パリの悠久の美しさをこれでもかと魅せてくれる
パリの景色の美しさは半端ない!しかし、日本人には似合いそうもない
映画の冒頭にパリの名所、旧跡などの観光名所が次々と映し出される。その映像は色味を抑え気味にして、如何にも悠久の歴史があるパリを誇らしげに魅せてくれる。このシックな渋さが理解できないのは、野暮だよと言わんばかりである。
主人公のギルは、脚本家であるが小説家に転向しようと考えている。そんなギルは、婚約者と彼女の金持ちの両親とともにパリにやってきた。
婚約者の両親は、典型的なアメリカの金持ちである。その娘である婚約者も、わがまま放題に育ったのがありありと判る。ギルは、パリに住みたいと思っているが、婚約者はそれを信じられないと撥ね付ける。ギルと婚約者はまるで正反対の指向の持ち主である。それでも、婚約者は魅力的な女性であり、ギルもそれには抵抗できない。
ギルと婚約者は、パリの観光名所を次々と訪れる。ベルサイユ宮殿、オルセー美術館、等々。また、ショッピングも当然のように堪能する。
シャンゼリゼ、そして裏町の石畳が美しい骨董街などを廻るのであった。そこでの光景は、これでもかと言わんばかりに美しく、魅力的に撮られている。主人公のギルは、もはやパリの魅力に抗えない思いで一杯であった。
しかし、婚約者は、結婚したらマリブに住むことを決心していた。
ある日、観光をした後に踊りに行かないかと友人に誘われる。しかし、ギルは疲れたのでホテルに帰りたかった。婚約者は、踊りに行くといって聞かず、仕方なく別行動を取る事にした。
ギルは、ホテルに帰る途中、道に迷ってしまった。そこは、石畳の道が美しい、裏町とでもいうべき場所だった。疲れたギルは、道の端にある階段に腰掛けて呆然とする。
午前0時の鐘が鳴ると、石畳の道をとても古いプジョーが静かに走ってきた。何故か、その車のなかから声をかける者がいる。車に乗れと言っている。ギルは、言われるままに乗り込んだ。
古いプジョーに乗って辿りついたのは、とあるパーティー会場であった。そこでギルは、スコットとゼルダと名乗るフィッツジェラルド夫妻に出会う。
始めは信じられなかったが、話を聞いているうちに本物だと認識した。どうやら、自分は何故かしらないが、1920年代のパリにタイム・スリップしたようだと気付いたのだ。
このパーティーは、ジャン・コクトーが主催していると言われた。なんとヘミングウェイもいるではないか。ギルは、ヘミングウェイに自分の小説を読んで感想を聞かせてほしいと頼んでみた。
しかし、ヘミングウェイは断った。変わりに著名な評論家を紹介すると言った。ギルは、自作の小説を携えて著名な評論家の家を訪問した。
なんと、そこにはピカソがいた。評論家は、ピカソの描いた絵を駄作だと毒づいていた。ピカソはなんとか言い負かそうと持論を出して反論する。その傍らには、彼の愛人と言われるアドリアナという魅力的な美女がいた。
ギルは、彼女の発する独特のオーラに魅力を感じていた。どうやら恋をしたようだ。しかし、それはしばらくしてから気付いたのだった。(ここまで、ほぼ前半部分です)
長々とストーリーとも感想ともいえないものを書いてしまいました。全部書くと長くなるのでこれくらいにしときます。まだ、この映画を見た事が無い方は、ぜひご覧になって損はないと思います。
恋愛映画が苦手でも、観光映画として捉えれば、それはそれで魅力的な映画である。と確信する次第です。なお、あくまで個人的な感想ですが、あしからず。
この映画は、言わずと知れたウッディ・アレンの作品である。個人的には、このところ彼の作品は観ていなかった。何故かといえば、恋愛映画が苦手だからである。
しかし、この「ミッドナイト・イン・パリ」は、恋愛模様は脇に置かれて、とにかくパリの魅力をとことん描こうとしたとしか思えない映画であった。
個人的には、そこが魅力的であった。アレン監督は、ニューヨークを舞台に多くの映画を撮っているが、最近では何故か欧州の都市を舞台にすることが多いようである。たしか、ロンドンとバルセロナを舞台とした映画も撮っていたはずである。
<写真上から>
ベルサイユ宮殿を見学する主人公と婚約者
美術館の学芸員と主人公学芸員役は、元フランス大統領夫人のカーラ・ブルーニ
左にいるのが、ゼルダ・フィッツジェラルド
なんとヘミングウェイ
ピカソの愛人、アドリアナ
石畳の道を歩く主人公とアドリアナ
■ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris
<スタッフ&キャスト>
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン(主人公ギル)
:レイチェル・マクアダムス(婚約者)
:マリオン・コティヤール(アドリアナ)
:キャシー・ベイツ
:エイドリアン・ブロディ
:カーラ・ブルーニ
:マイケル・シーン
公開:日本 2012年5月26日
上映時間:94分
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