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■映画|進撃の巨人 その営業形態でみそをつけたか?

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前・後編に分けて公開する意味とは何か

■進撃の巨人、夏の猛暑に負けたか?意外に苦戦中!

みそをつける【味噌を付ける】
失敗する。また、失敗して面目を失う。

 映画「進撃の巨人」が意外にも集客に苦しんでいる。超・大ヒット漫画を原作にした実写映画化であるから、なんとも意外である。と思ったが、原作のファンはそうでもなく、さも当然であるようだ。製作陣は、あまりに熱いファンを甘く見たかもしれない。それは、公開を2部に分けたことにも表れている。

 現在(8月)、公開中の続編が早くも9月に公開されるそうだ。公開時期が余りにも近いことから、それは当然の様に元は一本だったものを単に二つに分けただけと思われる。何故、わざわざそんなことをするか?。監督が妥協せず、全編で約3時間にもなり仕方なく2本に分けたのかもしれない。

 しかし、当方はあえて以下の様な考え方をしてみました。

 それは言わずとも知れた営業収益を最大化するためである。映画は、短い上映時間で回数化を図る方が収益が確保しやすい。したがって、製作陣営は上映時間を短くしたがる。それに対し、監督は芸術的観点からできる限り多くのシーンを活かし作品の質を高めたもので公開したい。

 この問題は、映画草創期から製作陣と監督とのあいだでせめぎ合いがずーと続いてきた。最近では、監督の力が強くなったせいか、2時間以上の映画も多くなったような気がするが。それでも、それは有名監督に限るのかもしれない。

 ハリウッドでは昔は云うに及ばず、その傾向がさらに強まっているとか。それは、かのハリウッドはいまや金融筋が強い力を発揮して、収益性が一番に求められるとか。そのせいで、現在の映画製作は大作(それも大概はアクション)ばかりであり、あとはインディーズという二極化が顕著である。

 そこで映画製作に不満がある優秀な制作陣は、ケーブルやネットで放送するテレビ映画?に流れているといわれている。したがって、アメリカのドラマが面白いのは、いわば必然という訳になっている。

 それはさておき、「進撃の巨人」であるが、何故こんなあからさまな2部構成にしたかである。前述した様にたぶん、製作陣が収益の誘惑に負けたとしか思えない。製作陣は前編の興行収入を目標50億にしたといわれている。

 前編の公開で50億いけば、当然その続きを観たいファンが押し寄せて、後編もおなじく50億いくだろうと。単純であるが、そう読んだと思っても不思議ではない。一つにまとめれば、50億にしかならないが、二つに分ければ倍の100億だ。二度おいしい思いができると考えたはずだ。

 オレって頭いいだろうという数値主義の製作陣が考えそうなことだ。ところがどっこい、そうそう計算どおりには動いてくれないのが顧客である。顧客を甘く見るととんでもないしっぺ返しを食らう。違うか。

「進撃の巨人」の原作ファンは、想像以上に熱かった。それが、製作陣の想定を超えていたのではないか。製作陣は、たぶん標準化したオタク層の行動を読んだと思う。それは、オタク層は何度でも繰り返し観たり、買ったりする、というものだ。したがって、多少の収益目線でも前編と後編を観てくれるはずだ。

 そのように製作陣は考えたと想像する。しかし、現在の集客数をみるかぎりでは当てがはずれたようだ。前編と後編合わせても50億いくかどうか?。

 ちなみに前編と後編の上映時間は以下のとおり。

<進撃の巨人/上映時間>
前編:98分 後編:87分(予定) 合計:185分

 185分(約3時間)は長いとは思うが、これをインターミッション(休憩)をいれて一挙に上映すれば一大イベントとして面目躍如であったと想像する。たぶん、いずれは一挙に公開することもありと思われる。

 ある意味では、マーケティングの読み違いといえる。顧客満足の焦点をどこにするかである。顧客は前編だけでは満足しないにも関わらず価格を払っている、さらにまたおなじ価格を払って後編を観るしかない。

 マーケティングの本来である顧客満足を優先するならば、前編と後編を一挙公開すべきだったと考えます。2部に分けて公開するのは、数値で考えれば理に適っている。しかし、最終収益が未達なら本末転倒でしかない。

 とはいえ、実際はやってみないとなんとも言えませんが。あしからず。

水原希子も三浦春馬も真っ青!?大コケ「進撃の巨人」に連日苦情が殺到!

 公開初週こそ「ミニオンズ」にかろうじて競り勝ち1位を獲得したが、2週目では早くも5位に後退。3週目に突入したお盆ウィークは5週目、6週目に突入していた「HERO」「バケモノの子」「インサイド・ヘッド」あたりと動員数を競う始末。どうやら、配給会社の最低目標と言われた50億円どころか、30億円にも満たない「惨劇の巨人」になる噂が現実味を帯びてきた。

 さらに一連の酷評などに追い討ちをかけるように、作品の内容以外でシネコンなどにはクレームが来たというから目も当てられない。

「つまり、お盆ウィークから夏休みにかけての“箱”問題ですね。いわゆるスクリーン数や箱の大きさのことです。当初『進撃──』はお盆あたりも『ジュラシックワールド』や『ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション』と動員数を競うものだと関係者は読んでいました。そのため客席がアトラクションのように動く話題の4DXシステムの上映を『ジュラシック・ワールド』と半々、通常版の箱は『ミッション──』より大きいスクリーンを用意しているシネコンが多かった。ところがなんと、あの酷評祭りです。『ミッション──』では難民(入場できない観客)が出るのに、『進撃──』はなかなか座席が埋まらず‥‥」(映画専門誌編集者)

 ちなみに、当方はまだ観ていないので内容に関しては、なにも言う資格はございません。それにしても、ネットでは叩かれようが半端ないようだ。可愛さ余ってというやつかもしれない。大ヒット漫画の実写映画化の難しさが、いま一度分かったということであるようだ。

なお、宣伝では大ヒットとしてるが、映画宣伝は嘘ばかりであるのは今更言うまでもない。いったいいつまでヒットもしてない映画を大ヒットとして宣伝するつもりか。いまどき、それで客が入るとは到底思えないがいかに。

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