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■デザイン|有機的建築 フランク・ロイド・ライト

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雨漏りしてるぞ、その場所を移動しなさい!

帝国ホテルと遺跡建築

さて、久しぶりにデザインについてのテーマである。しかも、20世紀建築界の大御所である、フランク・ロイド・ライト大先生(以下、ライト)である。ライトは、日本にもゆかりのある人である。そう、あの有名な旧・帝国ホテルを設計したのである。

しかし、残念ながら1967年に取り壊されてしまった。現在、正面玄関部分のみが愛知県犬山市にある明治村に移築されている。

20世紀の建築と云えば、コンクリートと鉄とガラスによるモダン・デザインの革命が起きた時代である。ライトも当然それらを使用したが、使い方がちょっと違っていた。モダン・デザインは機能性(異論はあると思うが)を追求したが、ライトは同じコンクリートでも、何とまるで古代遺跡であるかのような装飾を施し、一見異様だがこれまで観たことのない圧倒する建築群を設計した。

簡単に云えば、コンクリのブロックにマヤ遺跡のような文様を彫り込んだものを基本材として使用した。新しい遺跡建築とでも云えるものである。ミースやコルビジェという巨匠が、モダンの頂点を極めようとしている時、そんな孤高なる挑戦を続けたのがライトである、と思う。

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グッゲンハイム美術館

有機的建築とは

しかし、この先生一筋縄ではいかない人であり、遺跡建築とはまた違ったモダンな要素を取り込んだ建築がある。それが、「グッゲンハイム美術館」であり、「落水荘」である。グッゲンハイム美術館は、かたつむりを逆さにしたような螺旋状デザインが特徴である。そして、外壁は白く塗装されている。

雑然としたニューヨークにあってひと際目立つ存在感を放っている。一方、落水荘は、金持ちの別荘として建てられたものである。大きく迫りだした白いバルコニー?部分が存在感を醸し出すと同時に、コンクリと天然石材を絶妙なタッチで組み合わせている。また、木々や水といった自然を取り入れる大胆な試みもしている。

先生曰く、有機的建築の代表作である。たぶん、そう思う。

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帝国ホテル

巨匠、よその奥さんを寝取る

巨匠と云われるひとは、いろいろと逸話が多いのであるが….。ライトも、負けていない!。なかでも有名なのが、クライアントの奥さんを寝取ってしまった。というのがある。また、ジョンソン&ジョンソンの経営者宅を設計したのだが、雨漏りがしたらしい。

それに怒って文句を付けた経営者に対し、雨漏りしてない場所に移動しなさい、といった内容の返答をしたらしい。

ライトにとって雨漏りは大したことではないらしい。それから、日本の浮世絵の収集家としても知られている。単なる収集家に留まらず、売買もしてたらしい。一時期、仕事が途絶えたことがあり浮世絵の売買によって凌いだらしい。これは、確かではないが何かで読んだ記憶がある。

旧・帝国ホテルの雰囲気を感じたい、そんな人にお勧めするのが、現在の帝国ホテル内にあるオールドインペリアルバーという場所である。ライトの設計した旧館で使用された部材で作られたバーである。ちなみに、椅子も当時の設計のものである。

ここで、マリリン・モンローに想いを馳せてみるのもいいかも….。(モンローは、新婚旅行で東京に滞在した際、旧館に泊まっている。)

また、これから愛知方面に旅行で行かれる方は、ぜひ明治村へ行かれてはどうだろうか。一見に値するはずである。と、個人的には思うのです。以上

参考文献:ブルータス/カーサ特別編集 2002/12/10発行

巨匠フランク・ロイド・ライト

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