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■社会|日本から「安全と安心」が消えていく ITの進化とともに社会環境が変化する

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日本では社会環境の詐欺化がとまらない

 日本では、なんであれ「安全と安心」は当然という認識がされている。それは外国人からみれば、世界のなかでもごくまれな出来事に映るようだ。しかし、それも最近までのことであり、昨今の日本では詐欺化社会が進展してやまない。

 かつて日本の企業は、「安全と安心」に支えられて信頼を築いていた。それが日本企業の強みとなっていたのは言うまでもない。

 ところが、昨今ではITの進化と比例するように詐欺的行為もなんのその、ごく当然のように不正(あるいはギリギリ)を行う企業が跋扈しだした。それは90年代後半から始まり、00年代に定着化しだしたと思われる。

 オレオレ詐欺が蔓延し、企業が非正規社員を増やした時期と重なる。そして、携帯端末の販売が怪しさ満点で行われていた。(携帯端末はいまでも怪しい販売手法を続けている、いわば詐欺的手法の先駆者である)違うか。

日本企業のグローバル化は、いわば劣化に等しいか

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 かつての日本では、すべての行為は信頼に基づいて行われていた。それゆえに、「安全と安心」は当然のごとくと認識されてきた。個人も企業も、そして役所もおなじ土壌にある約束事で通じ合っていた。

 しかし、いつのまにか、その信頼の絆は壊れたようだ。それはITの進化と無関係ではないと思われる。あくまで個人的な見解であるが、そう思わざるを得ない出来事が次々と起きているからだ。

安全という贅沢品が中国人を引き付ける!
 東京にまがいものなし。これも大勢の中国人が東京で買い物三昧を楽しむ理由のひとつだ。商品の本当の価値は保証されている。

 返品や交換も自由だ。安全と安心は、あらゆる国が追求しながら、ごく一部の国が実現できた目標だ。中国人は自分たちの暮らしと懸け離れた安全で安心な生活がこんなに近くにあるとようやく知る。

チェン・イェン(ジャーナリスト)ニューズウィーク8/30(2016)

 ITの進化は、90年代の後半に一気に進んだ。主にインターネットの普及がメインであったが、それに伴ってシステム設計や付随するサービスも隆盛を迎えていた。そして起きたのが、ITバブルであったのは記憶に新しいことだ。

 ITバブルは、詐欺であったといえる。インターネットはその後も拡大したが、当時の状況は株価を不正に押し上げることでしかなかった。いまではお笑いぐさの「ユビキタス」とかなんとかが、世間をバブルの渦に巻き込んでいた。

 当時のIT企業は、自社の製品の優劣よりも株価の押し上げにしか興味がなかった。たんなる噂の域をでない商品やサービスでも株価を上げる材料となっていた。

 その代表的な企業が、「クレイフィッシュ」「光通信」などである。その後は「ライブドア」がその代表格になっていく。

 同じ頃、携帯端末の販売が隆盛を極めていた。その販売手法は、いまでは詐欺に等しかった。ある販売会社(光通信系)では、端末のインセンティブを狙った「ねかし」という行為が堂々と行なわれていた。

 さらに、イベント販売では、コンビニの店頭で当たりくじを引くと携帯が当たるということまで行なわれていた。携帯が当たっても契約が必要なのは言うまでもない。販売会社は、携帯端末を無料で上げてもインセンティブで儲かる仕組みだ。

 そのような詐欺的な商売をする企業が、堂々と株式を上場して注目されていた。

 そのような動きが、90年代後半から00年代初頭にかけて、IT企業を中心として行なわれていた。そして2006年、IT企業の不正行為の象徴となった「ライブドア事件」によって、そのような動きも一旦は収束する気配が見えた。

 しかし、その闇は深かったというしかない。おいしい思いをしたら、それを二度、三度と繰り返したくなる。それが詐欺師の本質であり、本領である。

 オレオレ詐欺も00年代に携帯端末が増加するのと合わせるように登場している。そして、その詐欺行為は年々進化して複雑化している。それは、まるで携帯端末の契約内容とおなじである。違うか。

 オレオレ詐欺は、携帯端末を重要なツールとして詐欺をしている、それは何か意味深であり、象徴的な出来事と思われる。うがった見方をすれば、携帯販売とオレオレ詐欺は同じ穴のムジナということができるだろう。

PCデポや食べログの詐欺的行為は、ほんの一端か

 最近、PC関連商品の小売チェーン「PCデポ」と、飲食店の評価サイト「食べログ」で詐欺的不正と思われる行為が発覚した。

「PCデポ」では、高齢者に不必要な商品とサービスを付加して販売していた。その行為は、携帯端末の契約の複雑さを継承し、さらにオレオレ詐欺を追加したものであったと言って間違いない。なにしろサービスの解約に20万円も請求していた。

「PCデポ」は、まさにヤクザも真っ青の高額請求と抱き合わせ販売、そして解約での脅しのテクニックであった。しかし、それでも株式市場では一定の評価がされていた。市場では、とにかく数値しか見ないからだ。

 いやはやである。そして、その事案が沙汰止みになる前に、「食べログ」という飲食評価サイトが、評価を餌にして不正な取引を強要していたことが発覚した。これまた、かつてはヤクザがやっていたことだ。

