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■書籍|ジェームズ・エルロイ ブラック・ダリア

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戦後のハリウッドを震撼させた出来事!

アメリカ文学界の狂犬、ジェイムズ・エルロイの最高傑作と言われるのが「ブラックダリア」である。この作品には、作家自身の生い立ちが色濃く反映されている!

ジェームズ・エルロイは、アメリカの狂犬と云われる作家である。かれの作品「ブラック・ダリア」は実際の事件にインスパイアされて書かれたものである。かれには、どうしても書かざるを得ない理由があった。なんと実の母親をこの事件から9年後に殺されているのであった。

境遇も似たようなものがあったようだ。エルロイは、母を亡くした後、天涯孤独の身となり犯罪の道へと入る事になった。その後、逮捕され刑務所のなかで文学に目覚める。かれは神に祈ったそうである。どうか、わたしに小説を書かせてくださいと。その願いは聞き入れられ、かれは特異な文体を有した希有な小説家となった。

何故、ブラック・ダリア事件は有名となったか!

ハリウッドには、毎日のように女優に憧れて田舎からやってくる女性達がいるそうだ。そのうち、多くの女性が如何わしい男達から、女優にしてやると云われてヌード写真を撮られて、ソファーに押し倒されるそうである。運が良ければ脇役ぐらいにありつけるが、多くの女性がプリティ・ウーマンになるそうだ。

そう娼婦である。マリリンもそうであったが、彼女は超運が良かったのだ。彼女のような例は万に一つもないようだ。演技の経験もない女性が多少綺麗なぐらいでスターになれるほど、ハリウッドは甘くない。ブラック・ダリア=エリザベス・ショートもそのようなひとりであった。

何故、ブラック・ダリアと呼ばれたかと云えば、彼女の黒い髪の毛に由来した通り名だそうである。彼女は、上記したようにマサチューセッツの田舎からハリウッドにやってきて、女優の卵からプリティーウーマンというお決まりのコースを辿っていた。そして、1947年、ロスアンジェルスの草むらで死体となって発見された。

ブラック・ダリアが、何故今日まで語られるほど有名になったかと云えば、その惨殺された死体の形状にあった。それは、胴体はへその下あたりで分断されており、大腿から切り取られた肉が押し込まれていた。そこには薔薇の入れ墨があった。内蔵も抜かれており、血液も抜き取ったようになかった。さらに、口の両端に切れ目が入っていた。

まるでバットマンのジョーカーのように。

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ブラック・ダリアは、まるでオブジェか何かのような形状であったそうだ。これが、この事件を後世に語り次がれるものとした。この事件に興味ある方は、エルロイの原作を映画化した作品があるので、ぜひそちらをご覧になって頂きたい。決して傑作とは云いがたいが、時代背景や雰囲気は申し分ない。

監督は、ブライアン・デ・パルマである。また、ジェームズ・エルロイには他にも傑作がある。興味のある方は、ぜひ以下のリンクまでどうぞ!。

参考文献:映画宝島/地獄のハリウッド!、ケネスアンガー/ハリウッドバビロン

1947年1月15日、ロス市内の空地で若い女性の惨殺死体が発見された。スターの座に憧れて都会に引き寄せられた女性を待つ、ひとつの回答だった。漆黒の髪にいつも黒ずくめのドレス、だれもが知っていて、だれも知らない女。いつしか事件は〈ブラック・ダリア事件〉と呼ばれるようになった―。“ロス暗黒史”4部作の、その1。

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