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■映画|愛のむきだし(下)愛は偽りに勝てるか

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満島ひかりが輝く、園子温が惚れたのも無理はない

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愛のむきだし、ついに大団円を迎える!

約4時間に及ぶ「愛のむきだし」は、後半に入るといよいよその本領をむきだしにしてゆく。宗教、神、洗脳、家族、男と女、性、変態など盛りだくさんの内容を無理矢理?にまとめに掛かり、そして大団円(終結)までまっしぐらである。

前半では、パンツの盗撮、オナニーシーンなどがあったが、後半はどんどんエスカレートする。レズ、変態、暴力、そして園監督お得意の血飛沫が舞う。その一方では、新興宗教の洗脳という脳内暴力も描かれる。

園子温監督の行き場の無かった創造力が思い切り花開いた。それが「愛のむきだし」ではなかったかと想像する。この映画の公開を以て園監督は、これまでにない注目を集めることができた。それ以後は映画の神が乗り移ったかの如く映画製作に拍車が掛かった。たぶん、2009年(本作公開の年)以降は、休む事無く働いているのではないか。

本作以後の作品の多くは、海外において数々の映画賞を受賞した。そしてかれは、日本を代表する映画監督として認知されたのであった。したがって、「愛のむきだし」は園監督には言うまでもなく、日本映画にとってもターニングポイントになった作品ではないかと思われる。

映画|愛のむきだし(上)園子温のてんこもり
https://cragycloud.com/blog-entry-575.html

<愛のむきだし/映画後半の留意点>

前半はユウという少年が主人公として中心であったが、後半になるとかれが愛するヨーコが重要な役回りを演じてゆく。このヨーコを演じたのが、満島ひかりである。当時の彼女はまだ知名度はなかったが、この演技で俄然注目されてオファーが増えて、現在ではメジャーな女優となっている。

彼女はまさに体当たりで演技をした。新興宗教ゼロ教会の教祖の右腕?コイケ役の安藤サクラとのパンツ丸出しのレズシーンなどはそのひとつである。しかし、この映画は、そんなことは大したことではないと言わんばかりに、より深く人間の抱える問題に迫ってゆくのである。

愛を語りながら洗脳をしてゆく宗教とはなんだ。実際に起こった事件と被るようにこの映画では新興宗教の危うさが描かれる。まさにそれは人間の脳に侵攻するウィルスのようにである。しかも、それは望まなくとも強引に侵入してくる。

主人公ユウの父親はキリスト教の神父である。しかし、ある女性との再婚が宗教上の理由からままならないことから迷走しはじめる。そこにつけ込んでいくのが、新興宗教ゼロ教会であった。迷いや悩みを抱えて弱った人間の脳に、すーと浸透するかのように洗脳をしてゆく、そして家族を崩壊に導くのである。

そして、ユウの家族(父、義理の母、その娘ヨーコ)は、新興宗教ゼロ教会の手の内に落ちた。ユウの憤りは頂点に達するが、家族はすでに洗脳されていた。ユウは家族、そしてなによりも愛するヨーコを取り戻すべくゼロ教会に偽りの入信をすることにした。

はたしてユウは家族を、ヨーコを取り戻せるか。偽りの愛と真の愛との闘いがはじまった。その行方は如何に!。この続きは、DVDでお楽しみください。


愛のむきだし 予告

園子温は、満島ひかりに熱い想いを抱いていた!?

ある映画関係者の記事によると、この映画撮影時に園監督は、満島ひかりに惚れてしまったそうである。しかし、その結果は芳しくなく、彼女に振られて一時期はそうとう落ち込んでいたとか。

とにかく、「愛のむきだし」の満島ひかりは輝いていた。彼女にとっては満を持しての場ではなかったか。それに見事に応えた彼女はすんばらしい。映画を観たあとに園子温が彼女に惚れていたという上記した後日談を知った。いやはや、それも無理も無いと思った彼女の輝きであった。

