結婚できないんじゃない。結婚しないんだ!!
40歳過ぎたら、結婚できる確率は約1%とか
少子高齢化が叫ばれてからずいぶんと久しいが、一向にそれが改善される傾向には至っていない。それよりも以前に男女ともに結婚できない、またはしない人達が静かに広がっているといわれる。それを踏まえると、ますます少子化が進展していくのは止む終えないと想像できる。
人間の男と女という生き物は、犬や猫のように簡単にくっつくという訳にはいかない。猫なんて、去勢しなけりゃ発情期毎にだいたい2匹は生むらしい。ところが人間は去勢した訳でもないのにちっとも増えてこない。もっともそれは先進国で共通することであり、発展途上国では逆に増えているらしいが。
国家の未来を危惧して「生めよ、増やせよ」といわれても、そこは人間様には感情という摩訶不思議でコントロールがきかない機能が備わっているから、生むためにだけ結婚するということはできない。
また人間の場合は、前段階を踏まないといけない。それは相思相愛の情を確認する儀式となる”恋愛”である。いわゆる、男女ともにお気に入りの範疇であるかを見極める作業と言っていいだろう。(見合いも含めて)それなくしては、くっつくことはなく、したがって子供を生み、また育てることも不可能である。
だったらどんどん恋愛すればいいと思うが、ところがどっこい年齢を重ねるに従い相手に求める諸条件が厳しくなってくる。もっといい人がいるはずとか、自身の諸条件を省みずに高望みするという傾向にあるらしい。そんなことを繰り返して40歳近くになると、「結婚できる確率は1%」ぐらいしかないとか。
犬や猫だって気に入りの相手を見極めているだろうが、どこかで妥協してことを済ませているから、どんどん増えてくるはずだ。それに比べると人間は実にめんどーだ。また、人間には経済や生活環境の変化という天敵もある。かつては、子供は勝手?に育っていたが、いまでは育てる環境もけっして生易しくはない。
現代における男と女のあいだには、そのような深い事情が横たわっている。それが男と女の関係式をかつてない程に苦境に貶めているといっても過言ではない。
犬猫と人間の男女を比較するなど寓の骨頂ともいえるが、犬猫のたくましさをおなじ生き物である人間は、いまいちど取り戻した方がいいかもしれない、などと寓にもつかないことに思い至りました。ただし、本能の赴くままにというのは、ちと違うような気もするが…。
ところで、最近では働く女性のあいだで「もう男はいらない、だけど子供は欲しいわ」という動きが顕在化しているとか。独身中年男にときめくものがなく、もう諦めたということか。それでも子供は欲しいという想いは、母性の成せる技であるに違いない。
仕事ができて、収入が多くある女性ほどもう男を必要としない。そんな時代になりつつあるのかもしれない。
とにかく少子高齢化の即効性ある解決策は、とても当方などには考えも及びません。あしからず。
35歳過ぎると結婚はほぼ不可能 できたのは「男性で3% 女性で2%」(J-CASTニュース/2011)
「産むだけ婚」を求める女性の実態「いい夫が見つからないなら…」(ライブドア)
ドラマ「結婚できない男」は、時代を予測していたか?
最近になって「結婚できない男」というドラマをネットフリックスで観ました。このドラマは、いまから10年程前に放送されたものです。阿部寛が主演し、40歳過ぎた独身中年男の、可笑しくもあり、また哀愁も漂う生活風景を描いていました。
主人公の信介(阿部寛)は、フリーの建築家として中堅どころにある。そして独身である。生活には困らない収入があり、それを自分の趣味には惜しみも無く注ぎ込んでいる。また知識は豊富にあるが、蘊蓄自慢がたまに瑕なところがある。
あくまで自分中心で物事を考える傾向が顕著であり、それ故に周囲との摩擦が絶えず生じている。それでもなお、自分をまげない偏屈な性格にある。しかし、一方では他人に優しくて思いやりもあるが、偏屈な性格故にそれが理解されない。
40歳過ぎ独身の主人公は、なぜ結婚しないか問われて次の様に言い放つ。
「結婚できないんじゃなくて、しないんです!」と。
とにかく、ああいえば、こう言うの繰り返しが得意の偏屈な中年男、それを阿部寛が見事に演じています。かれぐらいの男前なら女性が放っておかないはずですが、そこはドラマですから気持ちが悪い人と周囲の女性からは言われています。
結婚できない男と結婚できない女の出会い、その進展がもどかしい。
そんな偏屈な独身中年男の前に、ある日30代後半の女医である夏美(夏川結衣)が現れる。この女医も実は結婚できない女であった。そして、どこか自分をまげない性格をしていた。独身中年男とどこか共通するものがあり、似た者同士であった。運命の歯車は回り始めていた。
ドラマでは、この二人はくっつくのだろうとバレバレであるが、中年同士の相思相愛はなかなか進展しない。なにしろ、双方ともに独身生活に慣れているからだ。さらに、仕事はできるし、自信もあるという二人は、他人に自分を合わせるという意識や価値観があまりなく、感情のすれ違いがどこまでも続いていく。
とにかく、観ていて歯痒い程に、年を重ねた二人の恋愛は進展していかない。それは独身生活が長くなるほど、恋愛、結婚は難しくなることを示していた。
そんなこんなの話しが10話ぐらい続いて、ようやく最終回で独身中年男は、意を決して行動を起こします。
<最終話/ラストシーン>
独身中年男は買い物帰りに30代後半の美人女医にばったり出くわす。
信介と夏美「あっ!」
夏美「…こんばんわ」
信介「どうも…買い物ですか?」
夏美「ま~たお肉ばっかり食べてるんでしょ」
信介「別に…そちらのメニューはなんですか?」
夏美「ロールキャベツでも作ろうかなと思って」
信介「ふふ、またか」
夏美「いいでしょ?好きなんだから…じゃあ私こっちなんで」
信介「あの…圧力鍋あります?」
夏美「あ~…今ないんですよ、古いの捨てちゃって」
信介「僕の家にありますよ、ロールキャベツなら10分でできる」
夏美「そうですか…」
信介「…」
夏美「もしかして…家に来いって言ってますか?」
信介「いやまぁ…でも…あなたがどうしてもとおっしゃるなら」
夏美「どうしてもなんて言いません」
信介「ふーん」
夏美「でも…あなたがどうしてもって言うなら行ってもいいですよ」
信介「…じゃあ、来てください…あー…どうしても!」
夏美「…はい!」
エンディング!
さぁ、このあとはどうなる?という期待を抱かせつつドラマは終了となりました。
橋を渡るシーンでエンディングとなりますが、これは男と女のあいだにある深い溝である川を越えていくことで、男と女がひとつになることを象徴したのではないかと想像いたします。
このドラマは、中年独身同士の恋愛、結婚がなかなかにややこしいという現状を垣間見せてくれました。たぶん、現実もこれと大差ないものと想像いたします。これから恋愛、結婚に向かう中年男子諸君は、阿部寛ほど男前ならいいが、大抵の男はそうであるはずがありません。
どうか、くれぐれも男前と勘違いなさらないで対処してください。また、女性たちの「男はいらない」とか、「精子だけ欲しい」などの声に惑わされず、「なんじゃそりゃー」とばかりの気概で臨んで頂きたいと切に願います。そして、くじけずに前向きで挑みましょう。ご健闘を祈ります!!
「結婚できない男」
2006年7月4日〜9月19日(12回)
制作局:関西テレビ
脚本:尾崎将也
出演者:阿部寛
:夏川結衣、ほか
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