■デザイン|2020東京五輪に関わるデザインから、何故かイマイチ感が拭えない

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五輪関連のデザインがダサすぎる

 2020東京五輪に関するデザインには、なぜかビッビッとくるものがないと感じているのは当方だけであろうか。とくに、絶望的にダサいと評判となった東京都が推進したボランティアのユニフォームは記憶に新しい。

 そして、今度は五輪公式のライセンスグッズが発表されたそうだが、そのデザインがこれまた同じ轍を踏んでいる。アニメキャラを多く採用したデザインには、奥深い発想は皆無であり、クールジャパンを気取ってみました、という浅い考えで作られたとしか思えない。五輪とクールジャパン、いったいどっちをアピールしたいんだ。

 しかも、デザインの出来上がり具合がちっともクールではない。個人差はあれど、バッタモン感が半端なく、けっして一流の出来とは思えないが。

日本には、優秀なデザイナーが山ほどいるはずだが…

 新国立競技場をはじめとした建築デザイン、そして五輪ロゴもおなじく、何か違う様な気がしてならなかった。それが何かを、はっきりと言えないのがもどかしいが、それでも個人的な見解ながらおぼろげに感じることがある。

 それが何かといえば、2020東京五輪には、すべてにおいて「統一感がどこにも感じられない」ということである。「てんでんばらばら」「意味や目的性の欠如」、それがデザインにも如実に表れていると思われる。

 1964年の東京五輪では、その意味や目的性が明確だった。

 1964年の東京五輪で亀倉雄策氏がデザインした五輪ロゴやポスターを見れば、戦後復興した日本が、アジアではじめて開催するスポーツの祭典であることが一目瞭然となっていた。(異論はあろうが、あえて断定する)

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1964東京五輪 デザイン/亀倉雄策

 そのデザインは、日の丸のデザインとおなじく、日本で開催する五輪に相応しい不世出の出来具合だった。それはある意味では、時代と同期したものといえた。なぜなら、当時の日本で五輪を開催する理由が明確だったからだ。

 敗戦後の混迷から抜け出し、戦後復興を果たした日本が世界にアピールする絶好の機会、それが五輪開催であったのは言うまでもない。

 また、当時の五輪には、現在の利権重視の営利性ではなく、崇高な目的性がまだ保たれていたと思われる。そして日本は、五輪開催以後先進国入りを果たして現在に至っている。(もちろん経済的な功績が欠かせなかったが)

 1964年の五輪開催は、戦後復興した日本が再び世界の枠組みに参加するための通過儀礼であったといえる。五輪開催は、それだけに十分過ぎる意味、目的性があったのは間違いないところである。

 それに引き換え、2020東京五輪には、崇高な意味、目的性が見当たらない。

 東京のさらなるアップグレード化なのか知らないが、とにかく適当なお題目を掲げてオリンピック誘致に参加したはずだ。積極的だったのは、一部の利権獲得者だけであり、いまだに都民のあいだではちっとも盛り上がっていない。

 ロス・オリンピック以降、企業のスポンサードで収益を上げるのが五輪の慣わしとなった。そして、オリンピックは利権の巣窟となったのは、いまさら言うまでもない。ギリシャなどは、そのせいで国の存続まで危うくした。そしていま、ブラジルがその二の舞に陥ろうとしている。

 もうすぐ、リオ・オリンピックが開かれるが、はたしてブラジルは五輪開催の目的を達せられるかどうか、それが注目に値する。

 それはさておき、上記した背景から「2020東京五輪」は、その意味や目的性が曖昧であり、関連するデザインもどこかちぐはぐと成らざるを得なかったと思われる。したがって、デザイナー諸氏に責任を問うのは筋違いかもしれない。

 責任があるのは、五輪開催の意味や目的を深く考えず、ただひたすらに利権のみでオリンピックを誘致した人たちにあるのは言うまでもないだろう。

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2020東京五輪 ボランティアのユニフォーム なんとなく恥ずかしい

ライセンスグッズが垣間見せる「浅〜いニッポンの意識性」

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2020東京五輪公式ライセンスグッズ

 2020東京五輪の混迷した五輪ロゴも決定し、さっそく公式グッズも発表された。それに続いてライセンスグッズもこれから続々と発表されていくようだ。

 そのなかで、公式ライセンスグッズ第一弾として発表されたものが、これまた「やっちまった感」に満ちていた。2020東京五輪に関連するデザインが陥る、統一したテーマ、コンセプトの無さがここでも露呈している。(写真参照)

