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■デザイン|東京五輪エンブレム決定! なんだか気が抜けた感が拭えないが…

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ShortlistedEmblems_A-1

まじか、イマイチと思った案が決定と相成った!

個人差はあれど、心に響くデザインとは思えない

 すったもんだの末、ようやく2020東京五輪のエンブレムが決定した。しかーし、である。「なんだか、なー」という以外に言葉がない。

 デザインの好みには、個人差があるのは言うまでもないが、それにしても決定したA案を良いとした人は少ないようだが…。失礼ながら。

 なお、これは当方が勝手に言ってるだけでなく、一部マスコミもそれを伝えている。なんでも、決定案発表の場では「エー!」というどよめきが起こったそうだ。それもそうだろう、各マスコミの調査ではA案は一番人気がなかったそうだ。

 前回のエンブレム審査委員だった平野啓子氏が、最終候補4案が発表されたとき、これはA案ありきのプレゼンテーションだと指摘していた。

 それが、まさかの指摘どおりとなってしまった。これは、どう考えて良いのか、戸惑うばかりだ。まさかとは思うが、デザイン業界の良からぬ慣習が指摘された前回と同様に、今回もなにかしらの神の手が作用したか。

 そんなことをつい思ってしまうのは、当方だけではないだろう。今回も最終決定は一部の審査委員で行われた。せっかく、デザインを一般公募したのだから、最終決定も一般投票でも良かったのではないか。

 それには投票のシステムに費用がかかるかもしれないが、知恵を絞れば現在のIT技術ならローコストでも可能だったのではないか。

 しかし、今回もやはり一部の審査委員のみが密室で決定してしまった。なんでも満場一致?(それに近い)で選出されたそうであるが、それこそ「なんでそーなるの」、という古いフレーズを思い浮かべてしまうぐらい不思議な感覚だと思うしかない。

 またしても、みんなで渡ればこわくないを地でゆく行為のように感じてしまうがいかに。とにかく、「2020東京五輪には、あまり期待できそうもないな」と思う人もきっと多くなったに違いない。

 新国立も「なんだかなー」であるし、五輪の象徴であるエンブレムもこの有様だし、すべての費用が高騰していて、「約束と違うじゃねーか」という声がもっと出てきても可笑しくはないが。(当初、低予算の開催を売りにしていた)

 さらにいえば、東京都知事は海外出張ばかりして、「お前は外務大臣か」とつっこみたくなるし、それも高級ホテルのスウィートばかりに宿泊して、税金を無駄使いしている。「なんだかなー」と思うことばかりである。

「なんだかなー…」

1対3の構図 – 「A案」VS「BCD案(平野啓子オフィシャル)

2016年4月8日、五輪エンブレムの最終候補4作品が発表されました。公開されたA、B、C、Dの4つのデザイン案が並んでいる様子を見て、デザインの特徴から「A案」と「BCD案」という1対3の構図に見えました。4案の中で1案を選ぶという方法論において、先頭に配置された1案だけが際立つ見え方は不適切であり、「A案」ありきのプレゼンテーションだと受け取りました。

発表された4案が、「A案」と「BCD案」というふたつのグループに分けられる理由と根拠を記します。

佐野史郎?、いや佐野研二郎氏に再評価のきざし

前回エンブレム

 パクリ疑惑で撤回された前エンブレムをデザインした、佐野研二郎氏を再評価する動きが顕著であるそうだ。最終候補4案が発表された時点で、某有名デザイナー氏や業界関係者などから、佐野氏のデザインの方が良かった、という声が多く上がっていたといわれている。

 たしかに、今回決定したデザインと比較するために、前回デザインをいま見てみると、そこはかとなく漂う「尊厳な趣」がある様に思われます。(ちなみに当方は、パクリ疑惑非難に加担した側である)

 いまさらであるが、佐野氏が、非難されたのはデザインをパクった(認めてはいない)こともあるが、それよりも頑なに否定しつづけたからと思われます。もし、インスパイアを受けたという事実を公表し、各デザイナー(原案の)と話し合い、共同デザインとすれば、違った経過となったかもしれない。

 佐野氏は、オリジナルではなくても、とにかくアレンジしたのは事実であると思われる。だから、公表して判断を待てば良かったのにと思うばかりである。しかし、当事者となれば、そうもいかなかったのも想像できますが。

 ちなみに、アートディレクターなんぞは、やってることは音楽のリミックスと似たようなことをやってると思って間違いない。それは、原作者の了解さえあれば、なんの問題はないクリエィテイブな行為である。

 佐野氏は、アートディレクターのはずである。デザインの実制作はスタッフがやっている、と思われます。

 佐野氏は、もしかしたらオリジナルのデザインを作ることより、アレンジャーとして優秀なのかもしれない、なんてことを思いましたがいかに。

 デザインにオリジナルはないと言われて久しいですが、ちなみに今回決定したエンブレムも、日本の伝統美がモチーフとなっています。

 デザインにインスパイアされたのは、前回と同じであるが、どこが違うかといえば、著作権があるかないか、ということに尽きるか。

 佐野氏は、不幸にも同時代を生きる現役デザイナーの作品から、インスパイアを受けてしまったと思われます。そこが問題であったのは言うまでもありません。

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