルをようやく履いた。さて、出かけようかとした。その時であった。

 玄関のドアを開けて、外にでようとしたときである。動きが散漫なせいで目測を誤ったようである。出入り口の端っこのところに左足の小指をしたかかに打ちつけてしまった。

 痛いー、くぅーっっっっっっ。くかあーっ!。たっ、たったー。という声を発しながら、左足を抱えて一本足でとん、とん、とんと跳ねていた。そして、通路の一画に倒れ込んだ。そして、アタシは叫んでいた。

「ブ、ブスのくせに、一位ってどういうことよー!」と、痛いの痛いのとんでけーと言わんばかりに叫んだのであった。

「干されアイドルの憂鬱」 おわり

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