 発表された公式ライセンスグッズは、アニメや漫画のキャラクターを前面に打ち出している、いわゆる「クールジャパン」をコンセプトにしたと思われる。

 ところで、これは「五輪グッズ」なのか。それとも「クールジャパン」をアピールしたいのか、いったいどっちなんだと思うしかない。

<コレジャナイ>東京五輪公式アニメグッズの絶望的なダサさ
 7月3日、日本の人気アニメを用いた公式ライセンス商品が発表された。7月16日から一般販売が始まるという。発表された公式商品は、日本を代表する人気アニメのキャラクターをあしらったTシャツ、トートバッグ、ウチワなどだ。

「鉄腕アトム、セーラームーン、クレヨンしんちゃん、ワンピース、妖怪ウォッチ、ナルト、ドラゴンボール、プリキュア」といった、いわゆる主役ラインナップ。

 日本らしさをアピールするために、アニメや漫画といった「オタクコンテンツ」を用いる方法論は、安直であるが、それなりに理解はできる。しかし、それにしても登場させているキャクターのセレクションとその組み合わせが、東京五輪公式グッズを絶望的にダサいものにしている。

 2020東京五輪が、避けて通れない「意味、目的性の曖昧さ」がここでも露呈している。五輪ロゴも、苦肉の策で「日本らしさ」という市松模様をモチーフとした。それとおなじで、なんら頼るコンセプト(意味と目的)がないので、とりあえずクールジャパンを借りてみましたということか、と思われる。

「クールジャパン」とは、経産省かどこかの官僚が推し進める日本のイメージ向上のキーワードとして打ち出しているものである。

 アニメや漫画というオタク文化を、日本固有のサブカルチャーとしてカッコイイものであることを海外にアピールしていくことを目的としている。たぶん。

 しかし、それと五輪を結びつける意味はどこにあるのか。海外に向かって、「クールジャパン+オリンピック」で相乗効果を狙ったのか。それは知る由も無いが、作り手の実に安直な考えが露呈している、としか言いようがない。

 その証拠に出来上がったグッズのレベルが低すぎるだろう。これはコンセプトの無さゆえの結果を如実に表しているといえる。

 とにかく、「バッタもんのイヤゲ物(嫌な土産物)」と間違えそうである。

 日本にはいくらでも優秀なデザイナーがいるはずだが、これで海外にアピールするつもりなら企画担当者の美的な資質を疑うしかない。

 このデザインは、想像するにアートの「シミュレーショニズム」を下敷きにしていると思われるが違うだろうか。背景に英語の文字が一面に広がっているのは、まさにバーバラ・クルーガーであるのは間違いない。

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作品:バーバラ・クルーガー

 当方もかつてパクった(いや、あくまで引用である)ことがあるから、それを見間違うことはない。何故なら「類は類を知る」からである。

 そのバーバラ・クルーガーもどきを背景にして、アニメキャラなどを中央に多数配置してある。「どうだー、これだけ揃えたぞ!、すごいだろう」という思いが伝わってきそうだ。これは版権が大変そうであるが大手代理店ならなんとかなるか。

 たくさんのキャラを登場させたが、これが製作者の意に反してなんら魅力となっていない。違うだろうか、少なくとも当方はそう感じたがいかに。

 多数のアニメキャラなどを揃えたのはいいが、関連性が乏しく魅力が相殺されてしまっている。これは、少し考えれば分かるが、キャラクターにはそれぞれ固有の背景があり、また個性がある。それを無視して並べただけでは魅力もクソも無いだろう。とにかく、キャラに対する愛情が微塵も感じられない。

 当サイトは、基本的に「デザインの味方」というスタンスである。しかし、「2020東京五輪」がらみとなると、重箱の隅を突っついてつい貶したくなる。その理由ははっきりしている、何故なら今回の五輪開催が利権の匂いをあからさまに振りまいているからに他ならない。

 五輪関連の予算は、当初の計画は何処へやらでどんどん膨らんでいる。それで潤っているのは建築土木、広告代理店、それに絡む政治家や官僚など、そしてスポーツ関連団体でしかない。都民も国民もほったらかしである。

 政治家や官僚などは、五輪開催を機会に国家のレガシーうんぬんと言うが、そんなの国民の手前の言い訳でしかない。予算を嵩上げし、無駄なものばかり造り上げるのは利権のためと思って間違いないだろう。

 いやはや、デザインの話から、どんどんズレてしまったようだ。

 とにかく、今回発表された公式ライセンスグッズは、ハズレで間違いない。これを反省材料として、これから参入する企業には、よーく考えてからグッズを作ることを切に願います。それに、日本には優秀なデザイナーがいるはずですから。

 日本のデザイナーは、こんなものではないだろう!違うか。

冒頭作品:バーバラ・クルーガー/Plagiarism=剽窃

地図と写真で見る東京オリンピック1964 (ブルーガイド)
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