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■音楽|なかの綾「恋におちて」情熱の昭和ロマンチック・ラテン

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ロマンチックなデジャブ(既視感)におちて

■ジャパニーズ・ロマンチックの世界がいま蘇る

 昭和30年代、西暦では1950年代中頃から60年代の日本は、好景気に湧いていた。戦後の高度成長期のまっただ中にあり、大衆も繁栄を謳歌することができた。中流階級というカテゴリーも登場し、そこでは新しい生活様式も生まれていた。

 高度経済成長期、第一期は1954年(昭和29年)から1961年(昭和36年)まで。

 テレビは多くの世帯に普及し、娯楽の中心となっていた。若者は、新しい文化を創りだしつつあった。ファッションが重要なアイテムとなって流行が造り出されていた。ミニスカートが世に登場し、あっという間に広がっていた。

 若い男と女の意識も時代の息吹に合わせて変わっていた。デートなんて言葉もこの頃から定着したのでないか。新しい意識が芽生えてはいたが、それでも日本人らしく、ドライではなく情のあるロマンチックという様相が伺えた。

 当方は高度経済成長第一期(昭和30年代)のことはよく知らない。記憶にあるのは高度経済成長第二期となる1965年(昭和40年)から1973年(昭和48年)の方である。それでも、なにぶんガキだったこともあり、当時のことはティーン以後になって、書物や映画から得た知識である。したがって記憶と知識が混在している有様である。

 ただし、とっぽいおねーさんのミニスカートが眩しかったのは微かに記憶にある、しかし、それも気のせいかもしれないが…。

冒頭動画/なかの綾「恋におちて」

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なかの綾、その歌声は嫌が応も無く既視感を呼び起こす

■トランスワールド歌謡曲とは、何か?

 なかの綾さんのことは、ごく最近まで知らなかった。当方サイトで今更ながら、アイドル松浦亜弥さんを紹介したときに、写真家の村田賢比古さんKai-Wai 散策から、こんな歌手がいますよと教えて頂いた。たぶん、当方の好みに合うだろうと感じたのではないか。

 なかの綾/プロフィール:1985年5月7日生まれ、京都府出身の歌手である。

 彼女の音楽は、まるで昭和の高級ナイトクラブ「ニューラテンクォーター」で鳴り響いていた音楽を想像させる。ちなみに当方は、ニューラテンクォーターに行った経験はありません。映画の世界で垣間見た記憶があるぐらいである。だから、懐かしく感じるが実は聞いた事はない音楽と言っても間違いはない。

 昭和30年代のナイトクラブ、またはキャバレー(いまのクラブやキャバクラとは違う)などでは、ラテン音楽やジャズが流行っていたそうである。ちなみに、その様子は当時の日活や大映などの映画作品で観ることができます。

 ラテン音楽は、情熱(激しく燃え上がる感情)の音楽といわれる。昭和30年代の日本も情熱のまっただ中にいたことから、それは必然のように融合したのかもしれない。ジャズも1920年代に流行ったように何故か好景気と相性がいいようだ。

 ところで「なかの綾」さんは、失礼ながらその音楽が醸し出す雰囲気と違って意外とまだ若い人(たしか30歳ぐらい)であった。PVを観るとかなり熟した雰囲気?を発していたので、もう少し年配かと思ったが、それは当方の先入観による勘違いであった。

 なんでも18歳からジャズを歌っていたそうであり、歌唱力がしっかりしているのも納得である。その声がなんとも大人の雰囲気がしていて実にいい感じである。昨今のアイドル全盛の時代には、とても新鮮に感じる歌声であるのは間違いないだろう。

 2013年にユニバーサルからメジャーデビューし、ミニ・アルバム『へたなうそ』を発売している。

 ただしそれ以前に、インディーズで何枚かアルバムを発売している?。いずれも好評を博したようである。しかし誰が、音楽の方向性を考えたか知らないが現在の音楽事情の隙間を見事に突いていると思う。ちなみに彼女の音楽のキャッチフレーズは、「トランスワールド歌謡」となっている。時代を超えて輝く音楽という意味らしい。

 これには思わず素晴らしい、なるほど実に的を得たものだと感心しました。ちなみに当サイトも「過去も未来も超えてゆく」というフレーズを使用しています。タイムレスという意味では、おなじような感覚を有してるかもしれません。それは気のせいか?。

 最新アルバムは、2014年9月にアルバム『わるいくせ』をリリース。2015年4月、アルバム『わるいくせ』をアナログで限定リリースし、発売初日でメーカー在庫が完売している。またアルバムのジャケットは、なんと大友克洋氏が描いている。

 他には、クラブキング主催(桑原茂一)のイベント「黒い歌謡曲」にて近田春夫、リリー・フランキーと共演している。2011年には、 WOWOWで放映された「R60 スネークマンショー」に出演し、桑原茂一の演出で伊武雅刀、小林克也と共演している。

 現在、FMヨコハマにて毎週水曜日24:00からレギュラー番組「今夜もおきばりさん!」のメイン・パーソナリティーを務めているとか。(参考:ウィキペディアより)

 余談として、なかの綾さんは現役のホステスであるという情報がネットにあったが、当方はそれが事実かどうかは、知る由もありません。 (なお、2014年のメディアレビューには現役ホステスの大注目新人とありました)

 それから、なかの綾さんは、なんとなくJUJUさんに似ていなくもない。ジャズを歌っているところもおなじくである。歌のうまい女性シンガーは、どうやらJAZZを歌うようだ。そういえば、土岐麻子さんもそうであった。

 とはいえ、彼女の音楽性は似て非なるものである。それは間違いない。

なかの綾twitter
https://twitter.com/Aya_Nakano
オフィシャルサイト
http://www.nakanoaya.com/


なかの綾 黄昏のビギン

■なんだか30年代の日活や大映の映画が観たくなってきた

 このページで掲載したPV「恋におちて」と「黄昏のビギン」の楽曲は、2010年にインディーズから発売したアルバム「ずるいひと」に収録されている。どちらも昭和ティストなロマンチックに溢れたラテン風味にアレンジされています。

「恋におちて」は、小林明子の楽曲で1985年に大ヒットしている。昭和30年代ではないが、なかの綾さんが歌うと何故か既視感が濃厚に漂う感じとなる。PVの演出もなんだかすごいことになっている。

 どう見ても、これは昭和30年代の夜の世界を彷彿させるものだ。往年のスター田宮二郎みたいな男性が登場して、30年代の大映作品のような雰囲気を醸し出している。なかの綾さんが、大きなサングラスとミニスカートで登場するのも、なんだか記憶を呼び起こさせるものがある。こんなおねーさん見たような、いやそれも既視感か。

「黄昏のビギン」は、1959年に水原弘が歌ってヒットした。作詞/作曲は、永六輔と中村八代という昭和歌謡のゴールデンコンビによる。ちなみ、当方はオリジナルを聴いた記憶がありません。あしからず。

<デジャブ/既視感>
既視感(きしかん)は、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じること。

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赤坂(永田町)にあったホテルニュージャパンと高級ナイトクラブ「ニューラテンクォーター」(建物は一緒、経営は別だそうです)

ニューラテンクォーターは、当時の政財界、芸能人、スポーツ選手などがこぞって来店していた。今風にいえば、セレブのたまり場であったようだ。当時のプロレスの人気スター力道山が、やくざに刺された場所としても有名である。


アルバム「わるいくせ」全曲視聴

わるいくせ なかの綾
わるいくせ

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