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■社会|オリンピックやワールドカップは、もはや固定した国でやる方がいい

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開催国選定は、腐った利権を生む土壌でしかない

■IOCやFIFAは、開催国の決定権でおいしい思いをしている

 いまやスポーツが利権まみれであるのは、今更言うまでもないことだ。スポーツを鑑賞するのは、それを重々承知のうえで楽しむしかない。いわば大人の対応というやつである。しかし、昨今のFIFAの不祥事や、オリンピックに絡む利権の噂などを聞くにつけ、もういいかげんにして欲しいと思うばかりである。

 現在、オリンピックやワールドカップなどの世界的なスポーツイベントは、開催国の立候補制とそれぞれの委員会が選定することになっている。しかし、これが悪の温床であったのは、いまや知れたことである。全ては金で事は決定していた。それが、なんとスポーツの祭典の裏の姿であった。

 しかし、それでもなお各国がスポーツイベントの誘致に積極的なのか、いまひとつ分からない。何故なら、最近スポーツイベントを開催した国が、それで利益を得たとは聞かないからだ。むしろ財政を悪化させているからである。ブラジルなど典型であるし、あのギリシャなどはオリンピックで分不相応な財政負担を抱えてしまった。

 かつては、オリンピックの開催が国家の地位を向上させる役目を担っていたかもしれないが、いまではもはやその効果は薄いとしか思えない。ロンドン、その前は北京、その前はどこだったか。なんて具合でもはや覚えてやしない。北京だって、あれほど派手にやったが、だからどうしたという思いしか残っていない。

 大規模なスポーツイベントで利益を得ているのは、実は国家ではないようだ。その周辺に蠢く得体の知れない輩のようだ。例えば、放映権を握るスポーツマーケティング会社、スポンサーを仕切るエージェントなどである。それらは当然のごとくIOCやFIFAと繋がりがある。利権がクモの巣のように張り巡らされている。

 それが、オリンピックやワールドカップの真の姿である、と思われる。確かではないが、当たらずとも遠からずである。実は利権の温床はまだある、開催国となった国の側では、会場設備等の建設に伴う利権を政治家は建設業者に求める。だから、誘致に積極的になる政治家がいる訳である。

 なんともはや、大規模スポーツイベントは、国にも国民にもなんの利益ももたらさない。それどころか、国民に財政負担を押し付けるようになっている。東京オリンピック2020の新国立競技場の建設は、まさにそれを絵に描いたものになりそうだったが、寸前のところで回避することができた。これは、誰も責任を取らない日本の政治、官僚、企業システムのなかでは異例の出来事であった。

 ところがどっこい、またしても新たな問題が持ち上がった。それがオリンピック・エンブレムのデザインパクリ騒動である。こちらの問題も、代理店を通じて利権に繋がっているのは想像に難く無い。いやはや。

■開催国の選定が悪の温床、だからそれを無くせばいいだろう

 オリンピックもワールドカップもいまだに、開催したい国があとを断たない。しかし、昨今では財政難を理由に立候補を断念するところも出てきた。国家または都市の首長は自分の手柄にしたいだろうが、国民にしてみたら財政負担を押し付けられるのはまっぴらごめんである。すでに国民も単なるお祭りに大金を払う必要性を感じていない。どこか他でやってくれと思っている。

 IOCもFIFAも開催を希望する国が引きも切らないことを望んでいる。それは、そこに利権が生まれるからである。開催国を決定する権利、これこそが利権の基本であり、すべてはここからはじまる。だから、ここを是正するしかない。とすれば、開催国を選定しないということにすればいいはずだ。

 だったら、どうするか?。それは、開催国を一定の国に固定するしかない。例えば、欧州、アフリカ、中東、アジア、南北アメリカなどの各地域から1ないし2カ国を選んで、各地域ごとに順繰りに開催していくのである。また、運営費は開催国負担とするが、利益も開催国に多く入るシステムとする。

 これまでIOCやFIFAが利益としていた部分を開催国に振り分ければ、運営費が賄える利益が確保できるかもしれない。当然、現状のIOCやFIFAは解体し、新たな非営利団体として再出発しなければならない。

 スポーツが本来の姿を取り戻すには、かなりの荒療治が必要となるに違いない。それには、多くの抵抗があると思われる。とくに重要スポンサーであるスポーツ関連企業(アディダス、ナイキなど)が、どう考えるかである。

 しかし、長い目でみれば、スポーツ本来の姿を取り戻す行為に加担することの方が、これまでの利権の中にいるよりも、ずーとブランド価値を向上させるに違いないと思うがいかに。またそれでこそ、スポーツ関連企業の意味があるだろう。

 なお、このアイデア(開催国を固定する)は当方の思い付きではない。どこかで読んだものであるが、それがなんだったか忘れてしまった。あしからず。

 あとで思い出したら、追記いたします。

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 評判の悪いおもてなし制服ですが、ネットにはいくつか代案が出されているようです。上に掲載したのは法被を使ったアイデアですが、いい悪いは別にして外人さんには受けそうな気がします。

W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)
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