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■時代と流行|アイドル松浦亜弥 少女から大人までの軌跡

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最後?のアイドルは、いまもすぐそこにいる

 アイドルは、まるでホタルの光りのように輝きながら軌跡を残していく。

 2000年代初頭、もはやピンのアイドル(往年スタイルの)は絶滅したかと思われた頃、ひとりの少女が突如現れた。それが若干14歳の松浦亜弥さんであった。当時は、アイドルといえばモーニング娘。のようなグループであり、それに反してピンのアイドルは久しく現れていなかった。

 アイドルに変わって一世を風靡していたのは、宇多田ヒカルであり、浜崎あゆみであった。ちなみに彼女達はアーティストというスタンスで活動していた。アイドルで活躍していたのは、唯一モーニング娘。ぐらいしかいなかった。

 そんなアイドル劣勢の時代にあって、ハロプロのプロデューサーつんく氏は満を持して?ピンのアイドルを送り込もうとしていた。そして2001年、松浦亜弥こと通称あややは、「ドッキドキ!LOVEメール」でついにデビューした。

松浦亜弥、満を持してデビュー!

 2001年、松浦亜弥さんはデビュー曲を含む4曲をリリースして、年末の紅白にも初出場を果たした。デビュー1年目としては、まずまずのスタートであった。第3弾の「LOVE涙色」は、約17万枚を売り上げた。

 ちなみに、この年のシングル売上一位は、宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret?」で、約148万枚であった。宇多田、浜崎に一発かますとはいかなかったが、それでもピンアイドルとして十分認知される存在となった。

<2001> ※シングル曲(売上数)
・ドッキドキ!LOVEメール 2001.4.11(72,070)
・トロピカ~ル恋して~る 2001.6.13(64,490)
・LOVE涙色 2001.9.5(172,340)
・100回のKISS 2001.11.28(102,820)

ヒット曲を連発する

 2002年、第5弾「♡桃色片想い♡」をリリース、約22万枚を売り上げた。これが彼女の最大のヒット曲となった。他には「Yeah!めっちゃホリディ」もリリースしている。こちらのほうが、イメージ的には代表曲かもしれない。なんせ、モノマネの定番となったことで認知度が一番高いからだ。

 個人的には、おなじ年にリリースされた「The 美学」が気に入っているが、しかし、この当時の松浦さんはまだ若過ぎる。2008年(22歳)に行われたライブでのパフォーマンスが、実にエロティックで様になっている。歌声も大人の色気が漂っていて魅力的である。(この様子は冒頭動画で観れます)

<2002> ※シングル曲(売上数)
・♡桃色片想い♡ 2002.2.6(225,566)
・Yeah!めっちゃホリディ 2002.5.29(130,960)
・The 美学 2002.9.19(123,138)
・草原の人 2002.12.11(92,955)

アイドルの認知度とセールスが反比例する

 2003年、第9弾「ね~え?」をリリース、約12万枚を売り上げた。この曲を最後に以降の楽曲は、二桁に届かないセールスとなった。アイドルとしての認知度は高くなったが、それと反比例するかのようにセールスが伸び悩んでしまった。

<2003> ※シングル曲(売上数)
・ね~え? 2003.3.12(121,776)
・GOOD BYE 夏男 2003.6.4(88,483)
・THE LAST NIGHT 2003.9.26(57,451)

18歳にして、アイドル人気に陰りが…

 2004年、エレクトリックポップな曲調の「奇跡の香りダンス。」をリリース。いま聴くと実に軽快ないい曲であるが、これも二桁に届かなかった。この当時18歳となっていた松浦亜弥さんは、アイドルとしてはある意味ピークにあった。

 その様子は、コンサートのライブ映像で観る事ができる。アイドルとしての輝きは、まさにいまが旬といわんばかりである。歌唱力も十分であった。しかし、それがCDのセールスに結びつかなかったのは何故だろうか。

 2001年のデビュー曲から2004年までのつんく氏の作詞/作曲は、どれも素晴らしい煌めきを魅せていた。それは、いま聴くからなのか?、当時は時代に合わなかっただけなのかもしれない。とにかく、現在のアイドルAKB48の楽曲と比べても、ずーと魅力があると思うのは当方だけだろうか。

 この当時(18歳)の松浦亜弥さんは、最後のアイドルと言われるに相応しい。例え、CDのセールスが振るわなかったとしても、その歌唱力、パフォーマンス、楽曲と三拍子が揃っていた。それは間違いないと思われるがいかに。

<2004> ※シングル曲(売上数)
・奇跡の香りダンス。2004.1.28(80,322)
・風信子(ヒヤシンス) 2004.3.10(56,400)
・YOUR SONG ~青春宣誓~ 2004.7.14(41,306)
・渡良瀬橋 2004.10.20(47,857)

大人の女性ならではの雰囲気が漂う

 2005年〜2009年、アイドル松浦亜弥さんはもう少女ではなく、大人の女性へと変貌していく時期であった。いま当時のライブ映像などを観ると、その歌唱力とパフォーマンスはとても高いレベルにあるのが分かる。それは、現在のアイドルが束になっても適わない域にあるのは間違いない。

 2008年のライブ映像(冒頭動画)を観てみると、松浦さんはアイドルではなくまるでロックバンドの女性ボーカルのようである。しかも、かなり魅力的にそれをこなしている。アイドルが通常やるようなカラオケではなく、生のバンドを従えて堂々とパフォーマンスする様は、天性の資質を感じさせる。

 惜しむらくは、このバンドスタイルはあまり続かず、何故かバラード路線に向かってしまった。本人がそれを望んだのか、それは知る由もないが。バンド路線でいく方向性もあったのではないか、と思う次第である。

<2005> ※シングル曲(売上数)
・ずっと 好きでいいですか 2005.2.23 (45,022)
・気がつけば あなた 2005.9.21(56,822)
<2006>
・砂を噛むように…NAMIDA 2006.2.1(20,212)
<2007>
・笑顔 2007.8.29(13,286)
<2008>
・きずな 2008.5.21(7,623)
<2009>
・チョコレート魂 2009.2.11(4,795)

 2009年、「チョコレート魂」をリリース。いまのところ最後のシングルとなっている。しかし、売上枚数が5千枚を割り込んだのは信じられない。これ以降、2013年に休業に入るまでは、ミニライブなどを中心に活動していた。もはやアイドルではなく、ひとりの大人の歌手になりたかったようだ。

 2015年現在もまだ休業中であり、復帰があるのかどうかはまだ分からない。もし復帰があるなら、ぜひバンド路線で活きのいい音楽をして欲しいと思う。何故なら、ご主人もミュージシャンであるし、しかもまだ若い(たしか20代後半)。バラードやるなら40過ぎてからでも遅く無いと思うがいかに。

 ジャンルは違うかもしれないが椎名林檎さんを見よである。子持ちであるのはおなじだし、松浦さんもまだまだいけるだろう。

冒頭動画:松浦亜弥 Concert Tour 2008 〝Spring AYA The Witch〟

32:49 ドッキドキLOVEメール
1:14:59 奇跡の香りダンス
1:20:50 The 美学
1:29:49 LOVE涙色

松浦亜弥コンサートツアー2008春 『AYA The Witch』 [DVD]
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