それはハリウッド神殿を破壊した!
アンダーグラウンドのカリスマ
インデペンデント映画のカリスマ、ケネス・アンガーである。以前にも紹介したが、なんでも「マジック・ランタン・サイクル」というDVDが出ていると知って再び紹介する次第である。その映像世界は、現在でも怪しげな輝きを放っている。数々の映画作家がこの映像に影響を受けて自身のこやしにしたようである。
また、広告や音楽のPVなどこの影響化にある作品は多いようである。かように、影響力を発揮したアンガーであるが、一般の人たちがその映像を目にする機会はほとんどない。それを考えるとこのDVDは、実に貴重なものであると思うのである。
スコピオ・ライジング Scorpio Rising
ハリウッドへの愛憎入り交じった映像世界
アンガーについて、若干説明したい。アンガーは、元はハリウッドで子役をしていたようである。しかし、その後は役者として大成せず、映像作家としての道を行くことを選んだ。それでも、彼はハリウッドに対して特別な感情を持ち続けて、それが「ハリウッドバビロン」というハリウッドの裏側を暴く著書となったようだ。
ハリウッドという表向きは華やかな世界が、常にゴシップ、スキャンダルと表裏一体となっていることを証明したのである。それはまさにハリウッドの神殿を破壊したに等しい行為であった。
アンガーは、ハリウッドに対しいつも愛憎が入り交じった想いを抱き続けていたようである。自分を認めなかったハリウッドを。しかし、その映像世界は、彼の愛するサイレント映画からの影響が大きく見られるのである。
参考文献:http://www.webdice.jp/dice/detail/3003/
■DVD収録作品
『花火 Fireworks』(1947/15分)
『プース・モーメント Puce Moment』(1949/7分)
『ラビッツ・ムーン Rabbit’s Moon』(1950バージョン/16分)
『人造の水 Eaux d’Artifice』(1953/13分)
『快楽殿の創造 Inauguration of the Pleasure Dome』(1954/39分)
『スコピオ・ライジング Scorpio Rising』(1964/29分)
『K.K.K. Kustom Kar Kommandos』(1965/4分)
『我が悪魔の兄弟の呪文 Invocation of My Demon Brother』(1969/11分)
『ラビッツ・ムーン Rabbit’s Moon』(1979バージョン/22分)
『ルシファー・ライジング Lucifer Rising』(1981/29分)
『マウス・ヘブン Mouse Heaven』(2004/13分)
『マン・ウィー・ウォント・トゥー・ハング Man We Want To Hang』(2002/15分)
以下は、アンガー著作の「ハリウッド・バビロン」。
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