■80年代|80年代アンソロジー その9 青春評判ブック

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80年代には、何故か思想が流行った!


安野ともこ。秋山道男プロデュースのテクノ歌謡ポップス!!楽曲は細野晴臣らしい。なお、廃盤らしいです。

80年代には、何故か思想が話題を集めた。それはポストモダンという思想であった。その思想については、よく分からないのでここでは解説しないが、その思想を遊びの道具?として商品化したりする人たちがいた。

その代表が秋山計画を主催した秋山道男というスーパーエディターを自称する編集者兼プロデューサーであった。先日、本棚の奥の方からとても古い雑誌が出てきた。

それは青春評判ブックという西友の広報誌的な役割の雑誌であった。この雑誌を企画・編集していたのが、前述した秋山道男であった。ちなみに、発行年は1984年である。

青春評判ブックという時代の落とし子

青春評判ブックとは何かというと、どうやら西友の広報誌として企画されたものらしい。しかし、その内容は広報どころか、編集側のやりたい放題のものである。何故これが西友なのか、その意味もあまりないようである。当時の西武流通グループはなんとおおらかというか、太っ腹であった。

それは、文化戦略の延長であったせいかも知れない。文化的という流れがあれば、比較的企画が通りやすかったのだろう。なにしろ、80年代はメセナとかいう文化活動がもてはやされた時代であった。

この雑誌は、文庫本サイズの小さなものである。ページ数もそれほど多くない。価格は100円であった。しかし、無料で配ってたように思うが違うか。それでも、その内容はさすがスーパーエディターと自称した秋山氏、只ものではない。その目の付けどころはいま見ても古くはない。その編集のスタイルは、現在でも多くの影響を与えているのが分かるのである。

いま、手元にあるこの雑誌の内容をいくつか紹介したい。まず、特集は「流行思想通信」とある。これは、当時流行っていたポストモダン思想にあやかったものである。

また、ファッション誌の流行通信に引っ掛けたものでもある。つまり、思想もファッションも流行に変わりはないということか。

そして、当時の思想界のアイドル的存在であった浅田彰が、巻頭ページを飾っている。その前に、表紙をめくると「愛はホルモン、思想はガソリン」と描かれた版画のようなものがある。これは、かわぐちせいこさんという画家の作品である。ちなみに、この人は個人的に知り合いであった。浅田彰の巻頭ページには、「浅田さんちの彰くんはだらだらしながら思想する」と書かれている。

これなんぞは、いかにも80年代の匂いがするが、いかがだろうか。そのあとは大して意味のないことが、それこそだらだらと書かれている。個人的には、その内容にあまり関心がない。それよりも、この巻頭ページには左下に広告を模したふざけた内容のものがある。

例えば、「糟糠の妻石鹸」「女高生に寒天」「明るいコピー、楽しい広告」とかいうものである。しかも、何故かこれらの広告は切り貼りされている。印刷後、何かしら問題があり、修正されたらしい。どうやら悪ふざけが過ぎて検閲されたようである。印刷後に手で切り貼りするなど大変な手間であったと思うが、なんとも写真でお見せできないのが残念である。

そして、次なるページには「思想ルック」なるものが紹介されている。これは、マルクスやニーチェ、デリダなどの思想家の肖像をプリントしたTシャツやタンクトップである。

その思想ルックを着るモデルは、安野ともこである。この安野ともこは、ベリーショートのヘアースタイルがたいへん良く似合っていた。80年代は、ワンレン&ボデコンと思われがちだが、このようなショートヘアーも流行っていたのである。個人的にはショートヘアーが好きであった。

テクノ歌謡 ポニーキャニオン編SOSペンペンコンピュータ
テクノ歌謡 ポニーキャニオン編SOSペンペンコンピュータ/安野ともこの曲も3つ収録!
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スーパーエディター秋山道男と80年代

この雑誌を編集した秋山道男は、業界では有名人であり一時代を築いた人である。彼の事務所やその関係者には、その後有名人となった人が幾人かいた。そのなかには、あの林真理子もいたようである。この秋山氏、編集者として有名だが多方面で活躍したことでも知られている。

80年代では、チェッカーズや小泉今日子をプロデュースしたことで知られている。また、役者として映画に出演したりもしている。なんでも、元々は映画関係の出らしい。なんと若松孝二の助監督のようなことをしていたようだ。

若松監督の左翼的な傾向が強まるとそれを嫌って映画界から演劇の世界へと転向したようだ。そして、ある時期から化粧品会社の広報誌を制作することになり、彼のスーパーエディターへの道が開かれたようである。

ともかく、この人は人脈がとても豊富らしい。これからクリエイターを志す人は才能と同じくらい人脈を大事にしたほうがいいかも知れない。と個人的には思う次第である。この雑誌を何故、何十年も保管していたか。それは、やはり安野ともこの素敵なショートヘアーに魅せられたせいかも知れない。いやはや、なんとも恥ずかしい限りである。ちなみに、安野ともこは現在、スタイリスト兼会社経営者であるらしい。

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