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■社会|中国のバブル狂騒劇 いよいよ終焉か

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上海株の急落は、ウォール街大暴落を彷彿させる

■急騰していた上海株、約3週間で30%以上の暴落

 中国がバブルだとずいぶん前から叫ばれていたが、それでもなかなか弾けることはなかった。いや、一部ではすでにクラッシュしているともいわれたが、まだ世間的には認知されていない。日本では、相変わらず中国人による瀑買いが話題になるが、その背後にある危機には触れられてはいない。

 そんな現状であるが、ここにきていよいよかと思わざる得ない状況になりつつあるようだ。1年程前から急騰(ほぼ倍)していた上海株式市場が、ここ3週間で急落している。それも政府のてこ入れもなんの効果もなくである。

 そして、ついに8日の中国株式市場の上海、深セン取引所では約1300社の企業が売買停止。全上場企業2808社のうち約45%が売買できない状況となった。さらに、5%以上の大量株式保有者の売りを半年間禁止にするとした。

 もはや、禁じ手もなんのその、株価急落を止めるためには何でもするという覚悟の中国政府のようである。これを異常事態と言わずして何をそういうかだろう。

 しかし、何故か日本のマスコミはあまり取り上げていない。海外のロイターなどは、盛んにギリシャより中国のほうがヤバいかもしれないとしている。何か日本のマスコミには戒厳令でも敷かれているのか?。それは知る由もないが。

 上海株は、かつて2000(ポイント?)だったものが、約1年程前から急騰して4000以上となっていた。その背景には中国政府による個人投資家への信用買い促進策があったようだ。そして、株は儲かるものとして、個人投資家の多くが信用取引き(借金)で株を買いまくったことから急騰したといわれる。

<信用取引とは>
 証券会社に保証金を積み立てれば、証券会社(もしくは証券金融会社)から融資を受けられ、より多くの株式を購入できる仕組みである。

 したがって、中国の株式市場の急騰は、実体経済とはなんら関係なく官製相場のあからさまなものでしかない。しかも、中国は資本主義の国ではないし、民主主義の国でもない。一党独裁の共産主義国家である。

 株式市場もコントロールが可能として考えているのならば、これから先が見所である。果たして資本主義でもない国が株式市場という資本主義の根幹をいかに扱うかである。これは、前代未聞の出来事になるに違いない。

「異常事態」の中国株市場、商品や株式にグローバル投資家の売り(ロイター)

以下は中国株式市場の急落までの経緯をまとめたもの(掲示板より)

・中国、GDPを上げて大国に見せる為に民衆を煽った不動産バブルで固定資本形成を粉飾
 ↓
・北京五輪後、実態を伴わない不動産バブル崩壊
 ↓
・このままではGDPが落ちるので不動産に代わり、株が儲かるとテレビでバンバン煽る
 ↓
・国内で株ブームに、年収の数十倍の借金で株を買う人間が増える
 ↓
・上海A(元建ての中国人専用市場)の株価が異常上昇
 ↓
・上海Aの株価が香港・上海B(ドル建ての外国人投資家向け市場)に伝染
 ↓
・実態を伴わないので徐々に株価が落ちるが、米国債を売って株価を買い支える
 ↓
・米国債を勝手に売ったのでFRB(アメリカ連邦準備 制度理事会)に指摘され怒られる
 ↓
・海外投資家に外貨準備金が無いことを見ぬかれ中国株式市場が暴落
 ↓
・年金や様々な金を2.4兆円以上使用して買い支えるも5日で390兆円を失う
 ↓
・中国政府から「株を買っても、絶対売るな」と命令が下る
 ↓
・更に中国株を売ってる犯人探しするも、暴落止まらず
 ↓
・金融のルールを無視して710社の売り買いを停止する
 ↓
・借金をして株を購入していた中国人個人投資家達が株を売れず
 ↓
・金を借りた金融機関に利息を返せなくなる中国人多発の危機  ←いまここ

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■1920年代のアメリカと現在の中国

 かつて、1920年代後半のアメリカでは、ウォール街の大暴落があった。このときも個人投資家が信用取引で借金しまくって株を買っていた。それとおなじことが、いま中国で起きているようである。

 思えば、1920年代のアメリカといまの中国は似ているところがある。20年代のアメリカは、第一次世界大戦後の好景気に湧いていた。そのおかげで富裕層だけでなく一般大衆もその恩恵に授かり、どんちゃん騒ぎの時代を謳歌した。

 ここ最近の中国も、20年代のアメリカに負けていない。日本を抜いてGDPは世界2位に躍り出たのをはじめ、外貨も莫大に溜め込んでいた。アメリカ国債だって世界一の保有国となっていた。そして有り余るお金は、海外へと向かった。海外の不動産などを買い上げていく様は、まさに世界を瀑買いしていくかのようであった。

 20年代のアメリカといまの中国が違っているところは、資本主義とそうでない国の違いにあるのは言うまでもない。さらに、当時のアメリカは保護主義であり海外への興味はそれほどでもなかったが、いまの中国は領土拡張に熱心である。

 国家の事情は異なっているが、いま起きている(株式市場の変調)ことは似通っている。これが、果たして今後の世界の状況にどんな影響をもたらすか。

 それを予想するのは、大変に難しいに違いない。アメリカのある評論家は、中国はやがて新しい軍事政権に取って変わられると予想している。しかし、いまでも十分に軍事政権のような気がするがいかに。

 とにかく、中国の現状がいま以上に変化していくのは避けようがないと思われる。もし、株式市場のクラッシュが現実となれば、その他の案件(不動産など)もドミノ倒しのように連鎖していくに違いない。

 そうなれば、もはやAIIB(アジアインフラ銀)で主導権を握ろうが関係はない。中国自身の底が抜けたのだから、他国にかまっている暇はなくなるだろう。

 それでもなお、中国にはなにか秘策があるのだろうか。世界を巻き込む事だけはやめて欲しいが、いまの状況からみてそれは避けられないだろう。日本は言うまでもなく、世界の先進国はなんらかの形で中国に投資しているからだ。

 そういえば、日本の伊藤忠商事はごく最近であるが、約6000億円もの大金を中国の企業にぶちこんでいる、果たして大丈夫なのだろうか?。いやはや。

…………
追記:ゴールドマン・サックスは、中国はバブルではないと言ってるとか。しかも、買いを推奨しているらしい。証券会社が本当のことを言う訳が無いので、その逆と考えれば正解か。

【中国株式市場】200強銘柄の追加売買停止措置&キンペー砲乱れ撃ちを日経以外のマスコミが特定秘密保護

週刊エコノミスト 2015年 6/9号 [雑誌]
週刊エコノミスト 2015年 6/9号 [雑誌]

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