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社会|新型コロナウィルス拡がる 政府の対応が不安を助長する

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もはや日本は、安心・安全ではない

 2020年1月、中国の湖北省武漢市で新型コロナへの感染者が増大していた頃、日本政府および厚労省は、「人から人への感染はない」「日本人には感染しない」「国内感染はしない」と発表していた。

 中国の春節(旧正月/1月24~30日)に際し、安倍首相は「多くの中国の皆さまが訪日されることを楽しみにしています」と北京の日本大使館のホームページに載せていた。(外務省は30日に削除)

 1月16日、国内初の感染確認(中国人)。同20日、人から人への感染判明。

 一方中国では、1月23日に感染者が増大する武漢の事実上の封鎖が始まった。1月28日、日本国内で日本人の感染者が初確認される。

日本政府、伝統的手法を発揮する
 その後、日本国内の感染が次第に増えても厚労省は「湖北省渡航者との接触がなければ大丈夫」としたが、それから舌の根の乾かないうちに、あっという間に湖北省や武漢になんの関係もない人たちが多く感染したことが明らかとなった。

 日本の感染者のなかには、「湖北省や武漢に関係ない」ことを理由に、保健所からウィルス検査を断られていた。担当した医師が強く要請しなければ、感染者はその後も市中におかれて、さらに感染者を増やしたことが想像できる。

 担当した医師たちの誠実な対応がなければ、と思うとぞっとするしかない。それに引き換え、厚労省の対応のまずさが露呈するばかりだ。

 厚労省は、「湖北省(その後浙江省を追加)への渡航者との接触あり」をウィルス検査の第一の理由として、各地方の保健所に通達していた。

 保健所は、それを錦の御旗として柔軟な対応をしようとはしなかった。

 ちなみに、各自治体で独自の検査基準を設けることも可能だったようだ。しかし、めんどーを避ける体質か、それを実施する自治体は少なかった。

 政府と厚労省の目的はなんだったのか、あくまで推測でしかないが、感染者が著しく増大することを恐れて、隠蔽を図ったとしか思えないが。

 2020年2月19日現在、日本は中国への渡航および中国からの入国を禁止していない。中国では、湖北省はじめ多くの省都が封鎖されているので、感染地域からの渡航はできない。いわば、中国頼りの状況である。

 一方、アメリカをはじめオーストラリア、シンガポール、フィリピン、さらにロシアも中国全土からの外国人入国拒否という対応をとった。

 しかし日本は湖北省、浙江省に滞在歴のある外国人などを原則入国拒否という限定的なスタンスをいまだに変えていない。

怖いのは日本政府の後ろ向きな対応である
 現在の日本の状況には、中国人にも、日本が危ないといわれる始末である。新型コロナウィルスが怖いのは言うまでもないが、それに加えて日本政府の後手後手にまわる対応が怖さを増幅させて仕方がないがいかに。

 2月17日、厚労省は新型コロナウイルス感染に関する相談・受診の目安を公開した。以下を参照ください。

次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。

※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合
センターでご相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。

【多くの方が集まるイベントや行事等の参加・開催について】
多くの方が集まるイベントや行事等に参加される場合も、お一人お一人が咳エチケットや頻繁な手洗いなどの実施を心がけていただくとともに、イベントや行事等を主催する側においても、会場の入り口にアルコール消毒液を設置するなど、可能な範囲での対応を検討いただけますようお願いいたします。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596905.pdf

ー2019年ー
12月31日 武漢で原因不明の肺炎

ー2020年ー
1月7日 新型コロナウイルスと判明

1月12日 中国で初の死者を確認

1月13日 中国以外で初の感染確認

1月16日 国内初の感染確認

1月20日 ヒトからヒトへの感染が判明

1月23日 武漢封鎖

1月27日 中国人の団体ツアー旅行が禁止に

1月28日 日本人の感染者を初確認

1月29日  武漢からのチャーター機第1便

1月31日 WHOが緊急事態宣言

2月1日 日本で「指定感染症」に

2月5日 ダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が判明

2月8日 武漢在住の日本人が死亡

2月11日 病名を「COVID-19」と命名

2月13日 国内初の死者

2月17日 新型コロナウイルス感染に関する相談・受診の目安を公開

2月19日 ダイヤモンド・プリンセス号乗客の下船はじまる


国内で確認の感染者は615人に(18日)朝日新聞デジタル
引用:https://www.asahi.com/articles/ASN2L3QJMN2LUEHF002.html

