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■デザイン|デザインの見方(4)バウハウス

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それは、モダンデザインの夜明けとなった

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機能を極めれば、そこには美(デザイン)が宿るか

「形態は、機能に従う」という言葉は、モダンデザインの未来を暗示していた。それは、ラマルクという学者の言葉だそうである。そして、その言葉の造形原理に着目したアメリカの建築家サリヴァンが、建築の基本原理として紹介した。そこからこの言葉は、モダンデザイン創成期の道標となるスローガンとなった。

その基本原理を基にしたモダンデザインの夜明けは、アールデコとほぼ同時期にドイツで花開いていた。1919年、ドイツのヴァイマールに開校したデザインの学校「バウハウス」があった。校長は、建築家グロピウスであった。バウとは建築を意味していた。建築をデザインの根幹に据えたのがバウハウスであった。

この学校では、機能主義の基本(基礎)教育を徹底しておこなった。学術的研究に基づき、機能的な構造は、それ自体で美しいということを実作してみせた。論理的な思考とその具現化が同時に行われていた。いわば、具体化することでその論理の正しさを証明してみせた。

その代表作とも言えるのが、マルセル・ブロイアーの椅子であった。ちなみに、このブロイアーはバウハウスの一期生である。

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ブロイアー 左/チェスカ・チェア 1928年 右/ワシリー・チェア

その椅子=チェスカ・チェアは、自転車のハンドルにヒントを得て造られた。鉄パイプを折り曲げて造られたその椅子は、シンプルこの上ない構造と機能、そして美を重ね合わせていた。そして、この椅子は現代まで繋がるモダンデザインの先駆けとして燦然と輝くことになった。

それは、まさに産業化時代のデザイン=美意識のはじまりであった。

バウハウスが提唱した機能が意味すること

1)形態は機能に従うーというのが「機能主義の原理」であるが、実際には機能に見合った形態を造るには、「素材と技術の研究」こそが要である。それがあってはじめて実現する。

2)形態は機能に従うー形態は、その機能・形態に見合った「素材」を要求する。
(西岡文彦著/デザインの読み方より)

このようにバウハウスは、デザイン(形態)を実現する素材と技術の研究に余念がなかった。そして、その成果は後年になってようやく花開いたのであった。それは何故かといえば、ナチスによる弾圧があったせいである。きな臭くなった時代背景によって、バウハウスは1932年一端閉校せざるを得なかった。

しかし、その息吹はアメリカに亡命したバウハウスの関係者たちにより、息を吹き返したのであった。そして、やがてその機能主義は、現在まで続く高層ビルの概念やモダンデザインの礎となっていまでも生きている。

バウハウスの残した功績は大きかった。それは、デザイン=産業化時代の美意識の基礎教育と創造過程を徹底的に探求したことにあった。

■バウハウスの教育概念図

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上記図にあるように、すべての造形を総合する建築を軸に、バウハウスの教育課程は組まれていた。ちなみにバウとは建築を意味している。

■バウハウスの校長たちの作品

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グロピウス 親方の家

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ミース・ファン・デル・ローエ ドイツパビリオン

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ミース・ファン・デル・ローエ バルセロナチェア

参考文献:西岡文彦著/デザインの読み方、他

バウハウス 25周年

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