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■社会|ユニクロの失速 ブランドの底上げに失敗か

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なぜかスリムばっかのユニクロ、中高年には細身すぎる

中身は劣化したうえ、値上げとはいい度胸だ

 あのユニクロが、最近では売り上げ減少が当たり前となってしまった。一世を風靡した低価格とベーシック路線という戦略にも陰りがみえてきた。

 ユニクロの成長の要因は、低価格の割には品質が良かったのが、消費者の心理にぴたりとハマったのは言うまでもない。しかし、昨今では価格は高く、品質は劣化したとかつての反対のことがいわれるようになってしまった。

 それが、売り上げ減少に拍車をかけたのはごく当然であった。また、商品はなぜかスリムばっかとなっている。デザインを売りにするつもりか、スタイリングのユニクロをアピールしたいのか、それは知る由もないが、少子高齢化のなかで、中高年をターゲットから外すとはいい度胸だというしかない。

 かっこいいユニクロのつもりかもしれないが、それがかえって客層の限定化をもたらしているように思われる。年齢を問わない、それが強みだったはずだが、それを放棄したいらしい。なぜかわからんが。

 ギャップの戦略(オールドネイビーという低価格ブランドあり)を真似て、ユニクロを底上げし、GUを低価格ブランドにしたかったのは痛いほどに理解できるが、とにかくユニクロは、当事者が思うほどブランドロイヤリティがなかった。

 売り上げ5兆円という目標のなかで、数値だけで判断した結果がそこには表れている。顧客をないがしろにして、目標数値を達成するための机上の計画は、往々にして頓挫せざるを得ない。

 なぜなら、商品政策が数値を基準にされて、本来あるべき顧客目線が欠けているからに他ならないだろう。好調期にある企業がよく陥る罠である。多少のごまかしはなんとかなる、という傲慢が蔓延していく。

 その結果、不相応にも顧客をリードしていくつもりとなってしまう。スリムばっかの服のオンパレードは、そういう理由と思われる。ユニクロがスリムを打ち出せば、世の中はついてくると踏んだか、しかし、それは物の見事にはずれた。

 いまユニクロが一押ししていると思われるジョガーパンツなんて、どこの誰が似合うのか、はなはだ疑問である。売れているかといえば、どうもそうではないようだ。きっと当方とおなじ考えの顧客が多かったに違いない。

 一方、低価格、トレンド路線の「GU」は比較的好調といわれている。

 ちなみに、当方はユニクロではなくGUの方で買い物を何回かしています。どちらかといえば、ヤングがメインの訴求対象とみられますが、中高年のちょっとしたオシャレにもちょうどいいかもしれない。

 なにしろ、価格と品質がほどよくマッチングしている。ユニクロが値上げした分余計にそう感じざるを得ない。

 当方は、スニーカーを買ったが、チープではあるが十分履けるものだった。ナイキやアディダスを購入したこともあるが、なぜか当方の足に合わなかった。それを考えると十分に役立っているのは、価格以上の価値と言ってもいいだろう。

 言い過ぎだったかもしれないが、ナイキやアディダスは1万以上出したにもかかわらず、足が痛くなったからだ。どーやら、足の幅が合わないらしい、と後で気がついた。若い人はどうか知らないが、当方などは日本人特有のものらしい。

 そういえば、無印のスニーカーもなかなかしっかりしたものだ。GUのはそれよりは劣るが、ま、価格が安いから仕方がないかもしれない。

 それはさておき、ユニクロの魅力は薄れたが、はたして巻き返しができるか。それが課題であるのは違いない。ユニクロが、もし再び低価格路線にもどった場合、GUはどーするかである。トレンド路線を強化しすぎるとヤングではない顧客は離れていかざるを得ないだろう。

 ユニクロにとっても難しいかじ取りとなるに違いない。

ユニクロ、海外でも苦戦中。一方、無印は高評価に

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 一時期、華々しい海外展開が話題であったユニクロであるが、昨今では雲行きが怪しくなっているそうだ。計画では、海外展開を中心に売上高増を図り、5兆円を達成するはずだった。

 しかし、それがもろくも崩れそうな状況になりつつあるとか。

無印とユニクロ(ブロゴス/ヒロ)

 この情報通の方となぜユニクロはうまくいかないのか、という話になった際、彼は出店計画がまずかった、と述べています。特にニューヨークの旗艦店についてはユニクロ側は売り上げが伸びているとし、いかにも好調である印象が感じ取れますが、これらの巨大店舗は賃料が高すぎていくら売っても賃料に追いつかない状態だとされています。

 事実、米国ユニクロの事業はボロボロで赤字は増える一方です。店舗閉鎖も行い(会社側はスクラップアンドビルトと称していますが、多分、スクラップが増えていく気がします。)会社としては相当のテコ入れをするつもりのようです。当然、一昔前にあったユニクロがバンクーバーにも上陸か、という噂は今は宙に浮いています。

 ユニクロが海外で苦戦するなかで、なんと「無印良品」が以外と健闘しているようである。以外というと失礼ですが、一時期、海外で「MUJI」ブランドを積極的に展開していましたが、その後は低迷したと聞いていました。

 無印は、日本でもおなじく、一時期低迷していたと思われますが、どーやらまた復活しているようです。とにかく無印には、他にはないコンセプトがあり、それがブランドロイヤリティを確かなものとしているのは間違いない。

 無印良品はけっして安い商品を揃えている訳ではない。かつては「訳あって安い」というフレーズを使っていたが、いまではそんなことを言わずとも、独自のコンセプトが定着化して、それに共感、共鳴する顧客が大半と思われる。

 ユニクロとの違いは、まさにそこにある。ブランド価値がどこにあるかである。「安い割に品質がいい」というのはブランド価値としては弱いのは言うまでもない。少し価格を上げただけで顧客は逃げていくからだ。

 ところが無印は違う。それは、唯一無二のコンセプトを有しているからに他ならない。しかも、それは一朝一夕でできたものではない。ブレることなく、歴史も刻んできている。(一時期、ブレたようでもあるが)

 ユニクロが、本当の意味でブランドになるには、安さと品質以外のオリジナリティとブレない姿勢(変化に即応していくも含めて)が求められている、と思われるがいかに。

ユニクロ公式サイト
http://www.uniqlo.com/jp/

無印良品ネットストア
http://www.muji.net/store/

追記:ユニクロと無印良品では、業態が違うのは言うまでもありません。しかし、おなじ日本初のブランドとして、海外展開する小売り業であることは変わりません。両社ともに海外ではまだ途上にあり、これからと思われます。

ユニクロをけなしましたが、揶揄、中傷するつもりは毛頭ありません。これからに期待いたします。

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