なぜ、日本はこんなに対応が遅れるか

 日本政府の新型コロナへの対応が遅れるなかで、一部の保守論客もしびれを切らしているそうだ。どう考えても中国に忖度してるとしか見えないからだ。

 日本政府は、当初の楽観的な見通しをいまでも継続中としか思えない。たぶん、いかに専門家を呼んで会議をしても、意見集約の段階で最悪を否定し、希望的な観測をもとに対応策を選択しているように見える。

 日本政府のいわば親分であるアメリカが、中国を締め出す決断をしたなかで、日本だけが中国にいい顔をしようとしている。これは一体全体なんだろうか。

新型コロナ感染拡大でも、日本が「中国人」を受け入れ続ける理由

1)習近平氏との日中首脳会談を成功させるため
2)東京オリンピック2020を予定通り開催するため
3)日本経済のため

 まず、(1)に関しては、2月17日の衆院予算委員会の集中審議での茂木敏充外相の答弁が分かりやすい。こんなに国内では感染拡大が問題になっているにもかかわらず、習近平氏の国賓来日を、予定通りの4月上旬で調整しているというのだ。

 全人代でさえ延期するというのに、日中首脳会談になぜここまで執着しているとかというと、珍しく日中双方の利害関係が一致しているからだ。習主席からすれば、中国に対して厳しい入国制限をしない「友好国」である日本を訪れることは、世界に「新型コロナは終息に向かってますよ」とアピールすることができる。

経済優先、国民はないがしろか
 現在の状況は、日本の中国依存を露呈しているようだ。中国に依存する経団連の影響が強い政権与党の自民党に中国様の要望を拒否はできない。

 したがって、政府とその関係者は、既得権益さえ守られれば、多少国民が犠牲になっても構わない。そのように想像することができる。

 2011年3月11日の東日本大震災のとき、政権は民主党だった。あのとき、その対応のまずさに地団駄を踏む思いだった人たちも多いはずだ。

 右往左往する民主党政権は、国民に熔炉融解の事実を隠蔽しようとした。(結果として、それは後に露呈したが)

 あの様子を垣間みた国民の多くは、これはダメだと感じたにちがいない。その結果、迷走した民主党政権は瓦解し、自民党(公明党含む)が政権に返り咲いた。

 ところがどうであろうか、今回の新型コロナに対する自民党政権でも突発的な事案に対しては、まったくおなじ様相となっている。

 これは、もう日本の政府や政治家の伝統芸とでも言うしかない。

 その伝統芸を端的にいえば、国民よりも、政府とその関係者の利益を優先するということだ。経済的な損失を恐れて、機を失すると想定外の行く末が訪れるかもしれない。そうなると本末転倒どころではなくなる。

 例えば、「鉄は熱いうちに打て」というが、その判断の機を失すればそのぶん大きな損失に繋がるのは自明の理である。

 今回の新型コロナでは、希望的観測にもとづく楽観的な見通しこそ、国家を危うくする判断ではないかと感じるがいかに。

鉄は熱いうちに打て
手遅れにならないうちに処置を講ぜよということのたとえ。

おまけ 新型コロナ政府対応の理由

事態を小さく見せようとし、水際で失敗した
 政府は当初、発熱症状や中国・武漢市への渡航歴、武漢滞在者との接触がある人らをウイルス検査の対象にしていた。ところが2月に入り、感染経路の分からない感染例が続出。首相側近は「1月時点で中国人全ての入国を止めるしかなかったが、もう遅い」と頭を抱えた。

 政府関係者によると、習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から「大ごとにしないでほしい」と要請があったといい、これも後手に回った要因だとみられる。

 なるほど、そうだろうね。思い当たるところだらけで自明の理である。

新型肺炎 感染爆発と中国の真実

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