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■映画|グランド・マスター カーウァイ監督の新作

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カーウァイ監督待望の新作「グランド・マスター」

「花様年華」「2046」のウォン・カーウァイ監督の新作「グランド・マスター」が、ようやく公開される。

ずいぶん前から噂は聞いていたが、なかなか完成しなかった。これはカーウァイ監督らしい進行ぐあいであると思っていたが…。何とか完成に漕ぎ着けたようである。日本公開は5月31日となっている。

「2046」のときも同じような感じであったと思う。撮影は度々中断し、いつ再開されるのかも知れず、役者は他の仕事の関係もあり苛立ったようである。

これより前の「楽園の瑕」のときも撮影は中断され、役者たちは空いた時間で別の映画を一本撮影している。なんと監督自身も「恋する惑星」をあっという間に撮っているのである。しかし、今回の新作は非常に期待されたものである。何しろ、「2046」から約10年になろうとしているのだ。

「ブルーベリーナイツ」や短編は撮ったものの、カーウァイ監督らしさが発揮された作品とは云い難いものであった。

究極のアクションと映像美の競演!

「グランドマスター」は、あのブルース・リーの師匠にあたるイップ・マンという実在した人物に焦点をあてた物語である。彼の知られざる実話をもとに、中国武術を受け継ぎ、その技と精神を磨き上げ、次代に継承していった宗師(グランド・マスター)たちの闘いを描く、愛と宿命の物語である。

したがってアクションが見せ所のひとつとなっているようである。そのアクション指導は、「マトリックス」のアクション監督であったユエン・ウーピンである。

また、今回の撮影は、クリストファー・ドイルではなく、フランス人撮影監督のフィリップ・ル・スールが担当している。(「アメリ」「ロスト・チルドレン」等)予告編を見る限り、その映像は厳しく、かつ冷めた美しさを魅せている。音楽は、花様年華以降すっかりカーウァイ組となった梅林茂である。

これらスタッフを見る限る、気合い十分の本作である。最近、公開された予告編を観たのだが、期待に違わず、すごい映像美とアクションである。芸術の領域に近い完成度である可能性が高いと感じたのである。公開が待ちどうしい、そんな感じがする久方ぶりの映画である。

トニー・レオンとチャン・ツィイー

主役のイップ役は、トニー・レオンである。トニーは本作の役を演じるにあたり、4年間も訓練を積んだようである。したがって、その動きも実に様になったようである。トニーは、厳しい撮影が続くなかで2度も骨折し、さらに厳しい寒さにより気管支炎になり入院したそうだ。

そして、恋愛感情を育む関係を演じるのが、「2046」で競演したチャン・ツィイーである。ツィイーは、アクション経験が豊富であり本作でも華麗なカンフーを魅せているようである。そして、美しさも際立っているようだ。もうひとり、注目されている役者がいる。チャン・チェンである。

レッドクリフに出て注目されたが、本作では自らの得意技であるカンフーをCGなしで魅せているようである。彼は、中国の八極拳全国大会で優勝しており、本物のグランドマスターなのである。

構想17年、製作に8年の歳月をかけたウォン・カーウァイ

実に長きにわたって構想を練り、製作を開始してからもこだわりを捨てず、ようやく完成した「グランドマスター」である。実にしぶといひとである。まさに映画監督の鏡のような人である。どうやったら、こんなにもひとつの作品を追いかけ続けられるのか不思議である。

たぶん、かなり苦労の連続だったはずと想像する。何事にもめげないカーウァイ監督は、創作者としての最大の資質を持っているのだろう。と思うのである。したがって今回の作品、実に期待大であると云わざる得ないのである。

グランドマスター|ストーリー

グランドマスター公式サイト 

世界をのみこむ戦争の足音が刻一刻と迫る1930~40年代、中国。流派を極めた長は宗師〈グランド・マスター〉と呼ばれるが、北の八卦掌の宗師である宮宝森は引退を決意し、その地位と生涯をかけた南北統一の使命を最強の者に譲ろうとする。候補は形意拳の使い手である一番弟子の馬三と、南の詠春拳の宗師・葉問。パオセンの娘で、奥義六十四手を唯一受け継ぐ宮若梅も、父の反対を押して名乗りを上げる。

だが、野望に目の眩んだマーサンがパオセンを殺害、ルオメイはイップ・マンへの想いを胸の奥底に沈め、女としての幸せを捨て、仇討ちを誓う。継承者争いと復讐劇、愛と憎しみが絡み合う、壮絶な幕が切って落とされた。八極拳の宗師で一線天と呼ばれる謎の男も、不穏な動きを見せている。果たして、力と技と心で闘いを制し、真のグランド・マスターとなるのは誰か──?(公式サイトより)

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