■TVドラマ|東京都北区赤羽 なんじゃこれは?と思うこと間違いなし

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俳優・山田孝之の病が高じて生まれたドキュメンタリードラマ?

これを放映したテレビ東京の英断に脱帽する!

「東京都北区赤羽」というTV番組は、2015年1月〜3月までテレビ東京の深夜枠で放映された。一部では異様に評判が高かったようである。しかし、当方はそれを知る由もなく、ごく最近になってネットフリックスで観た次第である。

 内容を簡単に言えば、俳優の山田孝之が役柄に嵌まり過ぎて自分を失ってしまい、たまたま読んだ漫画「東京都北区赤羽」にいたく感銘を受けて、赤羽に移り住んで自分を取り戻すまでのドキュメンタリー形式のドラマとなっている。

「東京都北区赤羽」のストーリー概要

 俳優の山田孝之は、ある時代劇の撮影中に役柄と自分自身との区別が付かなくなる状況に追い込まれていた。刀で自害するシーンで突然撮影を中断してしまう。偽物の刀では自害できないと言い出して、本身の刀を用意するように監督に詰め寄っていた。そのあげくに映画は撮影中止となってしまった。

 精神的に自分を失った山田は、たまたま読んだ漫画「東京都北区赤羽」(清野とおる著)にいたく感銘を受けて、そこに描かれた世界に自分が求めている何かを感じていた。そして、北区赤羽に住み始めることを決めて、そこで経験する様子を記録したいと山下敦弘監督に依頼したことからドキュメンタリーは始まっていく。

 赤羽に住み始めた山田は、漫画家・清野とおる氏から漫画に出てくる赤羽の市井のちょっと変で面白い人々を紹介されて交流を重ねていく。そのような生活を過ごしているうちに、山田の内面は徐々に変化していた。そして、何かしらの新しい発見と共に自己を取り戻していくのであった。

 何故、ドキュメンタリーにドラマが付いてるかといえば、「東京都北区赤羽」という漫画を原作(原案)とした上で山田孝之の自己喪失を重ね合わせているからだ。漫画の作者、清野とおる氏は漫画の連載を打ち切られた憔悴のなかで赤羽に移り住んだそうである。そして生まれたのが「東京都北区赤羽」であった。

 その漫画を原作にするに当たって、ただ単にそれを再現するだけではつまらんと山下監督や山田孝之は思ったのではないかと想像する。そこに漫画の原作者の苦悩とおなじく、自己喪失ぎみとなった山田孝之が監督の目の前にいた。そして、これ幸いと主人公を山田自身に置き換えることでドラマの特異性が生まれていた。

 事実(ドキュメント)と演出(ドラマ)が融合し、その境目が曖昧となって観る人たちを戸惑わせるかなり変なドラマとなっている。

 これを観た当方の感想であるが、端的にいえば”とんでもないしろもの”だと思った。なんじゃこれは?と思う事、誰でも120%間違いなしである。上記した様に山田孝之のある種の病?に端を発したドキュメンタリーの体をしているが、ドラマという文言も付いているように境目が曖昧としている。

 とにかく観ているあいだは?マークが点灯しっぱなしであり、ドキュメンタリーなのか、やはりドラマなのかと判別しにくいこと甚だしい。

 しかし、それが面白く無いかといえば、それは違っている。観ているうちに何故か妙に引込まれていくのである。山田孝之という俳優の特異さ、変人さはよく判ったが、それが何かとても魅力的でもある。また赤羽の市井の人々の温かき変人ぶりも大変に興味深いものがあった。

 山田は、俳優という職業を15歳頃から始めたそうだ。いまでは業界で変幻自在の若手の演技派と言われている。そんな彼は、これまで特に自らの軸は持たずにやってきたと語っている。しかし、撮影時(撮影は2014年夏)は、それに限界を感じていて自分ならではの軸を持った方がいいのかと疑問を抱いて足掻いている。

