かつて雑誌は、時代を映す鏡のようであった
苦境にある雑誌に未来はあるか
「小悪魔ageha」インフォレスト全社員解雇・事業停止の裏側
http://www.cyzo.com/2014/04/post_16848.html
雑誌「小悪魔ageha」を出版する会社が、事業停止に至ったそうである。事業停止とは如何に。事実上の倒産と思うが違うのか。「小悪魔アゲハ」とは、たしかキャバ嬢的なティストのライフスタイルを紹介する雑誌だったはずである。一時期はマスコミにも多く取り上げられていた。
キャバ嬢的としたが、もろキャバ嬢とその予備軍(シンパシーを感じた女性たち)であった。訂正いたします。最盛期は、35万部ほどを売り上げていたそうであるが、最近ではかなり落ち込んでいたようである。ちなみ、35万部という数字は女性誌のなかではトップクラスに入るはずである。
女性誌は、最近では一時期の隆盛がウソのようにダダ下がりが著しい。かつては、たしか70万部ほど売り上げた「JJ」などは、いまでは10万部程度に落ち込んでいる。もう一方の雄であった「cancam」なども同じく落ち込みが激しい。
部数だけでみれば、かつて巷を騒がせた「JJ」「cancam」の時代は、すでに終わっているようである。
そのようななかで、辛うじて持ちこたえているのは、「in red」などおまけ付き女性誌を多数発行する宝島関連のみか。それでも、落ち込んでいるという噂がある。いやはや、雑誌の受難な時代となっているようである。
出版社の苦境が思いやられる次第である。なんせ、単行本の不振をカバーする雑誌がこれでは経営が立ち行かなくなるのも無理はない。ネットのせいばかりにしていては残された時間はあと僅かしかないだろう。ネットとの連動などは、すでにどこでもやってるはずである。
それでも収益の改善になっていないのは、根底の取り組み、仕組みが違っているからではないか。それが、どこにあるかは知る由もないが。
今期また大幅ダウンでヤバイ! 雑誌不況で根幹揺らぐ出版界
http://biz-journal.jp/2014/02/post_4061.html
雑誌の印刷証明付き発行部数(2013年10月〜12月)
<女性/ファッション総合>
ViVi 講談社 296,667
JJ 光文社 137,900
Ray 主婦の友社 143,867
CanCam 小学館 173,334
<女性/ヤング/カジュアル>
non・no 集英社 386,667
S Cawaii! 主婦の友社 85,534
mina 主婦の友社 157,567
Zipper 祥伝社 132,940
JELLY ぶんか社 243,830
mer 学研パブリッシング 117,433
<女性/ヤングアダルト/ファッション総合>
FRaU 講談社 63,334
CREA 文藝春秋 89,000
an・an マガジンハウス 183,116
&Premium マガジンハウス 89,000
OZ plus スターツ出版 89,320
参考:一般社団法人・日本雑誌協会より
雑誌が輝いた時代は、いまや昔か
ファッションやライフスタイル系の雑誌の持つ贅沢な趣は、読者の憧れであった時代があった。それは、90年代まではたしかに存在したはずである。しかし、2000年代以降は、かつての名残りを僅かに引き摺りながら何とか存在したに過ぎない。
ファッション雑誌の紙面から漂う贅沢さは、有名なブランド、有名なモデル、有名なカメラマン、そして書き手によって支えられていた。したがって費用も馬鹿にはならない。バカ高い費用は広告によって収支が合うようになっていた。その裏打ちされたはずの広告が、いまやネットに取って変わられた。
贅沢な紙面づくりは、いつまで持つかである。個人的には、カメラマンの費用が馬鹿高いと思っている。違うか。現在もそうであるか知らないが、かつてはワンカットで2万〜3万はしていたはずである。それも中堅クラスである。一回の撮影で何十枚、いやことによる何百枚と撮るかも知れない。
その費用は、大変な額になるのは当然である。しかもスタジオ代、スタイリストやメイクも必要である。総額は、いったいいくらになるか。想像するのもばかばかしいぐらいである。
出版する雑誌が売れて、広告も高く売れていればいいが、現在の様に多くの広告が既存媒体からネットへと流れる中では多くは期待できない。したがって、売れ行きが芳しくない状態となれば、あっという間に休刊という体の終了である。
雑誌の売上減少は、一時代を築いた仕組みの終わりである。まさに時代は変わるである。
これまで築いた雑誌文化を守ろうという動きもあるに違いない。しかし、それは遅きに失したはずである。パラダイムというおおきな動きは、すでに次に向かって動いてしまっている。もう、元に戻す事はできないだろう。
かつてぶいぶい言わせたカタカナ職業の方々も淘汰されるに違いない。なんせ、もはや費用対効果が見込めない以上、その存在価値はないに等しいからである。違うか。
こんなことを書くとカタカナ職業の人たちに恨みでもあるかと勘違いされるかもしれないが、なんと当該ユーザーもそのうちのひとりであった。いやはやである。
<出版大崩壊>
大手出版社に34年間勤め、電子出版に身を投じた編集者が、自らの体験を基に既成メディアの希望的観測を打ち砕く衝撃レポート。
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