エレガントな佇まい、震える想い
まさに大人の音楽!
「Viaje」とはスペイン語で、「旅立ち」という意味らしい。
NOKKOは、本作以降、事務所およびレコード会社との契約を解除し隠遁的生活へと入った。それを思うと、何か意味深なタイトルである。本作での彼女の歌声は、心なし頼りない不安定な声質をしている。
2000年前後の一時期には、パニック障害となっていたようであり、その影響かも知れない。しかし、例えば「ヌーチェの朝」などを聞くとその不安定さが独特の味わいとなって、また深みともなっているように感じられる。
そして、それが不思議な魅力を醸し出している。
わたしは「ヌーチェの朝」にシンパシーを感じるのである。何と表現したらいいのかよく分からない独特の心の振動のようなものが伝わってくるのである。
それは、気のせいかもしれないが…。90年代始め頃のNOKKOに比べ、どこか頼りなさげなその声と歌い方に心が震えるのである。ちょっとメランコリックなメロディーとサウンドがそれをさらに増幅させている。
そして、それは心の中を風が吹き抜けていった後のような感じを残すのである。
本作は、ロンドン、日本、ドイツで録音されています。
プロデューサーである屋敷豪太の手腕も素晴らしく、その特徴あるサウンドは、これまでとはまた違う彼女の魅力を創出していると思います。
■NOKKO|Viaje(ヴィアッヘ)
作詞・作曲・歌:NOKKO
プロデュース:屋敷豪太
発売:2000年(BMGファンハウス)
<曲リスト>
1. 昼の月
2. ヌーチェの朝
3. SPACE GIRL(フィーチャリング i-DOLL)
4. キスがきこえる
5. サニーサイド
6. COBALT HOUR
7. ブラジルの朝
8. 目ポタ(REMIX)
9. フレンズ(Creamy)(REMIX)
10. I LOVE YOU
11. 昼の月(REMIX)
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