 取引先の何かをカタに取って、それをいいことに都合のいい取引を持ちかける。ヤクザの得意ワザではないか。それをIT企業が堂々とやっていた。まるで00年代初頭のインチキIT企業さながらというしかない。

 怪しい動きはまだある。最近ではないが、地方の図書館の運営を一括して受託した某企業(CCC、IT企業といえる)は、自社の関連企業から役に立たない中古本を大量に購入し図書館に納入していた。

 さらに自社のカード発行と個人履歴を都合よく手に入れる機会として、図書館運営を最大限利用している。これは現在も堂々と行なわれている。何か変だと思うが、該当する行政は是正するつもりはないようだ。どーなっているんだろうか。

 上記したことは、詐欺的行為のほんの一端に過ぎない。明るみになる裏には、その数倍、いやそれ以上の不正的行為が行われているに違いない。

 日本の「安全と安心」という信頼の絆は、もう失われたのかもしれない。それを推進してやまないのが、なぜかIT企業群というのは、何か訳がありそうだ。

 思えば、ITの世界(一般的な意味で)では、顧客をいかに釣るか、あるいは引っ掛けるかが問われていた。そこに信頼という「安全や安心」はなかった。釣ったもの勝ちの世界、それがITの世界に蔓延していた。(いまでも)

 インターネットに限らず、システム設計でもおなじようなことが起きている。受注してしまえば、どこまでも闇の奥に顧客を引きずり込んでやまない。みずほ銀行などは、そのいい例ではないか。違うか。

 そして、次なる詐欺の仕掛けはすでに用意されている、それが「IoT」というしろものらしい。はたして、それは「ユビキタス」の二の舞になるか否か。

<IoTとは>
 コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。

日本の劣化は、どこまで進展するか

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 00年代になってから、大企業の劣化がものすごい勢いで進んでいる。大企業は、最先端の経営手法、そしてIT管理などを取り入れてもなお、劣化が進展化している。「ソニー」はアップルにしてやられて失速し、「パナソニック」や「シャープ」などの家電は、韓国や中国にとって代わられた。

 ごく最近では、重厚長大の雄として君臨した「東芝」は、不正会計という禁断の果実に手を出していた。そのあげく、枝葉の事業の売却を余儀なくされている。

 日本最大の企業グループのひとつである「三菱」も、おなじ轍を踏んでいる。自動車は、かつての欠陥隠しを教訓にせず、燃費不正に手を染めていた。

 飛行機事業は、採算性が不安視されている。(これは、飛行機生産が途切れていたからと思われるが)客船事業は、とんでもない見積もり予算の間違いがあり、大幅な予算超過となって赤字が確定している。

 企業ではないが、役人の劣化もこれまた激しいようだ。とくに東京都の役人の長い物には巻かれろ式の、事なかれ主義が目立っている。

 東京五輪、豊洲新市場などの経過をみれば、それは一目瞭然である。

 このような劣化現象を俯瞰してみると、何かが浮かび上がってくる。それは、上記した「ITの進化、進展」とともにすべてが起きている。00年代に起きた出来事を列挙してみると以下のようになる。

<00年代に進展した出来事>
・ITの進化、進展(と同時にバブル化)

・詐欺的社会が広がる(インターネット、携帯端末、オレオレ詐欺など)
・非正規雇用の増大(雇用のコスト削減が進む)
・儲かればなんでもあり(ITに留まらず、アイドルその他にも広がる)
・蔓延する不安感が静かに広がる

2010年代へとつづく

日本企業の劣化は、当然の帰結か

 企業の劣化を端的にいえば、短期的利益を求めた末の雇用調整、いわば非正規の増大にあると思われる。なぜなら、企業の信頼という「安全と安心」が揺らいだのは、企業に忠誠心のない非正規を増大させたからに他ならないだろう。

 非正規が忠誠心がないのは当たり前であり、それは非難するには値しない。なにしろ雇用も保険も、なにも一切保証されていないからだ。

 企業は、コスト削減を非正規に向けたことで、いわば信頼を捨てたともいえる。短期的には、それは正解かもしれないが、長期的にみればおのずと結果が分かっていたはずだ。企業は、雇用を復活し同時に、信頼も回復できるか。

 しかし、それはもう手遅れなのかもしれない、なぜなら、企業はすでに「禁断の実」をかじったあとだからだ。

 大企業には、それでも残された最後の果実がある。それは内部留保された多額の資金である。それを何に使うかで、日本企業の真価が問われるに違いない。

 日本は劣化したのか、そうではないのか。

 いずれにしても近い将来にその答えはおのずと出るに違いない。

追記:
 IT企業を揶揄したようになりましたが、関係者のみなさまは気分を悪くしないでください。なにぶん、記憶にある事実を書いたまでです。あしからず。

 とはいえ、「逆もまた真なり」と考えれば、「信頼」をコンセプトに事業を構築、推進していくことが、新しいIT企業のあり方となるに違いありません。

 現在、それを行うのは難儀と思われますが、なにごとも一朝一夕にはならず、早めにシフトしたほうがいいかもしれません。

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