 それ故に自分らしさとは何かを探し求めている。それはいわば、自分探しというこじらせ病ともいえるだろう。しかし、一般人のそれと違うのは、俳優という職業(他者を演じるという行為)がより混乱を増していることである。

 山田孝之は、俳優として他者を演じることに真摯な姿勢で取り組んでいる。これは間違いないだろうと思われる。役者としてそれは当たり前なのかもしれないが、役柄になりきろうと真剣に考え過ぎる程に自分を見失なっていくようだ。これは一般人には理解し難いことである。たぶん、職業病とでも言うのだろうか。

 そんな自己喪失にある山田孝之が、赤羽で個性豊かな変人?の市井の人々と出会い、そしてときに励まされ、またへこたれるなど様々な出来事を通じて徐々に自己を回復していく様子が、ドキュメンタリーとして撮影されていくのが「東京都北区赤羽」というドラマ?となっている。

 これは言葉を変えれば、赤羽という地(または原作)を借景として一俳優の自己喪失とその再生を描いたものと言っても過言ではないだろう。

 とにかく、このような摩訶不思議な映像作品を放映したテレビ東京の英断には脱帽するしかないと思うばかりである。

ーー「東京都北区赤羽」とは、清野とおるによる日本のエッセイ漫画作品。携帯サイト「ケータイまんが王国」(Bbmfマガジン)連載。2014年現在、「漫画アクション」(双葉社)で続編「ウヒョッ! 東京都北区赤羽」を連載中。ーー

東京都北区赤羽に出てくる人々は、変わった人?ばかり

赤羽には、面白い市井の人々が生活している

 原作の漫画は実際の出来事を題材としたものであり、赤羽に住む個性豊かな市井の人々が多数出てくる。ドキュメンタリードラマでも、それらの一般人を実際にカメラの前に出演させている。この一般人の方々が、いずれも個性が豊か過ぎて要するに変わりものばかりなのが面白過ぎるのである。

 また、山下敦弘監督の力量なのだろうが、一般人が画面のなかで実に活き活きとしている。ちなみに現場に密着していたのは山下監督、撮影された大量の映像はドキュメンタリー監督の松江哲明がまとめているらしい。

清野とおる
 この漫画の作者で主人公。板橋区出身のギャグ漫画家。漫画の連載を打ち切られたことをきっかけに赤羽に住み始める。そして「東京都北区赤羽」が生まれた。この作者もなかなかの変人ぶりであり、とにかくいつもマスクを着けている。

「ちから」のマスター
 居酒屋「ちから」のマスター。元AV男優であり6度の離婚歴を持つ。2002年にフィリピン人女性と居酒屋「ちから」をオープンしたが常にやる気がない。不倫相手だった悦子ママと2007年7月7日に7回目の結婚をした。

悦子ママ
「ちから」のマスターの仲良しママ。本名・鈴木悦子。2003年秋に「ちから」のマスターと出会い意気投合、2007年7月にマスターと結婚した。

ジョージさん
「ちから」の常連客。清野が「その筋の人ではないか」と疑うほど謎が多いサングラスをかけた強面のおじさん。色々なことをして生計を立てている模様。

マカロニのマスター
「ナイトレストラン・マカロニ」を50年以上営んでおり、他局のテレビ番組も多く訪れている。相撲好きで、高齢にも関わらず自転車を持ち上げて歩くことができる。

赤羽の母
「占い館クリスタル」を営んでいる女性。20代の時にカバン一つで四国から上京してきた。

ワニダさん
 タイ料理居酒屋「ワニダ」のママ。客に対して歯に布着せぬ異様にテンションが高い会話している。2014年のクリスマスイブに「ワニダ」は閉店したが、引き続き「ワニダ2」を営業中。清野曰く「赤羽の核爆弾」。

参考文献:ウィキペディア、公式サイトより

2015年1月9日スタート! 毎週金曜深夜0時52分放送 テレビ東京 ドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」番組公式サイトです。

東京ドラマアウォード2015/演出賞を受賞=松江哲明・山下敦弘(『山田孝之の東京都北区赤羽』)

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