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■社会|企業の栄枯盛衰が激しい パラダイムシフトの時代か

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思考や概念、規範や価値観が、枠組みごと移り変わる

 パラダイムシフト(paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが、革命的にもしくは劇的に変化することをいう。

日本企業の衰退が目立つのはなぜか

 90年代のバブル崩壊後には、多くの企業が淘汰された。21世紀になってからは、かつての放漫経営とはまた違った要因で企業が淘汰されようとしている。

 最近では、あまりにも顧客を舐めた経営で墓穴を掘った三菱自動車が、日産自動車の傘下になることが決まった。三菱グループ各社は、やっかいものを始末できてホッとしているかもしれない。

 しかし、三菱はそんな余裕をかましている暇はないようだ。なんと、三菱重工という、いわば本丸で超多額の赤字が発生しているとか。

 豪華客船を受注していたが、その見積もりが甘すぎて受注金額の約3倍以上も費用が掛かってしまったといわれる。客船2隻を1000億円で受注したといわれるから、2000億円以上の赤字である。いやはや。

 また、三菱のMRJ(国産旅客機)は、大きな期待がある一方で、計画が思い通りには捗らず、やはり費用がオーバーしているといわれる。本格的な生産を前にして、これから投資も必要なことから先行きが不安視されている。

 少し前では、パナソニック、サンヨー、シャープ、ソニーなど家電各社が業績不振で苦しんだが、それもなんとか乗り越えてきた。

 パナソニックは、大きな痛手も乗り越えて復調が著しい。一方、サンヨーはブランドを無くし跡形もない、シャープは台湾企業に買収された。

 ソニーは、なにも新しい製品を生み出していないが、かつて生み出したイメージセンサーや、ゲーム機でなんとか虎口を凌いでいる。

 家電各社が業績不振となっていた中で、東芝はそんなの関係ないとばかりに好調を維持していたはずだったが、実は不正会計で水増しがバレてしまった。

 そして、東芝も衰退企業のお仲間入りしてしまった。

 さらに三菱重工もそれに加わりそうな雲行きにある、という塩梅である。

 どーしたんだ日本の企業はと思うしかない。どの会社も有数の大企業であり、高学歴の優秀な人材も多数いたはずである。それが、この体たらくとはいかに。

 とくに三菱重工が、豪華客船の建造予算を間違えたのは、何をどーすればそんな多額の違いが出るかと思わざるを得ない。一体全体、それまで培ったプロの技術やノウハウはどこにいったか。それが不思議である。

 1億や2億の違いなら、なんとか理解できるが1000億どころか、2000億も違うとは、誰が何をしていたか。三菱重工には見識のある人材がいないのか。

 これは、もう不思議を通り越して、唖然ボーゼンでしかない。

 このように大企業が衰退しているのは、何か原因があるはずである。きっと、そこには何か共通するものがありそうだ。

大企業の人材はエリートの金太郎飴ばかりか

 それが何かといえば、日本の大企業の体質やシステムが限界にきている証拠ではないかと思われる。大企業といえども、それを支えているのは人間である。現在の社員は、大企業だからとして入社してきたはずだ。

 いわば、将来の身分の安定性を選んで入社している。起業まもない弱小企業ではなく、安定した大企業を選んでいる。そして入社してからは、選ばれたエリートだと自負しているはずだ。

 したがって、現在の大企業はエリートだらけということができる。エリートなら仕事ができて当たり前のはずだ。しかし、現実は少し違った。なぜなら、時代は動いているからだ。ゆっくりと動いているうちは昨日と同じでもよかった。

 しかし、動きが早く大きな流れとなったとき、昨日までのことは通用しなくなる。前例踏襲を基本にした仕事ではもはや立ち行かない。

 出る杭にはならず、前例踏襲と学閥とで出世していくエリートに、大きな変化に対応出来る訳がないと思われる。なぜならば、変化に対応するには無謀な冒険が必要となるからだ。それはときにバカと同義である。

 高学歴で大企業に入社したエリートであれば、バカにされることがとくに嫌いである。したがって、無難な道しか歩まない。

 しかし、変化の時代には企業もイノベーションが欠かせない。それなくしては生き残れないからだ。しかし、大企業はいつまでも高学歴で優秀と思われる人材ばかりを採用してきた。開拓する精神性や、卓越した個性とか考えもしていない。

 したがって、大企業では、社員の自主性なんか求めていないといえる。

学閥というエリートの弊害

 学閥が根を太くして、前例踏襲という弊害が日本の大企業病となっている。それが、昨今の大企業の業績不振、淘汰となって表れている。

 たとえば、ソニーでいえば、プレイステーションを最後に(いまのところ)新しいヒット製品を生み出していない。

 プレイステーションの開発者である久夛良木・元SCE社長は、ソニー社内ではとんでもなく嫌われた存在だったらしい。とにかく、とんがった性格でそれが災いしていたといわれる。しかし、当時のソニーの経営トップは違っていた。

 当時の大賀ソニー社長は、社内で浮いている久多良木氏を外部に出して開発をやらせるという道を用意した。自由闊達を唱えていたソニーも、いつのまにか大企業特有の前例踏襲が跋扈していたと言わざるを得ない。

 大賀ソニー社長は、その辺りをよく読んでいたと思われる。

 プレイステーションは、いまではソニーの屋台骨を支えている。しかし、大賀社長の退陣以降、ソニーはプレイステーションを超えるどころか、それに近いヒット製品さえ生み出していない。

社員の自主性や倫理観を尊重するグーグル
 いわゆるネット時代やデジタル時代には、これまでの産業革新の時代とは異なる経営スタイルやワークスタイルが求められており、それを踏まえた企業変革が急務であることについては、日本の大手企業の認識がまだ甘いように感じる。

 ネットやデジタルは技術を民主化した。最先端のテクノロジーはクラウド経由で従来よりもはるかに安いコストで利用できるようになった。それに合わせて、本来、企業も民主化しなければならない。

 すなわち、従来のような、自社単独の組織力に依存したクローズドでトップダウン型のスタイルからは脱却して、現場の社員一人ひとりの創造性やモラルを最大限に活かした「オープンでフラットな組織」に変容させていかねばならないのだ。

 階層や縦割りはできるだけ排し、現場に大幅な権限委譲を行なわねばならない。現場は現場で、受け身体質から脱却して、自らの自主性を大切にした働き方に転換することが求められる。 

まずは組織を民主化せよ
 グーグルのような会社が、ネット時代以前のレガシーを一切引き摺っていないのに対し、高度成長期の経済発展を担ったような日本の成熟企業は、その時代に最適化された仕組みやワークスタイルをいまだに重く引き摺っている。

 線型的な予測に基づいた中期計画や事業計画を立案し、失敗を許容しない。短期的な利益追求が圧力となり、自らの技術資産や組織のサイロに依存し続ける。その結果、自社内を繋ぐことも他社とのオープンなエコシステムを作ることも容易ではない、等々。

 いつまでも古い体質を温存し、組織を民主化できずにいることこそが、技術が民主化された時代における成熟企業の不正や凋落を招く根本原因となっているのではないだろうか。

<Googleが掲げる10の事実>
1)ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2)1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3)遅いより速いほうがいい。
4)ウェブ上の民主主義は機能します。
5)情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6)悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7)世の中にはまだまだ情報があふれている。
8)情報のニーズはすべての国境を越える。
9)スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10)「すばらしい」では足りない。

PlayStation 4 ジェット・ブラック
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