恋はときめき、愛は継続なりか、そして…
NOKKO、90年代を締め括るラブソング!
この「I love you」は、NOKKOさんの最期のオリジナル楽曲といわれていた。何故なら、2000年代の長い冬眠に入る前に発表したアルバム「Viaje(ビアッヘ)」の最期の収録曲だったからである。
実際は「真昼の月-remix」であるが、それはリミックスバージョンであり、オリジナルの楽曲はその前に収録された「I love you」であった。
ちなみに、これはオリジナルであり、尾崎豊の楽曲ではありません。
作詞:NOKKO、作曲:屋敷豪太という、ソロ第一弾の「ハレルヤ」以降のゴールデンコンビと言っても過言ではない組み合わせである。ちなみに、アルバムのプロデュースも屋敷豪太が担当している、これは「ハレルヤ」以来である。
「I love you」が収録されたアルバム「Viaje(ビアッヘ)」が発売されたのは2000年3月である。しかし、制作期間を考えれば、実質的にはNOKKOさんの90年代(90〜99年)を締め括る楽曲だったと言うことができると思われます。
歌詞はなんだかよく判らないが、なんとなく長期休養に入る準備のような趣が漂っています。具体的には、「これからシャトルは冬の角度に入る」、「ローリーの実が赤くなるまでに冬支度」とか…。
そして、「時は不思議なモノ…長く短くなる」と続きます。さらに「笑うことさえもあきらめてしまった」とあります。なんとも意味深であるが、2000年代に混迷を深めたNOKKOさんを思い浮かべるとなおさらそう想うしかない。
2000年代、幸いにも結婚して子供を生み育てるという、プライベートが充実したのがせめてもの救いになったと想像します。
ある意味では、この「I love you」という楽曲は、近い将来のNOKKOさん自身を癒すためのものだったのかもしれません。とにかく”優しいその調べ”は、傷ついたたましいを癒してくれるような響きと趣があります。
そもそもアルバムのタイトル「viaje」の意味は、スペイン語で「旅」を意味するそうです。それを考えると、NOKKOさんは、その後の自分自身の道筋を予感、または予知していたのかもしれません。
それが、どんな旅立ちになるのか、不安と期待に揺れていたと想われます。「viaje」というアルバム全体に漂うなんとなく退廃的?、またはアンニュイ(ものうい感じ)ともいえるムードは、そんなところに起因しているのではないでしょうか。
「I love you」は、自分自身への問いかけであり、また勇気づけるものであり、そして、彷徨う自分自身に、またおなじ境遇にあるかもしれない人達に向けて、前を向いて歩きましょ、そして「もう一度、キスしましょ」と投げかけている。
そのように想いますが…いかに。
あくまで想像であるが「もう一度、キスしましょ」は、相手に対してではなく自分自身の姿勢に対してのものではないか。過去への反省や懺悔ではなく、それもまた自分であると受け入れていくことで先に進もうとしている。
別の意味でいえば、「I love you」は、時を超えた普遍的な人の営みへの応援歌ともいえるかと思います。捉え方が多少穿ちし過ぎかもしれませんが…。
時は変われども、人の心は普遍にある。(普遍=一緒)
■NOKKO「I love you」(2000年3月)
歌手:NOKKO
作詞:NOKKO
作曲:GOTA YASHIKI
朝焼け色のローブをまとい
妖精は山に舞い降りる
まだ暗い森の中では
夏の日のたましいを拾いあつめ
さあ、これからシャトルは冬の角度に入る
ローリーの実が赤くなるまでに冬支度
BLESS TO YOU 土星を超える頃には
I LOVE YOU 60’sのキャロル唄い
BLESS TO YOU 小さな宝物が
I LOVE YOU ミルキーウェイを泳ぐ
LET’S KISS AGAIN
水鳥の軽い羽根雲
あなたのまつ毛のむこうにある
ガラスの月を髪にかざり
踊る人形は白いあの日
時は不思議なモノ長く短くなる
笑うことさえもあきらめてしまった
<以下省略>
参考/歌ネット、以下リンク先を参照ください。
http://www.uta-net.com/song/171673/
追記:2015年紅白歌合戦を観ました。レベッカは「フレンズ」を歌いましたが、NOKKOさんの歌声は2011年頃(ソロ復活時)に比べると格段に安定していました。今後は、できればソロ活動で90年代を超える楽曲を生み出してほしいと願います。
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