昭和モダンチックな椅子。それは、なんとも懐かしく、
また、新しい香りを漂わせる既視感覚に溢れた椅子である。
これは和洋折衷か、和魂洋才か!
和洋折衷という言葉がある。日本風と洋風をほどよく取り入れて混合させた考え方や様式のことである。一歩間違うと、とんでもなく陳腐なものとなるが、うまく適合させた場合は何とも云えない雰囲気を醸し出すのである。
上段で紹介した商品が必ずしも好例だとは云えないが、そこそこの線ではないかと思われる。うんと昔の日本ではなく、比較的近い昭和の匂いがする椅子である。
和洋折衷と和魂洋才
わこん‐ようさい【和魂洋才】‐ヤウサイ
《「和魂漢才」の類推から明治になってできた語》日本人が伝統的な精神を忘れずに西洋の文化を学び、巧みに両者を調和させること。
和洋折衷は、上記したように和風と洋風を混合させた考え方である。それに対し、和魂洋才は、あくまで日本の伝統精神を忘れずに、洋風文化を学び調和させることを意味している。微妙であるが違いがある。和洋折衷とは、とりあえず洋風を取り入れることを先攻させた考え方であるようだ。
したがって、和風よりも洋風の方が強く意識されたものである。このように捉えると、和洋折衷が必ずしもいい意味で使われたものでないと云う説に賛同できるのである。しかし、この言葉が盛んに使われた明治時代の背景を考えると致し方ないことかも知れない。
一方、和魂洋才には、日本の魂が織り込まれている。これには、当時の日本人の気概を感じるのである。洋を取り入れることは、吝かでないが魂まで失うことはないぞ、とでも云っているような日本人の伝統を重んじる精神が見て取れるのである。
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日本の椅子文化
江戸時代までは、日本人は椅子を用いることはなかった。それは、当然のように畳文化があったからである。畳に座布団を敷いて座るのが普通であった。明治時代になり洋風文化が取り入れられて、初めて椅子が用いれられるようになった。しかし、まだ一般化はせず役所など一部で使われたに過ぎなかったようだ。
その後、公共の場やホテル、カフェ等などで椅子が使われた。しかし、椅子が本当に一般化したのは、ごく近い過去である。それは、太平洋戦争が終わり、戦後になってからである。洋間が一般化した昭和30年代以降からのようである。ということは、なんと、まだ約60年足らずの椅子文化なのである。
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