女優に振られて落ち込む園子温は、如何に。なんか想像したくないが、たぶんお酒でも浴びる様に飲んで、誰かにクダをまいたか。園監督はぐでんぐでんになるまで飲むようである。映画の打ち上げか何かの映像を観たが、そこでの園子温は酔っぱらってセクハラ発言を連発する中年オヤジであった。

映画評論家の町山氏がラジオで言っていたが、新宿の3丁目かどこかで頭髪はぐしゃぐしゃ、髭も伸び放題のぐでんぐでんの酔っぱらいの男が、町山氏に近づいてきたそうである。町山氏は、危ない人だと察知し逃げようとしたところ、その男は、「おーい!まちやまー、おれだよー、園子温だよー」と叫んでいたとか。

ちなみに、園監督はその後元グラビアアイドルで女優の神楽坂恵と結婚した。彼女も園監督作品で熱演した女優であった。ある意味では、職場恋愛の一種ではないかと思われる。監督はいいなー、きれいな女優を嫁にする機会があって、と思うのは当該ユーザーだけではないはずである、違うか。

しかし、ほんの少し前まで園監督は一部では評価されていても金銭的には恵まれなかった。名声とお金が釣り合うようになってきたのは、この数年だそうである。それまでは、6帖一間に住んでいたとか。しかもトイレは共同である。

それを考えると、きれいな嫁さんはご褒美か。これは女性蔑視だったか。訂正しておこう。才能がようやく花開いた結果として、きれいな女優がかれに惚れるのは必然である。これでどうであろうか。

それはさておき、園監督の現夫人である神楽坂さんは、なんと監督を手伝って経理の仕事をしているとか。どうやら内助の功を発揮しているようである。監督が、外で好き勝手に振る舞える(のように思える)のも彼女あってのことか。なお、あくまでこれは想像である。あしからず。

最近、園監督は映画の発表会で「もう映画は飽きた」「純粋芸術としては小説や音楽の方が上だ」とか言ったそうである。とにかく、お疲れモードなのだろう。なんせ2014年残り半年で、あと2本撮るとか。

まだ50代になったばかりの監督である。これからが本当の勝負に違いない。日本の映画監督の中には若くして注目を集めながら、その後は鳴かず飛ばずになってしまった監督がいる。しかし、園監督にはそのような心配はなさそうである。なにしろ、長い助走期間のあいだに蓄えた創造の糧となるものが多くあるに違いない。

東京オリンピック2020までには、園監督は世界を舞台に映画を撮っているかもしれない。しかし、監督は英語ができるか。残念ながらそれは知る由もない。

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園子温「愛のむきだし」に関するインタビュー
http://rooftop.cc/interview/090105183522.php

愛のむきだし ストーリー(後編)

ユウの父親がかつて同棲していたカオリと再婚することになった。カオリが連れ子として連れてきたのが、なんとヨーコであった。ヨーコは、ユウが盗撮の際に女装したサソリに恋していた。しかし、それに気付かずユウのことは毛嫌いしていた。サソリに女装すれば愛され、兄としては嫌われるユウは混乱しつつ、それでも盗撮を続けていく。

そのころ、狂信的な信者を増やし、営利を貪る新興宗教団体“ゼロ教会”が世間を賑わせていた。ゼロ教会教祖の右腕・コイケ(安藤サクラ)はユウの角田家に近づく。コイケはユウの行く先々に現れたり、ヨーコに自分がサソリだと思わせ、家庭の中に入り込んでいく。

コイケはユウの盗撮をばらし、ヨーコのユウへの憎悪を増加させる。父親やサオリもコイケに洗脳されていく。そして家族を新興宗教”ゼロ協会”に奪われた。不信感を払拭できず、ユウは家を出る。時が経ち、ユウが家に戻ると、家族やコイケは姿を消していた。ユウは家族を取り戻すため、ゼロ教会へ戦いを挑む。

(ストーリー/参考:ムービーウォーカーより)

<毛深い闇 園子温>
少女の眼から角膜を剥がす不可解な殺人事件。
女刑事の娘・切子は母親より早く犯人に辿り着こうと悪魔画廊を探るが……
映画界の鬼才が母娘の闇に迫る傑作小説。
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