フェイの透明感ある歌声は、青い風が吹くようだ!
フェイ・ウォンは、中国では歌手として有名である。というか元々歌手である。たまたま映画に出演したに過ぎないようだ。カーウァイ監督の嗅覚か、製作者の思惑かしらないが、映画「恋する惑星」では、これ以上ないほどに役にピタリと嵌っていた。トニー・レオン扮する警官に想いを寄せる様は、なんとも形容しがたいほどに女性の揺れる想いを表現していたと思うのである。
もっとも、それはカーウァイ監督の手腕かもしれないが、しかし、フェイでなくてはあの映画は成り立たなかったのではないか。
フェイは、役者が本職ではないので、撮影当時は何がどうなってるか不安だったと何かに書かれていたと記憶にある。それはカーウァイ監督の撮影方法が特殊だったせいでもあるらしい。撮影中は、どんな映画になるか。皆目検討も付かなかったと語っていた。これも何かで読んだ。
ともかく、フェイは追われるようにただ監督の指示に従って演技をした結果、それはすばらしい映像となった。これは、幸いであったとしか言えない。彼女の輝くようなピュアな姿が映像に残されたのだ。
彼女の歌う、この「夢中人」は、オーストラリアかどこかの歌手のカバー曲であるらしい。この曲は、映画のなかでは、密かに想いを寄せる警官の部屋を訪れ、ひとり掃除をするときの背景に流されていた。このシーンは、なかなか印象深いのだが、文章で表現するのが難しい。というか面倒である。
まだ、ご覧になっていない方は、是非このミラクル・ポップチューンな映画を体験して頂きたく思う次第である。
映画「恋する惑星」のなかから、個人的に好きなシーンの画像を以下に掲載します。これは、なんといっても色が素敵である。警官役のトニー・レオンが、バー・カリフォルニアでフェイを待つシーンのこの色合いは素晴らしい。いかがですか。
バー・カリフォルニアでフェイを待つトニー・レオン
青の色合いが素敵である。その心情を表現しているかのようだ!
ラストシーンカリフォルニアから香港に戻ったフェイとトニーの再開の場面!
以下は、映画「恋する惑星」のリマスター・ブルーレイ!
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