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■時代と流行|空に消えた女 アメリア・イヤハート

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空の時代の寵児は、忽然と消えた!


フライト・ジャケット姿のアメリア・イヤハート彼女は、
女性として初の大西洋単独飛行に成功した。

1920年代という時代は、何事も活動的であったようである。スポーツをはじめとするアウトドアに注目が集まったようだ。女性も積極的にそれらに参加したのであった。いわば現代の礎を築いたのが1920年代のようである。そのなかでも、特異なのが、アメリア・イヤハートでなかったか。彼女は、女性ながら空を飛びたいと思ったのである。

女性が活動的になったとはいえ、まだ女性パイロットなど思いも至らない時代である。しかし、彼女は運命に引き寄せられるようにパイロットの道を目指し、空を飛ぶことに人生を賭けるのであった。

空飛ぶヒロイン、アメリア・イヤハート

1920年代は、冒険がマスコミによって商売になったようである。これも、現代に引き継がれている。リンドバーグの成功以来、飛行記録の企画が多く立てられた。そのなかで、女性を乗せて大西洋を横断するという企画があったそうだ。これに出版社がスポンサードする事で企画は、実行の運びとなった。

そして女性の候補者が選ばれた、それに合格したのがアメリア・イヤハートであった。1928年、二人のパイロットとともにアメリアはボストンを飛び立ち、大西洋を渡り無事イギリスの南ウェールズに着いた。

この成功によってアメリアは一躍注目を集めた。それは、彼女が女性であったからだ。そのことをアメリア自身よく理解していた。彼女はなんとか自分ひとりで飛行したいと強く思うようになっていた。男に出来て女に出来ないはずが無いと密かに思っていたのだ。

そして、1932年、夫の協力もあっていよいよ女性初の単独による大西洋横断飛行に挑戦する機会がやってきた。彼女は、見事にこの飛行を成功させ、以前にも増して注目される存在となった。出版社の経営者兼プロデューサーであった夫は、彼女のグッズを製作し販売した。これは大変売れたそうである。

アメリア、世界一周に飛び立つ

アメリアはその後も空を飛び続けた。1937年、彼女はいつまでも飛び続けられないことを感じていた。そして、前人未踏の記録に挑戦して引退することを考えた。

それには、世界一周しかないと考えがまとまると、実現に向けて夫が奔走した。さすがに世界一周は、ひとりでは難しいのでナビゲーターが同乗することになった。

そして、いよいよ出発である。双発の最新鋭機のロッキード・エレクトラは、オークランドを出発し、マイアミから南米へ、ナタルから大西洋を超えて、アフリカのダカールへ、アフリカを横断し、インドへ、そしてカルカッタ、バンコック、シンガポールを経てオーストラリアのポート・ダーウィン、そしてニューギニアのラエに着いた。ここまでの情報はもれなく世界中に報道された。

そして、ラエを双発のエレクトラ号は出発した。しかし、その後太平洋上で忽然と姿を消してしまったのである。アメリカ海軍は大掛かりな捜索を行ったが、飛行機の破片さえ見つからなかった。これは、いまでも謎に包まれて、いろいろな憶測を生んでいる。

例えば、彼女は実はスパイであったとか、不時着して日本軍に捕らえられたのだという噂もある。いずれにしろ、空に消えたことに変わりはない。彼女は、空に憧れ、そして愛した空に消えたのである。

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